草食系妙齢プログラマが見てきた現場の不思議な話をお送りします。

教えて! 魔法(LT技術)の上手な使い方!

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 こんにちは。草食系妙齢プログラマ 野口おおすけです。11月ももう残り少なくなってきましたがいかがお過ごしでしょうか。例年ならば12月になると年末の業務でバタバタするうえに忘年会などのイベントも多くなってきて忙しくなるのですが、今年は特に大きな波もなく平穏に過ごせそうです。

 仕事も少し落ち着いてきたのでしばらくはイベントざんまいできそうなので、11月27日はWebSig1日学校というイベントへ、12月4日は関西で開催されるエンジニアライフのコラムニストイベントに参加します。関西ではLTもしてくるので、できれば関西弁LTがいいなぁと思っています(といっても出身は神戸なので、関西弁でしゃべれないってことはないのですが)

 さて、今回は仕事に使えるLT技術についてお送りします。日々の長い会議を少しでも改善して、忙しい12月を乗り切るきっかけになれば幸いです。

■日ごろの会議を振り返ってみると……

 会議体には2つのスタイルがあります。1つは、議題について議論を行って決定するスタイル。もう1つは、決定事項や事実について報告するスタイル。前者はシステム障害についてどのように対策を取るかなどの会議、後者には作業の進行状況を確認する会議(報告会)が当てはまります。

 特に、スケジュールの確認を行うような会議には、時間をかけたくありません。時間をかけたところで、それで生まれる効果が薄いからです。そのような会議を延々とやるくらいなら、手持ちの仕事を進めたい、というのが正直なところです。では、この場でどのような情報があればよいでしょうか。

1.作業のステータス

 作業のステータスについての報告が最初に行われます。例えば、未着手・着手中・レビュー待ち・完了などは一言で済む話です。

2.作業のステータスの詳細・完了予定

 具体的な数値や指標を示して現在の状況を説明します。例えば、「テスト項目数が○○あるうちの△△が完了していて、バグが□□件あります」など具体的な要素を盛り込んで説明が入ります。加えて、作業中であれば作業の完了予定などを報告します。

3.作業においての問題点

 何か問題が発生しているのであれば、その内容について報告します。

 これ以外については、特に時間を割く必要がありません。しかし、現実の会議では、これ以外の発言をだらだらと繰り返す人がいます。そのような人の発言を聞いていると、作業の内容について延々と話をしたり、作業の遅れについての言い訳が多くあって、あまり効率的とは言えません。場合によっては、愚痴や文句に当たるような発言を繰り返す方もおられます。聞いてる側からすると「どうぞ飲み屋でやってください」と言いたくなる感覚すら覚えます。そのような発言をするメンバーが多くいるのであれば、プロジェクトとして問題が別にあるので、別の対策が必要かと思います。

■教えて! 魔法(LT技術)の上手な使い方!

 ここで、前回LTで必要な技術としてお話しした『話すべきこと・話さないことの切り分け』を考えてみます。上の3つの点に注意しながら、報告する内容を考えてみます。そうすると、話す方としては話す内容を圧縮し、効率よく報告を行うことができますし、聞く方も整理されているため、理解が早くなります。複数の事項について報告を行うときも同じ順で報告すると、聞く方の理解もさらに早くなります。

 この順で話すことには、実はもう1つ、LTで使うテクニックが隠されています。それは『大事なことは最初に伝える』ということです。

 作業の状態を報告するうえで、一番大事なことは何でしょうか? それは細かい作業の状態ではなく、『作業が終わっているかどうか』なのです。その話を起点に、話題を細かい情報に移していくことで、話を聞く方が理解しやすい形にしていきます。

 この2つを押さえることで、話す内容はよりスマートな形になります。会議中に、1人でダラダラ話し続けてもあまりよいとは言えません。必要なこと(伝えなければならないこと)を最初に話し、そこから内容をブレイクダウンして、聞いている方に理解しやすい形で提供することが一番のポイントなのです。

 今回は、「すぐに仕事で使えるLT技術」についてお送りしました。LTでは、限られた時間で自分の伝えたい情報を効率よく伝えられるかどうか、という点がポイントになります。印象に残るLTの多くは、5分間のストーリーが明確であるものが多く、話したいことが聞いている人々に分かりやすく伝えられているものが多いように思えます。

 日々の仕事で、会議に掛けるコストは少なくありません。それだけのコストを掛けて、十分な成果が得られているでしょうか。成果が出てないようであれば、会議のコストを減らすための取り組みを行う必要があります。『長い会議=仕事をしている』という勘違いをしないようにしたいものです。

■LTイベントのお知らせ

 12月もGenesis Lightning Talksが開催されます。今回は「ざっくり2010」と題して、2010年を振り返るLT大会をおこないます。ベテラントーカーのLTを聞いて技術を盗むもよし、LT初心者枠で年内にLTデビューするもよし、といったイベントです。残念ながらわたしは他のイベントで関西に行っておりますので不参加ですが、ぜひお越しください(参加申し込みはこちら)。

 次回もLTについてお送りする予定です。年末にかけて、さまざまなイベントが増えてきます。その中で少しでも役に立つLT技術をご紹介します。それではまた次回。

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