027.「ブレーンストーミング」を考える
初回:2019/02/06
1.実のないブレーンストーミング
P子「先週、また別の機会にって言ってなかった?」(※1)
鉄は熱いうちに打てっていうでしょ。気分が冷めないうちに言っておかないと。
ブレーンストーミング(※2)の4原則というのがあります。
・判断・結論を出さない(結論厳禁)
・粗野な考えを歓迎する(自由奔放)
・量を重視する(質より量)
・アイディアを結合し発展させる(結合改善)
つまり、使える、使えないとか、有効、無効を無視した質より量のアイデアなので、ブレーンストーミング後の情報整理が重要ですが、これを行うケースが皆無です。(私の部署ではと言った方がいいかも)
ブレーンストーミングを行っただけでは、単なる時間の無駄、暇つぶしにしかなりません。そしてその後の情報整理ですが、HAZOPという11の誘導語(※3)を使って分析する手法が有名ですが、最終的な結論まで相当時間がかかります。しかも浅い内容ばかりで整理しても使い物になりません。
それよりも、まず、ブレーンストーミングの適用シチュエーションが思いつきません。新商品の企画でしょうか?IT関係、システム構築という範囲に絞れば、いつ、ブレーンストーミングを使うのか判りません。
そして、普段何も考えていない技術者を何人か集めて意見を聞いたところで、まともな意見が出るとは思えません。(※4)
P子「またそんな事言って。考えてない様で、...考えて無いか」
そこは、P子さんはフォローしないとダメでしょ。
2.批判のない提案は改善されない!?
ブレーンストーミングでは、他の意見を批判してはいけません。批判すると意見を言わなくなるからだそうです。私に言わせれば、批判されたくらいで意見を言わなくなるような意見なら、初めから不要です。その批判に対する改善策や課題を解決する方法をさらに模索するとか、ダメという事が分かった段階で次の意見を考えるとか、そういう強い思いがないと、良い意見にはならないと思います。
P子「でも、批判を恐れて言えない人たちの意見でも、ヒントになることもあるんじゃない」
ブレーンストーミングも、その辺を狙ってるのかもしれません。それでも、問題点をそのままにして次の意見を出していくというやり方は、薄い感じがします。
P子「じゃあ、あなたは批判されても大丈夫なの?」
むっちゃ腹立ちます。プンプン(※5)
でも、その批判を分析して解決案を考えることは好きです。改善されて、より強固な意見になるのですから。
私が好きなのは、出てきた意見の問題点を徹底的に叩いて改善案を見つけていくみたいな会議です。私が批判した内容を、自分で改善案を出すという事もあります。どちらかというと、批判は直感的に行うものです。改善案は論理的な思考が求められます。この方法で批判が出なくなるまで、最初の意見を昇華すれば使い物になる提案になる可能性があります。
P子「でも、結局何も残らないケースの方が多いでしょ」
世の中そんなにうまく行きません。しかし、問題を抱えた意見では結局使えないでしょうし、問題点をクリアして実用化できそうな意見がほんの少しでもあれば、儲けものと言うものです。それでも、市場で受け入れられるかどうかは、別の問題ですけど。
P子「なぜなぜ分析のこと?」(※6)
なぜなぜ分析はどちらかというと、課題に対する真の原因究明なので、システムトラブルの再発防止策や恒久対策の議論には有効かもしれません。私が行いたいのは、あえて言うなら「だめだめ分析」でしょうか?
