【18】物言うエンジニアになりませんか
こんにちは、手塚規雄です。
ちょっと前ですが、ねとらぼさんの記事でこんなものがありました。「しわ寄せはいつも技術者に来る」「笑えるどころか胃が痛くなってきた」 エンジニアの苦悩を描いた動画に世界中が共感。
紹介された動画はエンジニアにとってはあるあるネタが多く盛り込まれ、動画の構成も面白く多くの反響を得ました。私もこの動画を見て大笑いしました。まだ動画を見ていない方はぜひご覧になって下さい。エンジニアにとっては笑いのネタでしたが、エンジニア以外の人からはどのように見えると思いますか?
多分、エンジニア以外の人にとってはエンジニアこそが意味の分からない言葉しか出てこない!と意見が出てくると思います。エンジニアとエンジニア以外で正反対の意見になりますが、この意見の違いが表しているのはエンジニアとエンジニア以外では全然意思疎通が出来ていないという事実です。IT業界ではいつになっても顧客とのコミュニケーション能力が重要と言われ続けています。私は意思疎通に問題があるのはエンジニアだけでなく顧客側にもあると思っています。両方が悪いけど、やっぱり悪いのはエンジニア側。なぜかといえば最も大きな原因として相手との相互理解を「諦めている」事だと思っています。
たしかに諦めたくなる事ばかりです。ムカつくことなんて日常ですよ。こちらがあーだ、こーだ言っても相手は理解してくれないし、理解を深めようとしてくれない。そして挙句の果てには理解することを放棄して、仕事を丸投げしてくる。まさにあの動画の内容です。だからこそ嫌になって諦めてしまう。でもやっぱり諦めたら試合終了だという事です。じゃあなんでこのダメなスパイラルに陥っているのか?それはやっぱり私達エンジニアが喋っている言葉は宇宙語でした、という自覚がない事です。
「エンジニアが話す言葉は宇宙語である。」
だから相手は理解できないし、理解する気もおきない。なんのこと分かりにくいかもしれないので一つ例をあげます。英語ができない人なら経験あると思いますが、もし外国人に声をかけられたらどうしますか?けっこうな割合で逃げる人が多くいます。かなーり昔ですが、テレビで「ウィッキーさんのワンポイント英会話」というコーナーがありました。知っている人は逃げる姿を思い出せると思います。私は子供の時あれを見て笑っていましたが、今は笑えない…。このコーナーの事を知らない人はwiki参照、または動画を探してください。
エンジニアとそれ以外との会話ってあんな感じですよ。英語以上にわからない言葉だから宇宙語。極端なたとえ話になりましたが、知らない言葉で会話されようとするから、みんな逃げていくだけ。だからこそ、エンジニアが相手にわかる言葉で会話する必要があります。これは気長に頑張っていくしかないですね。今まで出来る人が少なったことからわかりますが、カンタンなようで激ムズです。もちろん私も全然まだまだです。
もう一つはエンジニアの自分の意見をしっかり話す情報発信能力が欠けていること。物言う株主、という言葉がありますが物言うエンジニアがあまりいません。エンジニアライフのコラムニストの方々は物言う方ばかりですが絶対数が少ないです。個人のブログでもTwitterでもSNSでもエンジニアが仕事に関することで情報発信している方があまり居ません。仕事についてはほとんどが愚痴。逆に言えば情報発信している人のほうがエンジニアのなかでも変わり者。エンジニアライフの他の方はわかりませんが、私自身が変人であること事態は否定しません。
場所を変えてネットでなく会社内ではどうか?ほとんどのエンジニアは公式の場では発言ゼロ。それは公式の場だと発言には責任を伴うからで、責任を負いたくないから発言したがらない。その代わりに、責任のない飲み会や懇談会になると饒舌になるのがエンジニア。
私も昔はそんな感じでしたが、フリーになってからはその態度は辞めました。理由は仕事で大損するから。単価交渉や有利な条件設定にはどんどん発言していかないと言われるがままだし、絶対に自分に有利な条件には変わっていきません。サラリーマンだと社内で自分の意見を発言できないと会社のいいなりに成り果てます。まさに社畜状態。
さらに社外になると、自分の意見が言えなくなると仕事で不利になるように仕事が決まっていきます。意見が言えない=文句がない、と捉えらます。もちろんそんな意図はなくても相手に自分たちの意図が伝わらなければ同じです。これもまた、例の動画のように無理難題をやるハメになっていきます。
ただ情報発信はメリットもありますが、デメリットもあります。目立つ事により、人に嫌われることが増えてきます。人に認識されれば好きか嫌いか無関心かのどれかになります。人に嫌われることが恐い人は情報発信せずに大人しく生きたほうがいいと思います。
日本では文系の人間が理系の人間を使う世の中と言われています。それは文系の人間が考え、発言していくに対して理系の人間は発言せずに言われるがまま。その結果からきているのではないでしょうか?何も言わないから何を考えているのかわからない。でも一生懸命働いてくれるからいいや。極端な話になりますが、ひょっとしたらエンジニアはこんな風に思われているのかもしれませんね。そう思われたくなければ、嫌われる覚悟をもって情報をこちらからドンドン発信していくだけです。