いつも心は穏やかにと思っている私ですが……

蘭の社内SE奮闘記(5)

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 私の名前は織田蘭です。社内SEの仕事をやっています!

 前回からの名古屋支店のサーバ入れ替えの続きです。

サポート 「C社製のL3スイッチのポートってFULLですか、AUTOですか」

蘭  「FULLとかAUTOって?」

サポート 「オートネゴシエージョンとか100M固定とか10M固定とかポートの設定ってあるでしょ」

蘭 「あれですか? それがどうしたんですか?」

サポート 「弊社のハブは、デフォルトではすべてポートAUTOに設定されています」

蘭 「なるほど……で、何がどうなんでしょう」

サポート 「C社製のポートと同じ設定にしないと、性能が出ません」

蘭 「え~」

サポート 「とりあえず、HUBのポートの設定マニュアルをメールでお送りしますね。あとC社のL3スイッチの仕様書かコンフィグを調べて同じ設定にしてください。それでは失礼します」
 
 私は伊達課長に、C社製のL3スイッチの仕様書がどこにあるか聞いてみました。

伊達 「たぶんそこのロッカーの棚のどこかだよ。業者資料なんて、普段見ないからね」

 私は必至になってC社のL3スイッチの仕様書を探し出し、ポートが100MFULLになっていることを確認しました。するとサポートから、ハブの設定方法のマニュアルがメールで届きました。

蘭 「伊達課長。名古屋支店のトラブルはハブの設定の問題です。私を名古屋に行かせてください」

伊達 「いや、あれはサーバの問題ではないのかな」

蘭 「いいえ、ハブとL3スイッチのポート設定があっていないための障害です」

伊達 「そんな話、聞いたことがないけどな」

 伊達課長は業者丸投げでネットワーク環境を構築した人だから、詳しい話しても分からないだろうなあ……ちょうど名古屋にいる武田先輩から伊達課長に電話がかかってきました。

伊達 「え、何! レスポンスが遅すぎてファイル保存でファイルが壊れただと」

 何やらただごとならぬ雰囲気が伊達課長の口調から感じられました。その電話が終わった後、伊達課長は私のところに来て、名古屋に行ってくれと指示を出しました。私は、武田先輩から「名古屋で猫の手も借りたいような状況だから、誰か手伝いに来てほしい」との要望を受けたのだと推測しました。ちょうど私が名古屋に行かせてほしいと言っていたので、伊達課長は私に指示を出したのでしょう。

 私は新幹線に乗り、名古屋に向かいました。  

 (続く)

 この物語はフィクションです。実在する団体名、個人とは一切関係ありません。

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