P子「なんとなく、だめだめな感じね」
ほな、さいなら
======= <<注釈>>=======
※1 P子「先週、また別の機会にって言ってなかった?」
P子とは、私があこがれているツンデレPythonの仮想女性の心の声です。
026.私の嫌いなもの
http://el.jibun.atmarkit.co.jp/pythonlove/2019/01/026.html
※2 ブレーンストーミング
ブレインストーミングとは、集団でアイデアを出し合うことによって相互交錯の連鎖反応や発想の誘発を期待する技法である。
ウィキペディア(Wikipedia)より
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%BC%E3%83%9F%E3%83%B3%E3%82%B0
※3 HAZOP
https://researchmap.jp/jord6t78n-51292/
※4 何人か集めて意見を聞く
【三人寄ればモンチッチの知恵】
http://el.jibun.atmarkit.co.jp/chatrun/2012/05/post-3b7b.html
こちらもごひいきに(Kindle Unlimited.なら0円です)
https://www.amazon.co.jp/s/ref=dp_byline_sr_ebooks_1?ie=UTF8&field-author=%E3%81%A1%E3%82%83%E3%81%A8%E3%82%89%E3%82%93&search-alias=digital-text&text=%E3%81%A1%E3%82%83%E3%81%A8%E3%82%89%E3%82%93&sort=relevancerank
※5 プンプン
さとう珠緒さんの持ちネタ。両手を拳にして自分の頭の上に持っていき「プンプン!」
男はあほなので、ぶりっ子に一発で騙されます。
P子「あなただけでしょ」
※6 なぜなぜ分析
ウィキペディア(Wikipedia)より
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%AA%E3%81%9C%E3%81%AA%E3%81%9C%E5%88%86%E6%9E%90
コメント
iso
いやしかし、人が目の前で死にそうになってても自分の意見を言えない人って
わりとザラにいるので、批判抜きで一人あたり10個アイデアを出せ!なんて
型にはまったブレーンストーミングはそういう人たち向けに必要だと思います。
それにそういう人たちが黙ってしまってる中で、ちょっとした批判にもめげず
発言する人って少数派だから、下手すると「言ったもの負け」的なことも
しょっちゅうで。
そういう意味で、黙ってしまってる奴らにも「自分の意見の責任者」として仕事を
押し付ける意味でも、やはりブレーンストーミングって必要なのかなと。
(もっとも経営層レベルから見ると、そんなちょっとした批判で黙ってしまうような
奴らの意見なんぞ採用するほうが時間の無駄ではないかというのはありますが)
ちゃとらん
> 人が目の前で死にそうになってても・・・
その場合は、私も何も言えないかも・・・・ (^^)
ご意見、ごもっともだと思います。
> 自分の意見を言えない人って わりとザラにいる
は、まったくその通りで、
> 批判抜きで一人あたり10個アイデアを出せ!
は、そういう人たち向けに必要というのも十分理解した上で、
『ブレーンストーミング後の情報整理が重要ですが、これを行うケースが皆無です』
というのが、一つ目の課題です。
> 「言ったもの負け」的なこともしょっちゅうで。
うちの部署では、これを壁ドッチ(壁に向かってドッチボールしている)といいます。
「○○をした方が良いと思います」 → 「はい、君が担当ね」
意見を言わない理由が、人前で話すのが苦手なのか、自分の意見に自信が無いのか、やる気が無いのか判りませんが、「自分の意見の責任者」という意味では、批判への覚悟(容姿や性格の批判ではなく意見の内容そのものの批判)が必要と考えています。
・・・というのが2つめの課題です。
> 意外な人のひょんなひとことが新アイデアにつながることもありますから
という、意見も頂いていますが、過去の経験上、絶対にありえないとは言いませんが、限りなくありません。
# 宝くじで100万円以上が当たる確率に匹敵すると思います。
まあ、『批判あり』という表現がきつく感じられたと思う(きつく言ったので)そこを柔らかくした上で、普段意見を言わない人たちが、『真剣に』意見が言えて、後の整理が出来るようなブレーンストーミングは、歓迎です。
# まだ、具体的な方法は思いつきません。ブレーンストーミングでもしてみましょうか?
前回の、『026.私の嫌いなもの』で書いたように、
> 要するに、何らかの期待をしているときに、期待以上の場合は好きになり、
> その期待に応えてくれない場合に、嫌いになっています。
>
>「まあまあ」でお茶を濁すのではなく、嫌いな所を明確にして、
> 少しづつでも改善していければよいと思います。
ということです。