“アラサー”IT系女子の読書感想文
こんにちは。相変わらず、連載計画をすっかり放り出している組長であります。エンジニアライフの今月のテーマが「わたしの人生の1冊」でしたので、僭越ながら書いてみようかと。
◆「本を読むこと」との出会い
わたしはビジネス書やハウツー本を全然、読まないのです。もっぱら、小説ばかりでジャンルはミステリー系やファンタジー系。ミーハーな性格なので、はやりものをよく読んでいます。
最近では、『ダ・ヴィンチ・コード』で有名なダン・ブラウンの新刊。読み終えてから、ワシントンD.C.に行きたくて行きたくて仕方がないです(笑)。 海堂尊氏、宮部みゆき氏、高村薫氏も好きな作家さんです。そのほか、その時々で話題になっている本も読んでいます。『日本沈没』や『白夜行』、『容疑者Xシリーズ』も映画やドラマで話題になっていた時に読みました。
さて、ご紹介するのは、わたしが読書にハマったきっかけの本=人生の1冊について。ポプラ社の『怪盗ルパン全集』。一昔前なら、小学校の図書館にかなりの高確率で置いてあったはず!(モンキーパンチじゃないよ! モーリス・ルブランだよー!!)
子どものころから、本は挿絵を見たり、人に読んでもらうだけで、あまり興味がありませんでした。外で遊んでいる方が好きでしたので。それが、小学校3年生の時にこのシリーズに出合い、読書の楽しさに目覚めました。
図書館に本を返しに行く友達に同行した際、「この本、知ってる?」と聞かれて「知らない」と答えると、「えぇー!? 知らないのぉ?」と小馬鹿にされてしまったのですが、「どんな本? 面白いっ?」と興味津々で質問。わたしのKYっぷりに毒気を抜かれたのか、友達はいろいろと親切に教えてくれました。どの本から読んだらいいとか、どの棚に保管されているとか、どれぐらいの日数で読めるかとか、経年劣化で落丁しており扱いに注意しないといけない本はどれか、など。
この時、勧められるがまま本を借りて帰ったことがきっかけで、読書にハマり始めました。ちなみに、シリーズを読破した後、これまた彼女に勧められるがままに、少年探偵団シリーズを読破。懐かしいー。小林少年の女装など、今から考えると微妙にツッコミどころ満載です(笑)。
本にまったく興味がなかったのに、なぜハマったのか定かではありませんが。表紙が何となく重厚でミステリアスで、これまた重厚なタイトル。『奇巌城』だの『813の謎』だの。20年以上前のことで、内容はすっかり忘れてしまいましたが、今まで自分に縁がなかった世界に魅力を感じたのだと思います。
慣れないうちは1冊読み終わるのに1週間ほどかかりました。段々と慣れてきて、最終的には、1日か2日ほどで読み終わるように。こうして、読書の楽しさに目覚めたわたしは、次々に図書館の本を読みまくり、国語が得意科目に。
延々と読み続けて朝を迎えそうになったり、「トイレ行きたいな」と思いつつも読み続け、気付いたらそれから数時間経過していた、とか。ヘルマン・ヘッセの『車輪の下』にシンパシーを感じてしまったのか、妙に気に入って何度も読んでいた10歳児でした。
◆「本を読むこと」が好きになって良かった
大げさかもしれませんが、読書が好きになったことは現在にも影響を与えていると思います。最大の収穫は、語彙力や読解力が付いたこと、文章を書くのが好きになったこと、想像力が増したこと、です。
例えば、大学生になればレポートを書きますし、ヘルプデスクになってから見積もり依頼書だの、各種通達文書だの、業者さんとのやり取りメールだの、コラムだの、いろいろな文章を読んだり、書いたりするようになったのですが、まったく苦になりません。
若者の活字離れが進んでいるというニュース記事を読んだことがあるのですが、文章をロクに読まない(読めない)人は、自分が書くことも得意ではないでしょうから、自分は本が好きで良かったなぁと、つくづく思います。
また、「相手の話を聞きながら要約して理解すること」は、業務上で必要な能力の1つですが、これも読書のおかげかもしれないと思います。挿絵のほとんどない長編小説を読んでいると、文章として表現されていることから情景を想像しながら読むので、そのことが役に立っているのでは、と思います。
アニメを見るだけでは、一方的に送り込まれて来る情報に対して自分は受け身です。読書だと、自ら文字を読み、漢字や言い回しが分からなければ辞書で調べ、文章から情景を思い浮かべ、話の流れや人物の相関関係を能動的に考えながら取り組む必要があります。
つくづく、あの日友達に言われるがまま何も考えず、素直に本を読んでみて良かったと思います。その子は、ちょっと嫌味っぽい子でわたしは少し苦手だったのですが、彼女のおかげで読書が好きになれたので、感謝しています。
また、今回のお題は、崇高な(?)ビジネス書や技術書のネタが求められていると勝手に思い込み、「自分はこのテーマでコラムを書く資格がない」と決め付けていました。しかし、「小説も全然アリ!」「漫画からだって、何かを学ぶことはできる」という励ましを受け、書いてみることにしました。
実際にコラムを書いてみると、想像力が養われる理由や、現在の仕事に繋がっていた「本を読むことが好き」であることの強みに気が付くことができました。書いてみて良かったです。勧められた本は、素直に読んでみる! 励ましていただいたら素直にトライしてみる!
