買うことを思いとどまらせるサービス
わたしたちの家の中にはモノが溢れている。1回しか使ったことのないモノ。使うつもりで買ったけれど、結局まだ1回も使っていないモノ。使う予定もないのに買ってしまったモノ。ときには、既に持っているのに同じ物を買ってしまうことだってある。
■物欲が生活を複雑にしている
TVを見ても雑誌を見てもWebを見ても、わたしたちは常に物欲を刺激する誘惑に曝されている。街を歩いても電車に乗っても、誘惑から逃れることは難しい。
「消費税が上がったから、倹約しなくちゃ」なんて意識など巷にあふれる誘惑の絨毯爆撃の前では、一瞬にして霧散してしまうのだ。
だけどスナフキンは言った。「ありがとう。でも、今も考えたんだけど持ち物をふやすということは、ほんとにおそろしいことですね。」
そう、わたしたちは新しいモノを手に入れるたびに、自分の生活を少しずつ複雑にしているのだ。だからわたしは考えた。買うことを思いとどまらせるサービスを作ったらどうだろうかと。
■でも欲望を捨てるなんて誰も望まない
と言っても、「欲しい!」という欲望を読み取って激しい頭痛を起こさせる、孫悟空の頭を絞める金の輪『緊箍(きんこ)』のような埋め込み式のガジェットを作ろうというわけではない。
そもそも、そんなものをユーザーが望むわけがない。ひょっとしたら、親が子どもに装着したいと思うかも知れないが、実際に装着するユーザーは絶対に嫌がるに決まっている。そんなものを開発するなんて不毛すぎる。
だから目指すのは欲望自体を抑えることではない。あくまでも、所有する必要がないものの購入を思いとどまらせるのが目的だ。
■「所有から利用へ」を加速するのだ
すでにITの力によって、わたしたちは多くのモノに関して「所有から利用へ」の転換を進めている。ここでわたしが目指すのは、それを加速することだ。
見た目はgoogleのようにシンプルな検索サイトと同じにしようか。あるいはamazonや楽天のようなショッピングサイトと同じでもいい。ただし、欲しいモノを検索すると「なぜ?」「どうして?」「何のため?」と利用者に聞き返して欲望を掘り下げ、最終的に「それならこんなやり方もありますよ」と、よりコストパフォーマンスの良い代案を提案して購入を思いとどまらせる。きっとこれからはそういうサービスが流行るに違いない。
どうだろう。そんなサイトがあったら、わたしは迷わず利用しまくると思うのだが。
暑さのせいで、こういう妄想ばかりが頭の中に浮かんでは消える今日この頃のわたしなのであった。