町工場から大企業、そして派遣社員も経験した現役派遣社員の壮絶体験

ホワイトな大手企業へ転職!その53 ほうれんそうができない会社!

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結局一カ月の技術部へのレンタルのはずがどんどん延ばされてすでに三カ月目になっていた。相変わらず同じような仕事である。要領を覚えてきたので仕事そのものは楽になってきたのだが、仕事が早くなればなるほど仕事の量も残業も増えていった。しかし、その割には全然結果が出ない。

高橋さん、木内さん、二人のエンジニアが遂に技術部の部長に呼び出されるという事態が発生した。山口君と朝事務所に到着すると高橋さんがすっ飛んできて「ごめん、今から部長に進捗状況を報告しないといけないからいつも通り進めといて」ってことで私と山口君の二人で仕事をすることになったのである。同じ製造部員二人での仕事はほんとに楽だし楽しいよね。誰にも見られることもなく、自分のペースで休憩もできるし仕事も進められる。これが製造の流れ作業と技術の仕事の違いだ。

製造は一日の生産数などのノルマがあるが、別にノルマを達成しなくても次の夜勤者に引き継いで帰れる。しかし技術の仕事はそうはいかない。一人一人、個人個人に責任があるので自分で仕事の役割や分担などを決めて進めないと結果が出ないのだ。簡単に言えば技術部は一人一人が個人事業主ということになる。この違いが定時になったらすぐに帰る製造と、いつまでも仕事をしている技術との考えに差が出てくる。しかし、これだけ残業している技術なのに結果が全然出ないということになればさすがに「いい加減にしろ!」ってことになってくるだろう。

だって実験用の材料を作るだけでも一日1000万の経費がかかるということを広沢課長から聞いたからだ。普通の会社なら潰れているだろ。製造部の課長からも責められる。「一体どうなってんだよ!金ばかり使いやがって!いつになったら装置の搬入が出来るんだ!」って感じで高橋さん、木内さん、そして広沢課長までもが現場の課長たちから会議室で責められていたのだ。結局、今の計画に関しては3週間後に製造部に結論出すということで会議は終了したのだ。しかし、三週間後、何も技術部からの報告は無く、それに対して製造部も何も言わなかった。こんな会社に俺は居たのだ。。。

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