ケータイをなくしてしまったら
五月晴れのある休日、ケータイをなくしてしまった。その日は暖かく、クローゼットから出した薄手のパーカを羽織り(振り返るとこれが敗因ね)バスで出かけた。帰りのバスの時刻表を撮ろうとケータイを出そうとしたらポケットにない。
■2台持ちに憧れて
ケータイとスマホの2台持ちが推奨されているいま、情報端末の紛失リスクは大きくなっている。ぼくも@ITの多くの読者の皆さん同様(勝手な想像)、2台持ちをしている1人だ。平日はこれに社用携帯とモバイルPC一式(PC、ワンタイムパスワード発行端末、データ通信端末)が加わる。時々内線端末をポケットに入れたまま持ち帰ってしまうこともある。さらに、最近ではWiMAXを契約しカバンの中に放り込んでいて、他にDAP(デジタルオーディオプレーヤー)もあったり、歩数計もあったり、よく考えれば電子機器だらけ。しかし時間管理の肝となる腕時計はアナログでこいつがいちばん不正確だったり。脱線してしまったが、これほど持っていればいつなくしてもおかしくないと言えよう。
■ケータイをなくしてしまった
言い訳はさておき、ケータイをバスの中になくてしまった。その間20分もない。早速スマホを取り出し自分のケータイに掛けてみる。2台持ちでよかったと思った瞬間だ。ぼくの場合ケータイをマナーモードにしていないので着信音がなるはず。まずはかばんを含めた自分の身の回りチェック。鳴らない。やっぱりバスの中だろう。誰かが出てくれるかも? 淡い期待が期待のまま終わる。
早速バス会社の忘れ物お問合せに電話する。まだ届いているわけないけど早いに越したことは無い。その場でスマホで連絡先を調べて用件、そして乗っていた便を告げる。(ほんと、スマホ便利)普段音声用に使っていないのでマイクとスピーカーの位置関係に一瞬、戸惑う。見つかったら電話してもらえるとのこと。ケータイをなくしたときの連絡先がケータイ(=スマホ)って時代も変わったな、と。
その日はバス会社からの連絡はなかった。
■振返り
あらためてなくしたときの状況を考えてみる。家を出るときに本当にケータイを持って出たか? そう考えると自信がない。バスの時刻が近いので慌てていた。ひょっとしたらそもそも持ってこなかったのかもしれない。それが無いとも言えない。バス停までの道中で落としたとか? うーん、落ちたら結構大きい音がしそうだ。
ケータイの端末自体は古い物で、他にも端末持っているから諦めがつくが、データのバックアップを取っていないことが悔やまれる。アドレス帳は個人情報だらけだし、登録してある人たちに変な連絡がいったら申し訳ないな、と。暗証番号は掛けているが、順に試されたら解除されてしまう。
パーカのポケットは浅いもので、試しに煙草とライターを入れて座ったらするりと落ちてしまった。持っていたならバスでなくしたに違いない、とは思うのだが……。
■午前0時のI Need You
そんなことを考えながら夕方から友人宅で飲む。ときどきケータイに電話するも出る気配なし。前述したようにバス会社からの連絡も一向になし。これは単にケータイ自宅に忘れただけかも? と楽観。午前0時過ぎに自宅に帰り、ケータイに掛けるも着信音は部屋に響かず呼出し音が空しい。自宅に忘れただけという望みは消えてしまった。完全にケータイ紛失。
■探しているのにぃ~ただしいケータイの探し方
翌朝のこと、バス会社の朝は早い。7時前の電話にも快く応えてくれた。しかし、ケータイは見つかっていないそうだ。見つかるまで長期戦となることを覚悟、ひょっとしたらもう逢えないかもしれない。まずは回線を止めなくては。
携帯をなくしたときすることは大きく3つ
- 探す
- 回線の停止
- 警察への遺失物届けの提出
これらのすべてを午前中に行った。玄関からバス停までと、バス停を降りてから紛失に気づくまでの道程の捜索。マンションの管理事務所やバス停の警備員に聞いたが届けはないとのことだった。次にauへの電話手続き。電話して紛失時の仕組みを聞いた。曰く、このまま見つからなく新しい端末で再手続きとなっても同じ番号が使用できるということ、手数料は2100円だ。また、警察に届けられた端末は各キャリアに送られ、契約者へと郵送で連絡がある。これには相応の時間が掛かるので急ぎなら直接警察に問い合わせたほうが良い。紛失時専用の番号があるので繋がりにくい時にはこちらに掛けて欲しい、とのこと。
居住区の警察にも問合せ、区には4つの署があるがどこにもなかった。最寄りの交番を聞いて遺失物届けの手続き。これらもスマホから電話できるわけで変なところで2台持ちのメリットを実感した。
■探すための便利なサービス
さて、auにはその名も「ケータイ探せて安心サービス」というものがある。リンク先はこちら。KDDIお客さまセンターやパソコンから自分のケータイの位置を検索とのこと。残念ながら事前準備が要るため今回は使えない。次回のために設定しておこう。
一方、警察(東京都)には《警視庁拾得物公表システム》がある。リンク先はこちら。土日は反映されないので週末の紛失は週明けにならないと検索できないらしい。が、検索してもケータイの場合色くらいしか特徴の表示がないわけで、「白ベージュ透明色系」や「青水色紫色系」とガンバッてはいるのだが、待受画面やストラップなど特徴を判別するための肝心な情報が抜けている気がしてならない。そもそもケータイ写真載せてよ、と思う。これをヒントに問合せるといったところか。それにしても携帯の拾得物は多いね。
■見つかりました
結局のところ、週明けにバス会社から見つかったとの電話がかかってきたわけだけど、2台持っていると致命的に困るわけではないのがわかった。もちろん、アドレスのバックアップはこまめに取る(&同期の)必要があるが。探すための便利なサービスが用意されているのも今回わかったこと。
ケータイをなくすのはこれが通算3回目で前回と比べると探し方にしても手続きにしてもだいぶ変わったなという感がある。何より驚く(驚かなければならない)のはそのすべてで、きちんと戻ってくるというこの国の仕組みだと思った。