今、話題の人工知能(AI)などで人気のPython。初心者に優しいとか言われていますが、全然優しくない! という事を、つらつら、愚痴っていきます

315.『働きがい』は自分で決める

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初回:2023/6/7

 少し面白い記事を見つけたので、色々と考えてみたいと思います。

P子「また、批判するの?」※1

 人を悪質なクレーマーと一緒にしないでください。

P子「でもモンスターエンプロイだもんね」

 しがない平社員ですから・・・

1.たった1カ月で「新入社員」半分退職

 『今回は、ある会社が「働きがい」のある職場を目指した結果、新入社員の半分が辞めてしまった事例を紹介する。』とのことです。

 ≪参考資料1≫
  https://www.yomiuri.co.jp/fukayomi/toyokeizai/20230516-SYT8T4117662/
  たった1カ月で「新入社員」半分退職まさかの原因
  2023/05/16 09:47

 話の顛末は記事を読んで頂くとして、個人的には辞めていった新入社員に同情してしまいます。というのは折角、新卒で採用されて1か月でやめた後、再就職って大変なんじゃないかと思うからです。会社に騙されたという意識を持ったまま、次の会社を探すというのも、疑心暗鬼というか仕事に対して後ろ向きの気持ちが芽生えていたとしても、おかしくないと思います。

P子「マラソン大会で、いきなりスタートラインでこけた感じね」

 市民マラソンで、5~6時間で完走を目標にしているならいざ知らず、800mリレーでバトンを落としたレベルなら、挽回不可能でしょう。まあ、新卒ならまだまだ挽回できそうですけど。

 ここでは、2つの間違いを指摘しておきたいと思います。

 一つ目は、『働きがい』は『働いた後』でしか得られないという箇所です。先の記事では『働きがい』は『やり切った感』からくる自己満足の感情という認識で、つまり『働きがい』はファストフードやインスタントラーメンみたいに、サクサクっと手に入れられるようなものではないという事らしいのですが、本当に『働きがい』は『働いた後』でしか得られないのでしょうか?

 二つ目は、『働きがい』がある会社ですとか、職場ですという宣伝を、会社側も新入社員側も真に受けてしまったことです。『働きがい』があるかどうかを決めるのは、本人だという事です。ある人にとって『働きがい』のある仕事でも、別の人にとってはストレス以外の何物でもないこともあります。「うちの会社は『働きがい』のある職場です」なんて事は、その人にとっての事実であっても他の人にとっては苦痛な仕事かもしれません。

2.「Must」「Can」「Will」

 この記事の中で、私的に少し不満な部分がありました。

P子「やっぱり、批判するのね」

 違います。そもそも、人の数だけ考え方が違うものです。そういうのを、多様性と言います。

P子「多様性を自分の好きなように解釈してない?」

 それも多様性です。

 まずは、先の記事を読むと同時に、過去のキャリコン高橋さんのコラムにも目を通してみてください。

 ≪参考資料2≫
  https://el.jibun.atmarkit.co.jp/career/2022/06/528will-can-must.html
  第528回 will-can-mustから考える
  2022/06/20

 ≪参考資料3≫
  https://el.jibun.atmarkit.co.jp/career/2022/07/533will-can-must.html
  第533回 will-can-mustから考える・その2
  2022/07/25

 先の≪参考資料1≫の記事から...

 「やるべきこと(マスト)をやり続けることで、やれること(キャン)が増え、やりたいこと(ウィル)が見つかる可能性がある、という話だ。」

 会社が雇った社員研修の講師という立場なら、会社目線で話をするのは当然です。『やるべきこと(マスト)』とは会社として社員に働いてもらう必要のあることを指すので、社員としては嫌でもこなす必要のある業務という事になります。つまり、マストには『働きがい』はありません。

P子「マストの業務にも『働きがい』を感じる人はいるかもよ。多様性の時代だから...」

 高橋さん的な考えで言うと、will-can-must は同等で、すべてが重なる中心点的な方向にもっていくことが重要という風に捉えました。ところが記事の説明では、時系列的に、マストを続ける→キャンが増える→ウイルが見つかる という流れで話されています。

 これは、『石の上にも三年』的な発想で、つらくても頑張ればいつかは成功する...かもしれない、という事なので、そこに『働きがい』を見出すことは不可能です。少なくとも、マストばかりを何年もやらされるような会社はダメでしょう。

P子「でも、マストがないと会社として存続できなくなるでしょ」

 なので、会社としては、マストはマストとして行ってもらいつつ、ウィルを考慮した時間も作る必要があると思います。

 それともう一つ。マストをやり続ければキャンが増えるという発想も間違いです。例えば、会社にはマストが1から10まであり、ある程度マストがこなせてキャンになれば、別のマストに移るということを繰り返せば、キャンが増えます。そのいくつかのキャンの中から、本人の希望に応じたウィルが見つかるという流れが出来ればよいのですが、マストを熟練した社員を別の不慣れなマストに移動させるのは、会社も社員もリスクがあります。

P子「幹部候補生に対して、色々な部署を経験させる場合ならあるかもね」

 大多数の一般社員が対象なら、会社としてはある程度業務になれたベテランを素人同然の新部署に配置転換なんてしません。そうなると、いくらマストをやり続けてもキャンはそれほど増えず、ウィルも見つからない...なんてことになりかねません。

 キャンを増やすのは本人次第であり、ウィルを見つけるのも本人次第ですが、どちらも会社の協力がないと実現が難しいと思います。会社が社員の『働きがい』を重要視するのであれば、それなりの対応(仕組み)が必要という事です。

3.まとめ

 『働きがい』は、本人が決めることだと思います。そのためには、やれること(キャン)を増やし、やりたいこと(ウィル)を見つけることが重要ですが、そのためには、会社側の要求するやるべきこと(マスト)も行う必要があります。会社側としてもせっかく育てた従業員に簡単に辞められるのは大きな損失になるので、マストだけではなくキャンやウィルを見つける手助けも必要です。

 会社と従業員は敵対するものでも、主従関係でもないと思っています。

 お互いが協力し合っていければよいと思います。

P子「あなたはいつも戦ってるけどね」

 ほな、さいなら

======= <<注釈>>=======

※1 P子「また、批判するの?」
 P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。

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