IT業界に入って楽しかったこと
わたしがIT業界に入ったのは28歳のときです。自動車メーカーから独立系SIerに転職しました。
コンピュータ会社に入って、価値観が大きく変わったことを思い出します。
これからのお話は、わたしが今まで感じてきたIT業界での仕事の楽しみという観点で、IT業界のひとつの側面として参考にしていただければと思います。
ちなみに、自動車会社時代の職種は、新型車に搭載される電子部品の性能評価実験でした。技能職ですね。
■個人の力量が評価される喜び
自動車会社時代のわたしの仕事は定型作業が多く、個人の力量はそれほど評価されるわけではありませんでしたが、コンピュータ会社は個人の力量……すなわち「何ができるか?」を見ていたように思います。
勉強して力をつけていくと「わたし」が評価されて、「○○さんに任せておけば大丈夫」という感じが得られたときは、とてもやりがいを感じたことを思い出します。
■技術力をつけていくことの楽しみ
日々新しいものが出てくる業界ですので、ついていくには大変な側面もありますが、新しい技術やツール、言語を覚えていくことには楽しみを感じました。最初は読んでもチンプンカンンプンだった技術書の内容が、勉強してプログラムを書いて動かしてみてから読み直してみると、内容がスラスラ読めるようになっている。成長感を味わえるのはとても楽しかったです。
特に新しい言語はなかなかとっつきにくい部分がありますが、それを誰よりも先にマスターすると重宝がられ、社内で第一人者になったような気分になれるのは、進歩が早いIT業界ならではなのかもしれません。
また、いかに美しくプログラムを書くか、いかに効率よく書くかという、何かを追求して組み上げて、1人でご満悦するのも楽しかったですね(ほとんどマスターベーションですが……)。
■お客様と直接接することの楽しみ
自動車会社時代はエンドユーザーと接することはありませんでしたが、コンピュータ会社に入ってからは直接お客様と接する機会が増えました。お客様に直接評価されるというのは、厳しい反面とてもやりがいを感じました。
場合によっては目上のお客様と接する機会も多く、対等に話ができることも自動車会社時代には味わえなかった楽しさです。システムの打ち合わせ中は厳しいことを言われることももちろんありますが、タバコを一緒に吸いに行って、偉い人が若造のわたしに愚痴をこぼす……なんていうシーンは意外性があって楽しかったですね。
■チームで作ることの楽しみ
大きなシステムの一部分を外注として仕事をすることも多かったですが、発注元の大企業の方々とリリース前に一緒に徹夜していると、苦労が次第に「仲間感」に変わっていったり、出張で1週間泊り込みという時などは、仕事が遅くに終わっても毎晩お酒を飲みに行ったりしました。社内だけではなかなか味わえない、社外の方々との情報交換も楽しかったです。
わたしは人前で会話をするのは特別得意な方でもありませんので、お酒の力を借りることができたのは良かったですね。
ここまで書いてみて振り返ってみますと、その楽しみは決して技術力の向上だけではなかったということに改めて気づくことができましたね。社外の方々やお客様と接するのも楽しみの1つだったんだなと。IT業界は非定型なことが多く、プロジェクトも頻繁に作られますので、わたしが得られたような楽しみに接する機会はかなりあるなと、改めて思った次第です。
あなたがIT業界で楽しいと思うことはなんですか?
コメント
はじめてコメントさせて頂きます。
私がIT業界で楽しいと思うのは、「人」です。
常に人を中心に、考えや仕事、それ以外の繋がりが広まっていくのを実感します。
これらからもたらされる新しいもの(インフラなど)が、ITによって実現することの楽しさも又
醍醐味ではないかと思います。
不景気・雇用悪化・うつなど、暗くなる話題が多い昨今ですが
楽しくITやりたいなあと思います。
■SHiN. さん
コメントありがとうございます。
> 私がIT業界で楽しいと思うのは、「人」です。
> 常に人を中心に、考えや仕事、それ以外の繋がりが広まっていくのを実感します。
わたしもこの記事を書いたときにこれまでを振り返ってみて、もっと技術寄りのことを書くつもりで書き出したのですが、いざ書き終わってみると、スキルを磨くことも確かに楽しかったのですが、「人」との関わりが、楽しさの多くを占めていたなぁと改めて実感することになりました。
「人」の考えがインフラをつくり、ITによって実現していく…。確かにこれは楽しさであり、醍醐味ですね。