ホワイトな大手企業へ転職!その16 出来ない者は教えたがり、出来る者はやりたがる!
しかし松井先輩は40代後半の大ベテラン。杉本の言うことなんて気にも留めていなかったが、後になって私にことの成り行きを話してくれたのであった。元々、このトラブルを引き起こしたのは甘利先輩なんだけどね。それなのに杉本MGは何故か甘利先輩には何も言わなかった。それは、この二人は仲が良かったのだ。杉本先輩29歳、甘利先輩26歳だったと思う。何かのサイトで「出来ない者は教えたがり、出来る者はやりたがる」って投稿があったけど、この甘利先輩はできないくせに教えたがり、できないくせにやりたがる奴だった。こういう人間は非常に珍しい。最初は私も甘利先輩がちょこちょこ私の装置のとこへきていろいろと講釈垂れてそれを私も聞いていたのだが次第にうざくなってきた。
引継ぎノートを勝手に見て「ああだ こうだ!」「俺はわかってるんだよ」とか言ってはやり方にいちいち文句をつけるのだ。しかし、その割には甘利先輩の担当している装置もたいして稼働が良くなくていつもちょこちょこと停止を繰り返していたのだ。それなのに言うことは一人前の人だった。甘利先輩と一緒にコンビを組んでいた人は芝浦先輩と言って私よりも3歳年上の方で入社も私より半年ほど早かった。その芝浦先輩も甘利先輩のやり方には不満を感じていたようで、物静かな先輩だがよく甘利先輩の不平不満を愚痴っていたのだ。その甘利先輩と仲の良い杉本MGだが、確かにこの人は相当仕事のできる人であった。が、しかし、人を見て態度を変える奴だったのだ。
その矛先がなんと私になってしまったのだ。休憩の時に先輩たちが私のためにエレベーターを開けて待ってくれていたので小走りにエレベーターに向かったらいきなり「おい!!!」って怒鳴られて振り向くと杉本MGが人差し指をチョイチョイと前後に動かして私のことを呼んでいる。これって、物凄い相手を侮辱した行為なんだよね。近くまで歩み寄るといきなり「工場内走んなよ!!」ってまるで鬼の首を捕ったような剣幕で怒鳴るのだ。その後みんなが私のとこに来て「なんで怒られたんだ」って聞きに来る。正直に「工場内を走んな!って言われました」と答える。先輩たちは「それだけで?」って、みんなで爆笑して休憩は盛り上がる。こんな感じであった。
機嫌が悪いと普段注意しないことでも目くじら立てて怒鳴ったり八つ当たりする人って居るじゃないですか。杉本がまさにそれだったんです。その八つ当たりの対象者が私だったのだ。こういう人間は自分から関わらなくても八つ当たりのためにあっちから関わってくる。「触らぬ神に祟りなし!」なんて言うけれど、「触らなくても祟りあり!」って奴だった。この杉本MG、後にここの部署から出されていろんな部署を転々と回されることになるのだ。そして数年後には離婚したのだ。更に十数年後、某施設の駐車場で誘導係しているのを見かけた。何が言いたいのかというと、仕事が優秀な人が出世するとは限らないし、人格も優秀とは限らないのだ。
コメント
白栁隆司@エンジニアカウンセラー
前回、杉本さんへの敬称が一部消えてるのを「おや?」と見守っていましたが…
今回を見てなるほど、と
たいき
白栁隆司さん コメありがとうございます!杉本は仮名ですが実在した人物です。今でも思い出すと怒りがこみ上げるほどいじめられました。