「JSTQB認定テスト技術者資格 Advanced Level」が日本でも実施されることになりました!
こんにちは、第3バイオリンです。
以前のコラムで、テストエンジニアの資格のひとつであるJSTQB認定テスト技術者資格について少し触れました。そのとき、この試験には3ランクあるものの、日本で受験できるのは一番下のランクであるFoundation Levelのみであるという話をしました。
それがなんと、Foundation Levelのひとつ上のランクであるAdvanced Levelのトライアル試験が日本でも実施されることになりました! 実は去年の11月から、Advanced Levelのシラバスは、JSTQBのサイトからダウンロード可能になっていました。しかし、肝心の実施要項については「しばらくお待ちください」という状態がずっと続いていました。
そのため、本日(4月1日)この情報を得たときは「エイプリルフール?」なんて思ってしまいました。情報を提供してくださった方に、この場を借りて謝罪したいです。一瞬でも疑ってしまってごめんなさい。
気を取り直して、JSTQBのサイトに掲載されている実施要項と、最新版のシラバス(Version2007.J02)から読み取れるAdvanced Levelの特徴を調べてみました。
■実施要項
日時 :2010年8月28日(土)
開催地域 :東京
受験料 :21,000円(税込)
■資格種別
Advanced Levelからは資格種別が以下の3通りに分かれています。
- Advanced Levelテストマネージャ
- Advanced Levelテストアナリスト
- Advanced Levalテクニカルテストアナリスト
この種別は、Advanced Level認定を受けるべき人が従事する業務や組織の中での立場をもとに分けられているようです。
テストマネージャというのはその名のとおり、テストチームのマネジメントをする人向けです。
残る2つのテストアナリスト、テクニカルテストアナリストというのはテスト対象を分析してテストの戦略や戦術を決定する、いわゆるコンサルタント向けといった印象を受けました。前者は「テスト対象が仕様を満たすことを確認するためにどのようなテストが必要か」、後者は「テスト対象の内部構造が適正かどうかを確認するためにどのようなテストが必要か」という違いがあるようです。
ちなみに、すべての種別に合格すると「テスト技術者資格 Advanced Level 完全上級テスト技術者(Full Advanced Level Testing Professional)」の認定が受けられるそうです。何だかカッコいいですね。
しかし今回受験できるのはテストマネージャのみです。
■受験資格
Advanced Levelを受験するには次の2つの条件をすべて満たす必要があります。
1. JSTQB認定テスト技術者資格 Foundation Level資格の合格者
Foundation Levelを飛ばしていきなりAdvanced Levelを受験することは不可能のようです。わたしはFoundation Levelに合格しているので、この条件は満たしています。
2. 業務経験が3年以上(経歴書の提出あり)
シラバスには、「ソフトウェアのテストや開発において、Advanced認定を行う試験委員会または各国の委員会が決定した年数以上の経験があること」と書いてあります。
わたしはテストエンジニアとしては2年弱くらいの経験しかありませんが、開発をやっていた時期を含めると、3年以上の業務経験は持っています。おそらく、この条件を満たしていると思いますが、それはわたしの経歴書を見た試験委員の方が判断されることなのでしょう。今の段階では断定することはできません。
■試験範囲
Advanced Levelのシラバスをざっと見てみますと、第8章に「標準およびテスト改善プロセス」、第10章に「スタッフのスキル - チーム構成」というFoundation Levelのシラバスにはなかった章が含まれています。
また、Foundation Levelでは節単位で取り上げられているテストプロセスやレビューなどについては章単位でしっかり取り上げられています。
このあたりをみると、さすがにテストリーダーやコンサルタントをターゲットにしているところが伺えます。
内容についてですが、基本的な用語についてはさわり程度の説明しかありません。テストや品質管理の現場で働く人、そしてFoundation Levelを取得した人なら詳しい意味は知ってて当然、ということなのでしょうか。
ちなみにAdvanced Levelの試験範囲はAdvanced Levelのシラバスだけでなく、Foundation Levelのシラバスも含まれます。つまりFoundation Levelの試験範囲からも出題されるので油断ならないということです。Foudation Levelのテキストを引っ張り出してもう一度勉強しなおす必要がありますね。
■シラバスの付録にも注目
シラバスの後ろの方には、シラバスの背景や注意書きなどが付録になっています。そのうち、付録D「推奨事項」にはなかなか興味深いことが書かれていました。内容は「テストの作業効率に悪影響を与えることが分かっている事項」です。
例を挙げると、
- ドキュメントをテストしていない
- チェックが想定されていないことは行わない
- テスト担当者のみがテストの内容を理解できる
などなど。
良いテストエンジニアは絶対マネしちゃいけないことばかりですね。むしろ、テストエンジニアだけではなく、開発者も心に留めておく必要があることばかりです。この試験を受けるつもりがない人でも、この付録だけでいいので読んでほしいと思います。
■第3バイオリン、Advanced Levelにチャレンジします!
ここまできたら、宣言しないわけにはいきません。わたしは8月のAdvanced Level認定試験を受験します。合格すれば、第1期生です。パイオニアです(その前に経歴書ではじかれる可能性もありますが)。
もちろん、受験の動機はそれだけではありません。ここで、シラバスの付録A「本シラバスの背景」に書いてあった一文を紹介します。わたしはこの文を読んだとき、かなりテンションが上がりました。
「Advanced Level認定資格の目的――テストがきわめて重要で専門的なソフトウェアエンジニアリングの一領域であるという認識を得るため」
自身がテストエンジニアとして成長するだけでなく、テストエンジニアという職業がもっと認められるように、わたしは高みを目指します。
コメント
=NAKA
今日(6/15)15:00から試験の申込みが始まりますね。
私も受験するつもりです。
お互いがんばりましょう!
私は大阪会場で受験予定です。
もし、会場でお会いしたら答え合わせしましょう。
よろしくお願いいたします。
第3バイオリン
=NAKAさん
コメントありがとうございます。
実は、いろいろ思うところがあって今回受験しようかどうしようか、迷っていました。
しかし、=NAKAさんのコメントを読んで「やっぱり受験しよう」と決心することができました。
本当に感謝します。
>私は大阪会場で受験予定です。
あー、ごめんなさい。私は、たぶん東京会場で受験することになりそうです。
会場が別々になっても、お互いがんばりましょう。
コラムでよい報告ができるようにしたいです。