頼むから黙ってて―上に立つ者(=リーダー)の品格―
エンジニアライフ、10月のお題は「○○の品格」です。今回のテーマは「上に立つ者(=リーダー)の品格」です。いつものようにエピソードを交えて述べます。反面教師だけどね。
■事例1
某公共系プロジェクトに携わっていたときの話。
プライム傘下に、3つのベンダが組む形のプロジェクト体制。便宜上、アプリ系、インフラ系、(専門)技術系と分けます。ぼくが属していたのは技術系のA社。事実上、この3社のまとめ役でした。
ところが、この類の大規模プロジェクトにありがちな話。プロジェクトがうまく進まなくなってくる……。そこで出てきた、プライムのプロジェクトマネージャ氏。メンバーを会議室に集め開口一番、「いままではA社が中心だったが、今日からは3社をフラットとする、言わば『戦国時代』だ。A社以外のB社、C社にもチャンス(何の?)がある。皆さん頑張るように」と。萎えるー。萎えるよーおっさん。体制やスケジュール役割分担など、話すべきことはあるだろ。
どうもこの方、業界に不慣れなようで次のような発言もあった。残業している僕らを見まわして、大きく納得した素振り。そして、「分かったぞ! この人たちはコンピュータが好きだからこんなに働けるんだ!」と。大声で「腑に落ちましたー!」発言をして、失笑を買っていた。まだこんな化石のような人がいたのか、と握手したい気分でもあった。やる気を削がれますねー。
■事例2
こちらは昔のぼくの上司、某案件にプロジェクトマネージャとしてアサインされた。お客さんと納期の会話にて、「任せてください、ベンダをギュウギュウ絞りますから」、と鼻息も荒く。何て下品な言い方なのだと思った。同時に、この人は下(下請け、部下)をこのようにしか見てないのかということがよく分かった。一緒にやりたくないよな、というタイプ。案の定、下に対して無茶し放題、僕らも黙ってはなく、総スカン。そしてプロジェクトはカオス状態へと陥り、部長から彼がギュウギュウと絞られてうつになり、長期休暇に入ったのだった。
■まとめ
上に立つ者(=リーダー)は受け側の気持ちを考えて発言しなければならない(というか、してほしい)。
鼓舞しろとは言わないまでも、せめて邪魔をしない、余計なことを言ってやる気を削がない。これがコーチング云々以前の最低限の品格じゃないか、と僕は思う。と、ここまで書いて単に「人としてどうこう」、という気がした。でもいるんだわ、実際。
「動ぜず」という態度でどっしり構えていればいいのさ。権威は一応あるのだから。
こんにちは。けいいちっくです。10月のお題である「品格」、書いてみましたが、この言葉の大安売りにより一時期「品格」という言葉自体の品格がなくなっている気がしたが、そろそろほとぼりは冷めたのだろうか? (と、編集部に突っ込み)。
ほかの方のコラムでも書かれているコラムニストオフ、とても出たかったが、僕は渋滞の中での家族旅行でした。ではまた。
コメント
wona
> 鼓舞しろとは言わないまでも、せめて邪魔をしない、余計なことを言って
> やる気を削がない。これがコーチング云々以前の最低限の品格じゃないか、
> と僕は思う。
同感です。
良いこと言えそうにないなら、むしろ何も言わない。
最近自分も学びました。
nyu
>ギュウギュウ絞りますから
甘いかもしれませんが、このように心ない人間とは一緒にシステム作りをしたくないものですね。
すぎりん
> 鼓舞しろとは言わないまでも、せめて邪魔をしない、余計なことを言って
> やる気を削がない。
たしかにそうです。
上司なんだから上司の仕事をしましょうといいたいが、上司としての常識を備えている人が少ないと感じる。
自分はずっとエンジニアのままです。これって部下にとって非常に不幸