【26】節税ってどれくらいできるのか
こんにちは、手塚規雄です。
独立したら節税ができる。法人作ったら節税ができる。とりあえず経費にすれば節税できる。それは知っていても、具体的にはどれくらいの金額が節税できるのか知っていますか?そもそも節税はどういう仕組みで節税となるのか?そこからお話しします。
所得税と住民税
税金の対象となるのは利益の部分です。利益はカンタンに説明すると
利益 = 売上 - 経費
このため経費を多く計上すれば利益が少なくなるので、税金の対象となる金額も減っていきます。サラリーマンの場合は保険などで控除はできても経費計上できないので、あまり節税できません。会社側がすでに経費を計上しているからです。独立している方は売上から必要経費を計上して利益を確定させます。そこでサラリーマンの給料とフリーランサーの報酬を同じ金額と仮定して考えてみましょう。サラリーマンの年収が500万円だとすると
サラリーマンで年収600万円(独身一人暮らし、保険加入無しの場合)
→所得税:209,400円 住民税:310,000円 合計:519,400円
意外なほど多額の税金を納めています。では経費計上するとどうなるのか?
100万円の経費計上をして利益500万円の場合
→所得税:143,000円 住民税:245,300円 合計:388,600円
200万円の経費計上をして利益400万円の場合
→所得税:86,700円 住民税:177,300円 合計:264,600円
100万円の経費で約13万円、200万円の経費で約25万円の節税となります。
所得税や住民税は利益となる金額が高ければ高いほど税率も大きくなります。年収が大きくなると節税の効果も大きくなっていきます。ちなみに200万円の経費計上で、売上800万円の場合は約40万円以上の節税になります。累進課税制度は恐ろしいです。
そもそも200万円の経費って現実的?
法人であれば可能です。経費計上できるものは多くあります。家賃、光熱費、電話代、ネット代、PCと周辺機器代、交際費、事務用品代などが日常生活から経費計上できます。次にエンジニアとして専門の書籍代、レンタルサーバー代、セミナー・研修費などがあります。これで月10万円のお金はかかります。つまり普通に生活するだけでもこれだけの経費計上をすることができます。実際に自分の生活費で上記の金額がどれだけ掛かっているのか計算してみると納得できます。
法人としてはさらに税理士報酬、社会保険料、諸会費などがあるので月17万円程度(17万円×12ヶ月=年間204万円)は軽く計上できます。ちなみに節税をもっと意図的にやろうと思えばもっと節税可能らしいのですが、そこは税理士の先生と要相談。節税でなく実は脱税にだったら大変です。
配偶者を役員にして自分の役員報酬と分割する
これは有名な話ですが、もし結婚していて配偶者の方が専業主婦(主夫)の場合は会社の役員報酬を経費計上できます。極端な話、自分以外の誰かに103万円の役員報酬を支払うことで経費計上できる、ということです。俗に言われている103万円の壁という話です。お手軽にできる上に節税効果が高いです。配偶者の副業という形でもできますが、それだと配偶者の税金が増えてしまうだけなのであまり意味がありません。
節税ってズルくない?
別に私はそう思いません。昔はちょっと思っていました。でも
「法律は弱者の味方じゃない。法律を知っている人の味方なんだよ。」
この言葉は税理士、会計士、保険など税金に係る仕事に携わっている多くの方が言っています。税金の他にも助成金や補助金の制度も多く存在するのですが、知らなければ利用することもできない。それは節税も同じなのです。エンジニアライフではキャリア・コンサルタントの高橋さんも同じような事を言っていましたね。第95回 法律は誰の味方か?
税金についてわかりやすい本は?
IT業界でも有名なきたみりゅうじさんの「フリーランスを代表して申告と節税について教わってきました。」がフリーランスと税についての概要を知るにはわかりやすく、面白いです。ただ2005年発売の本のため税法が古いのでそこにだけ注意すれば問題ないかと。ここに出てくる税理士の先生がいい感じに腹黒いのが面白いのです。
コメント
ksiroi
もう突っ込まないよ?
それじゃ。