040.憲法改正を論理的に考えてみる(2)
初回:2019/07/08
1.先週の続き
先週、憲法改正を論理的に考えてみる(1)として色々と理屈を付けましたが、現政権下での改正には不安があるという事です。
P子「番号、間違ってたわよ」(※1)
個人的には改正すること自体を賛成とか反対とか言っているのではなく、改正する内容が重要です。
例えば、自衛隊の存在を明記し『個別的自衛権』を容認し『集団的自衛権』はこれを認めないと書くなら改正に賛成です。
さて、先週『「なので」の意味は、Part2で明らかになるでしょう』と宣言したので、その話をしたいと思います。
2.軍事力に頼らない防衛
憲法13条後段の「国民の生命、自由、幸福追求の権利」を、軍隊を使わず(※2)に実現する方法はあるのでしょうか?
現在は、大規模な国同士の戦争より局所的な戦闘がメインになっています。そして、国の力は軍事力と経済力の両輪で成り立っています。(※3)
そして、その両輪を支えているのがハイテク分野です。
つまり、ハイテク分野に力を入れることは、軍事力も経済力も伸ばすことになるという事です。
日本でも、準天頂衛星システム『みちびき』(※4)によるセンチメータ級測位補強サービス(※5)の実証実験も始まりました。
監視衛星(※6)なども、性能向上しているので軍事力としては高まってきていますが、民間の衛星技術も高度化してきていますので、軍事目的だけに活用するのではなく、官民一体になって相互協力することで、経済力と軍事力の両方をアップさせることが可能でしょう。
また、ドローンや自動運転(無人走行)、それらのベースとなる人工知能(※7)なども、各国で軍事利用が進められていますが、当然、民間利用でも活用領域が広がっています。
さらに、VR・AR・MR・SRなどの技術(※8)も軍事利用も民間利用もどちらにもメリットがあります。
日本は「陸海空軍その他の戦力」は、これを保持しないので、国家予算を民間の補助金事業として活用し、補助金事業での成果物は、広く日本企業で共有していったり、国際標準として仕様を策定したりしては如何でしょうか?
原爆や水爆による抑止力よりも、軍事転用可能なハイテクによる抑止力や、そもそも抑止力と言う考え方ではなく日本の技術力を他国に活用してもらって、世界でのWinWinを目指せば、従来の軍事衝突は避けられるのではないかと思います。
3.憲法改正も含めて日本は危ない?
正直、今進めようとしている憲法改正は、大昔に逆行しようとしているとしか思えません。しかもそれだけではなく、国家権力で、国民を統制しようという思想が感じられます。
さらにマズい傾向として「不正指令電磁的記録に関する罪」(※9)の前例の様に、善なるエンジニアが犯罪者にされかねない恐怖によって、新しいことが出来ない世の中になれば、日本のハイテク産業そのものが他国に後れを取ることになり、経済力も軍事力も低迷してしまいます。
参院選を前にして、韓国への輸出規制(※10)(正確に言うと、優遇処置を見直して、他の国と同じにするという事)が色々と話題になっていますが、ハイテク分野でそれなりの立場でないとこういう脅しも使えないでしょう。
P子「いくら吉本新喜劇に出演(※11)したからと言って、韓国政府に『耳から手つっこんで奥歯ガタガタいわしたろか』(※12)とは言えないでしょうね」
先週も注釈に入れましたが、論理思考が壊滅的に苦手な日本人(※13)が、アメリカや中国と本気で競争していくなら、残業を減らすことが働き方改革だなんて言ってないで、官民一体となって徹底的にハイテクにこだわる(※14)べきだと思います。
P子「本当に『さくらプロジェクト』(※15)が必要かもね」
ほな、さいなら
======= <<注釈>>=======
※1 P子「番号、間違ってたわよ」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。
038.憲法改正を論理的に考えてみる(1)って、してましたが、039 の間違いでした。
※2 軍隊を使わず
先週も書きましたが、自衛隊は合憲と考えています。
ここで言う軍隊とは(普通の国)の軍隊の事です。
※3 軍事力と経済力の両輪
https://www.globalfirepower.com/countries-listing.asp
2019 Military Strength Ranking
「世界の国別軍事力ランキング」2019年版トップ50
※4 準天頂衛星システム『みちびき』
http://www.ne.jp/asahi/nature/kuro/HGPS/principle_gps.htm
GPSの仕組み(原理・誤差原因、入門編、「みちびき」精度)
※5 センチメータ級測位補強サービス
https://qzss.go.jp/overview/services/sv06_clas.html
センチメータ級測位補強サービス
※6 監視衛星
https://www.sankei.com/life/news/180227/lif1802270033-n1.html
情報収集衛星の打ち上げ成功 約30センチの高解像度、北朝鮮の監視強化へ