……そうか、これが「何も考えない力」か!!(あれ、趣旨が変わった。笑)
◆大人ファンタジーの世界
ビジネス書や技術書で疲れた神経と脳をリフレッシュするためにも、ファンタジー小説などはいかがでしょうか。読解力と想像力を同時に養えるので、小説を読むのはよいことだと思います。「想像力を掻き立てられる」という観点から、あえて子供向けに書かれたファンタジー系の小説などオススメを挙げてみました。
『モモ』 ミヒャエル・エンデ作
「時間どろぼうと ぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語」。
時間について、生き方について、考えさせられます。大人にはむしろ、「はてしない物語」よりこちらの方が良いですね。必要以上にセカセカ生きて、時間貯蓄銀行に自分の貴重な「時間」を搾取されてませんか?
この小説は、セカセカとした忙しさの中で時間の大切さや、生きることの本質を見失いがちな現代人へ警鐘を鳴らす意図があると、わたしは考えていましたが、実は少し違うようです。「時間をお金に変換し、利子が利子を生む現代の経済システムに疑問を抱かせることが目的だった」とのこと(Wikipediaより)。もっと、深い意図があったのですね……。
『まぼろしの白馬』 エリザベス・グージ作
小説を読むことで想像力が養われることを、初めて実感した小説。
文中に出てくる人物が着ている服、食べ物、風景、行動がとてもいきいきと描かれており、実物を想像するととても楽しいのです。素敵なお屋敷、美しい調度品や風景など、女の子が好みそうなものがたくさん出てくる話ではありますが、感情の行き違いから生じた不幸、生きるために悪事に手を染める人々など、人間の陰の部分も描かれており、物語に奥行きが出ています。こども向けの小説であるにも関わらず、何度読んでも飽きないので、いまでもたまに読んでいます。
『小説 上杉鷹山』 童門 冬二
歴史系ではありますが、あまりに子供向けの本ばかり出したので、さすがにマズイと思いまして(苦笑)。
17歳で上杉家の養子に入り、破滅の危機にあった藩政を建て直すべく、改革を推し進めた出羽・米沢藩主、上杉鷹山の生涯を描いた小説。領民のために本当になすべきことを果敢に実行した名君です。某総理大臣にも読んでいただきたい……(笑)。リーダーとは、こうあるべきなんだな、と新入社員時代に思った1冊です。
コメント
耕平
組長さん、こんにちは
怪盗ルパン、今もこの装丁で売ってるんですね。
とっても懐かしい!
私も小学校の時に図書室で借りて読んでました。
ルパンとホームズを交互に借りて読んでた気がします。
小説を読んでると想像力が育まれると思います。
推理小説だと主人公になりきって犯人探しちゃいますし。(笑)
組長
耕平さん
こんにちは★コメントありがとうございます。
そうなんです!復刻したっぽいです。見つけた時はテンション上がりました!
ただし、この懐かしい表紙の方を買おうとすると、通常の文庫よりもかなり横幅を取るのです。でも、文庫本は表紙の絵が違うので萌えないんです。悩ましいところですね。
>小説を読んでると想像力が育まれると思います。
ロンドンに行った時、ハリーポッターで何度も出てくる「ステーキキドニーパイ」を食べようと意気込んでました(笑)。かぼちゃジュースとかも飲んでみたかったです!あー!!(単なる食いしん坊)
まだ若い人
組長さん、こんばんは。
まだまだ若い人です。
私も読む本は小説ばかりです。
たまに試験対策の本とか、最近はドラッカーとか。
小説は楽しいですよね。
小説の中には世界があるといってもいいと思います。
小説に限らず漫画やアニメやゲームも。
今生きている世界を、小説、漫画、アニメ、ゲームの
どれよりも楽しくしてやれたら最高なのですが。
組長
まだ若い人さん、こんばんは。
ドラッカーが流行っているようで、私も興味があります。しかも、会社の野球チームのマネージャーやってますので尚更(笑)。
疲れてて試験勉強の本を読んだらすぐに眠くなるのに、なぜか小説に切り替えると数時間は読めてしまう自分がうらめしいです。
事実は小説より奇なり、と言いますから毎日楽しく過ごせたら良いですよね★