夫の転勤により正社員歴たった2年のCOBOLプログラマーが、ITコンサルタントになるまでの物語。

IT業界と、ワークライフバランス

»

 皆さま、こんにちは! 転勤族協会TKT48/SE女子部部長/産業カウンセラーの奥田美和です。

 投稿がしばらく空いてしまったのは、転勤族の妻には恐ろしい「THE!転勤辞令」の季節になったからです。転勤族協会TKT48には全国16チームあるのですが、チームリーダーが(正確にはその夫が)転勤決定になると、まるで「PMが過労で倒れて入院した!」「どうするうちのプロジェクト!」というような状態に陥ります。

 「大丈夫!うちには次期PM候補がいる!」というチームもあれば、「どどどどうしようー!」というチームもあるのは、IT業界も転妻業界も一緒ですね。

 

■IT業界でのワークライフバランス

 さて、先月からIT業界に復帰して、在宅ワーカーのキャリアサポート企画をしつつ、経営層と共に「働き方改革」サポートなどもしています。

 巷では「テレワーク」「ワークライフバランス」「イクボス」が流行っています。

 「テレワーク」については私自身が在宅で仕事をしているので、これは問題クリア。

 

 次に「ワークライフバランス」について。

 現役SE時代は、「ワーク(=通勤+仕事+仕事しながら昼食+仕事+仕事しながら夕飯+仕事+通勤)90%」+「ライフ(=お風呂+寝る+朝食)10%」だと思っていました。

 

 最近は(IT業界以外は?)違うんですね。

 「なるべく定時、遅くても20時、もちろん子育て中の方は保育園のお迎えに間に合う時間」まで働き、「家で家族との時間を大事にしましょう」なんだそうです。

 

 そんなのありえない!と思っている読者の方も多いのではないでしょうか。

 私も、そう思っていました。

 

 でも、起業前の職場で全くのゼロからの新規案件にPMとして参画した時、本稼働1週間前以外は定時で帰れたんです!

 なぜなら、プロジェクトのスケジュール管理権を私が握れたから。そして、発注側(事業会社側)だったから。

 突然の仕様変更もないし、新人プログラマーの面倒を見る必要もなかったし、隣のチームでSEが胃潰瘍で倒れてその代わりに新規プログラム3本作るはめになった…ということもなかったから。

 

 「ワーク(=通勤+仕事+ゆっくり昼食+仕事+通勤)50%」+「ライフ(=ゆっくり夕食準備+家族で楽しく夕食+ゆっくりお風呂+たっぷり寝る+ゆっくり朝食)50%」

――ワークライフバランスって、こういうことだったんだ!

――超上流工程バンザイ!

と、思ったものでした。

 

 ただ、私1人早く帰れても意味がありません。

 チームメンバーみんな、早く帰れるようにしないと。

 

 製造に入ってからは、次の案件のプレゼン資料作成のための業務分析をしつつ、テスト仕様書を書いていました。

 プログラム作成で一番時間がかかるのは、実はプログラムを作ることではなく、テスト工程。

 受け入れテストなのに、数字項目欄に試しにひらがなを入れてエンターを押したら落ちた(プログラムが強制終了した)…ということもかつてあったので、最初から「ここテストするから、ちゃんとテストしておいてね!」と細かく書いておきました。

 暇なうちに、暇な人がテスト仕様書を作成しておくだけでも、後々忙しくなった時にずいぶん時間短縮できるものです。

 

 また、本番に近いデータも早々に用意して渡し、エンドユーザーがどんな風に操作するのかも資料にしておきました。

 4次請けにいた時に苦労したのが、どういう本番データが使われるのか全くわからず、ただ3次請けの設計書通りに作ったので、システムテストの時にかなりバグが出てやり直しに時間がかかったこと。

 だから、「自分は営業職員で、今私のところに営業に来ていると思って、帰宅途中に電車の中で営業日報を書くことをイメージして下さい」と、ベンダーのプログラマーさんに指示を出したりもしました。

 

 多重下請け構造だと丸投げしてしまう部分こそ、時間をかけて最初のうちに伝えておくと、後々やり直すはめになるなどの無駄な時間を丸ごと削減することができます。

 結局「ワークライフバランス」とは、「まずは無駄なことを省くこと」から始まるのでしょうね。

 

 

 本当は「イクボス」のことも書こうと思ったのですが、まだ資料をまとめきれていないので、次回のテーマは「IT業界と、イクボス」で。

 次回もお楽しみに!

 

■本日のまとめ:IT業界における「ワークライフバランス」とは

1.「昨日は家で寝れたんだよ!」

――帰宅できた=ライフバランスが取れた、だけで嬉しい人も。

2.「やっと休みが取れたんだよ!」

――有休ではなく、休日出勤の代休。「有給休暇消化」は夢のまた夢。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する