WindowsPhoneはSNSのハブになるか?
■"Mango"がやってくる
7月27日に、KDDIが正式に発表した「Windows Phone 7.5」搭載のスマートフォン。直前の噂では8月末に発売か? とも言われていたが、結局9月以降とのこと。
カメラは1320万画素、ストレージ容量は約28GB、画面は約3.7インチなど、スペック的にはいい感じだ。
ただしワンセグやFeliCaや赤外線通信は未対応。また、LISMOにも対応しておらず、音楽はZune機能を利用することになる。これまでauのガラケーでワンセグやFeliCaやLISMOをガンガン活用してきた一般の利用者から見ると、あまり食指が動くものではないような気がする。
しかし、私はこのWindowsPhone7の「Peopleハブ」にかなり注目し、期待を寄せているのだ。
■SNSがコミュニケーションを分断する
様々なアプローチのSNSが次から次へと立ち上がっている今、コミュニケーションがSNSごとに分断されがちになってきているように感じるのは私だけだろうか。
例えばFacebookで友達にメッセージを送りたいときは、まずFacebookを立ち上げてその友達を探さなければならないし、TwitterならTwitterを立ち上げるところから始めなければならない。複数のSNSをTPOに合わせて使い分けている友達の最新情報は、それぞれのSNSを見に行かなければならない。
我々にとって興味の対象はFacebookやTwitterといったサービスそのものではない。もちろんエンジニアとしての自分はそれらのサービス自体も興味の対象なのだが、一般利用者としての自分にとっては、興味の対象は当然のことながら友達だ。
SNS同士の連携機能によって、複数のSNSに同時に投稿できたりもするが、あれは個々のSNSを中心としたソリューションであり、一般利用者からすると、友達の同じ発言を別々の場所で繰り返し何度も聞かされているようで、あまりありがたいものではない。
■Peopleハブに注目してみる
しかしWindowsPhone7のPeopleハブは、ヒトが中心だ。アドレス帳の中にSNSが融合されているような感じ。これはとても理にかなったものと言える。
Peopleハブを開くとまずヒトがいて、ヒトを選ぶとそのヒトの発言が一か所に集約されて表示される。Peopleハブだけを見ていれば、友達の最新情報がすべて確認できるのだ。
かなりスマートなソリューションではないか。SNSによって分断されたコミュニケーションが再び統合されるのだ。面倒くさがりの私は、ついついSNSの巡回をさぼってしまいがちだ。そんな私でも、一か所だけを見れば済むのであれば、さすがにそれくらいならやれそうだ。
Peopleハブが示したものは、SNS共通の「友達リスト」ともいうべき新しいアドレス帳のカタチだ。アドレス帳を中心にして、コミュニケーションの一極集中を図るというスタイルは、利用者の利便性を向上するという観点から考えると、とても自然なものだ。しかしサービス提供者サイドからは、なかなか出てこないアイデアだろうことも確かだ。
さて、このような利用者目線が、実際に一般ユーザに受け入れられるかどうか、今後のWindows Phoneの巻き返し戦略に期待したいところだ。