2018.2.27 14:00 更新
https://sorabatake.jp/441/
人工衛星から人は見える?~衛星別、地上分解能・地方時まとめ
2018/9/9
http://n-seikei.jp/2016/07/post-38436.html
情報偵察衛星の性能 米10cm、日本40cm以下、韓国50cm以下
2016年7月 6日
写真の分解能も重要ですが、撮影した情報の解析力が非常に重要だそうです。
※7 人工知能
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34909190T00C18A9FF8000/
AI兵器、実用化迫る 規制導入に米ロなど大国が反対
2018/9/3 16:54
https://www.asahi.com/articles/ASLDQ7JF6LDQUHBI029.html
AI兵器開発、米中が火花 静まりかえった北米攻撃CG
2018/9/3 16:54
※8 R・AR・MR・SRなどの技術
https://www.elecom.co.jp/pickup/column/vr_column/00003/
VR・AR・MR・SRの違いとは?それぞれの活用方法を紹介
VR(仮想現実)コンピュータ上に作られた仮想世界に入り込む技術
AR(拡張現実)現実世界に仮想現実を反映(拡張)させる技術
MR(複合現実)VRで入り込む仮想世界と、ARで主体となる現実世界を重ね合わせて体験できる技術
SR(代替現実)現実世界を過去の世界と差し替えたり、錯覚技術を活かして、人間の心理・認知に迫ったり
※9 「不正指令電磁的記録に関する罪」
https://www.atmarkit.co.jp/ait/articles/1906/14/news012.html
高木浩光氏が危惧する、「不正指令電磁的記録に関する罪」のずれた前提と善なるエンジニアが犯罪者にされかねない未来(Coinhive裁判解説 後編)
2019年06月14日 05時00分 公開
高木先生には「Java House」メイリングリスト(1995年~) でお世話になりました。
P子「完全ロムだったでしょ」
http://www.ml-info.com/weekly/archives/2002/020918t.html
特集:管理人必読!ROMへの強制投稿を問う
※10 韓国への輸出規制
https://www.meti.go.jp/press/2019/07/20190701006/20190701006.html
大韓民国向け輸出管理の運用の見直しについて
2019年7月1日
https://toyokeizai.net/articles/-/290833
輸出規制強化で「韓国半導体」は大打撃なのか
対象品目狭く、抜け穴もあって影響は限定的
高橋 玲央 : 東洋経済 記者
2019/07/06 5:10
https://news.infoseek.co.jp/article/recordchina_RC_727385/
日本があえて韓国に「半導体材料戦争」を挑んだ理由
=「日本の半導体材料は中国のレアアースに相当」―米華字メディア
Record China / 2019年7月6日 6時10分
※11 吉本新喜劇に出演
https://www.sanspo.com/geino/news/20190420/owa19042017430005-n1.html
安倍首相、吉本新喜劇に出演 舞台上にSP2人配置
2019.4.20 17:43
※12 耳から手つっこんで...
https://oshiete.goo.ne.jp/qa/2427935.html
「耳から手つっこんで奥歯ガタガタいわしたる」 という言葉の意味
※13 論理思考が壊滅的に苦手
https://news.infoseek.co.jp/article/toyokeizai_20190626_288272
日本人はなぜ「論理思考が壊滅的に苦手」なのか 「出口治明×デービッド・アトキンソン」対談
東洋経済オンライン / 2019年6月26日 8時0分
先週も脚注に書きましたが、本当にまずい状況だと思います。
デービッド・アトキンソンさんは、以前にもこんなことを書いておられます。
https://toyokeizai.net/articles/-/149624
日本は、ついに「1人あたり」で韓国に抜かれる
生産性向上を阻む「昭和の思考」という呪縛
デービッド・アトキンソン : 小西美術工藝社社長
2016/12/16 5:00
※14 ハイテクにこだわる
今では農業もハイテクです。
https://smartagri-jp.com/smartagri/20
そもそもスマート農業とは? ICTを活用した農業のメリットと導入へ向けた課題
ただし、遺伝子組み換え作物とかは、拒否反応を持っています。
※15 さくらプロジェクト
https://el.jibun.atmarkit.co.jp/pythonlove/2019/07/p13_cia.html
P13.さくらプロジェクト [小説:CIA京都支店]