草食系妙齢プログラマが見てきた現場の不思議な話をお送りします。

話(Lightning Talks)をしよう

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 こんにちは。草食系妙齢プログラマ 野口おおすけです。約2カ月ほどコラムをお休みしていました。今週からまた、更新頻度を以前のように戻していければと考えています。お付き合いのほど、お願いいたします。

 さて、お休みしていた間に仕事の面で動きがあり、プロジェクトを引っ張る立場になりました。チームメンバーは少ないものの、メンバー管理やお客さまとの調整、ほかのプロジェクトとの調整などに走り回っています。落ち着いてコードを書きたいと思うこともありますが、残念ながらそういう時間は減ってしまいました。

 わたし自身もそうですが多くの人は「打ち合わせ」や「ミーティング」という会議体に時間をかけたくありません(ごくまれに、会議時間は長い方がいいと考えられている方もおられますが)。そのため、短い時間で効率よく物事を伝え、議論を組み立てる必要があります。

 「短い時間で効率的に物事を伝える」。これは、よくIT系イベントの締めで行われているLT(Lightning Talks)に似ていると思いませんか? というわけで、今回はLTについてお送りします。

■「そんな短い時間で大丈夫か?」「大丈夫だ。問題ない」

 まず、LTのルールについて確認しておきましょう。ルールはたった1つ。「制限時間は5分。5分経ったら途中でも終了」。これだけです。質疑応答もありません。イベントによって制限時間は変わりますが、基本は5分です。5分経てばドラが鳴って終了です(イベントによってはブブゼラであったり鐘であったり、さまざまです)。

 何もない状態から5分間話をするのは、意外と難しいものです。しかし、1つのお題に対してスライドを作って練習してみると、5分を超えることはよくあります。つまり、LTは「5分しかない」と考えられます。「聞いている人に自分の考えを伝える」ことを考えると、早口でまくしたてるように話すのがいいとはいえません。細かいことを伝えるには、5分という時間は非常に短いのです。そのため、伝えることを必要最小限にとどめなくてはなりません。

 LTで一番難しいのは「話すこと、話さないことの切り分け」なのです。

■「そんなスライドで大丈夫か?」「一番いいのを頼む」

 次に、スライド作りです。一般的には、5分で話す分量であれば「スライド2~3枚+表紙」という形がよいとされているかと思います。わたしが先日参加した研修では、そのような形であるべきという話がありました。1つのスライドに図や表をできるだけ詰め込んで、それをひたすら説明するのです。

 ですが、聞く立場からすると、そのようなスライドを見て退屈に思うだけでなく、本当に伝えたいことは何なのか分からなくなってきます。LTでは5分しか持ち時間がないので、スライド1枚を見たときにすぐ把握できる情報量であることがベストなのです。

 わたしがLTで使うスライドは、5分で40枚前後あります。1枚あたり10秒もかけられません。よく、テレビでスケッチブックを持って話をするタイプの芸人さんがいますが、彼らが1枚あたり1分も2分もしゃべっていたらどうでしょう? 非常に退屈だと感じると思います。1枚あたりの情報量をあえて減らし、スライドをテンポよく進めることで、聞いている人たちを退屈させることなく、自分に世界に引っぱりこめるのです。

■LTが持つ唯一絶対の力、それは自らをアピールすることだ

 LTをするとき、絶対に忘れてはいけないことが2つあります。1つは必ず自己紹介をいれること。もう1つは聞いてくださった方々への感謝の気持ちを忘れないこと。

 自己紹介は、せっかく前に出て話すのですから、しっかり自分のことを覚えて帰ってもらいましょう。自分のTwitterIDやブログのアドレス。興味のある分野や趣味などについて、冒頭で触れておくとよいでしょう。イベント後の懇親会で声を掛けてもらえたり、ほかのイベントで声を掛けていただいたりと、出会いのきっかけになります。個人的には、自分から声を掛けていくのが苦手な方なので、声を掛けてもらえるととても嬉しく感じています。

 LTの締めは「ご清聴ありがとうございました」など、聞いてくださった方への感謝を忘れないように。ドラが鳴ってもその一言くらいの時間はあるので、最後の締めのあいさつは忘れないようにしましょう。

■そうだな、次はこれを読んでいるあなたにも付き合ってもらうよ

 いきなりLTをしてみようといっても、ハードルが高いかもしれません。そんなLTデビューを目指す方を応援するイベントが開催されます。「圧倒的なLT」をするためのノウハウや資料作成をハンズオンで学べるうえに、最後には自由に発表できる懇親会&野良LT大会までセットになったイベントです。

  • GLT×とべとべ×DevLOVE LT祭り ~5分でセカイを凌駕せよ!!~
    11/6(土)13時より オラクル青山センターにて開催
    参加申し込みはこちら

 わたしも、第2部のGenesis Lightning TalksプロデュースのLT大会に登壇する予定です。

 さて、今回はLTの触りの部分についてお送りしました。次回は、仕事に生かせるLTテクニックについてお送りします。それではまた次回。

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