"お帰りなさい"と声をかけられる人がいる -アルムナイ制度
みなさま、おはようございます。Kyonです。
私がいる部門では月1回、全体会という部門全員が参加する報告会みたいなものがあります。"参加する"といっても基本的には聴いているだけで、上の偉い方々が売上とかお金関係の報告をして、表彰があって、新しく入社したメンバーの紹介をして・・・という時間です。
これだけ聞くと「なんかめんどくさそうな時間やな」と思われた方もいらっしゃるかもしれませんが、部門の方向性を決めている人たちのお話を直接聴けるし、質疑応答で質問も投げられるので、私は大切な時間だと思っています。特に、今は在宅勤務なので、所属している人たちが自分たちがどっち向かっていっているのか共有する場として必要と感じます。
「お帰りなさい」
そんな全体会の最後は、新しく入社したメンバーの紹介があります。紹介といっても、ご本人たちが何か話すわけではなく、お名前と所属部門とかをさらっと担当者が読み上げるだけです。その時に、担当者が言った言葉が印象に残っています。
「お帰りなさい」
ある人のお名前と所属部門を読み上げた後に、さらっと口にされた言葉です。その紹介された方は、出戻り社員ということです。
出戻り社員
"出戻り社員"ってご存知でしょうか。一度退職した会社に再度雇用された社員のことです。一度退職した人を再雇用する制度を「アルムナイ制度」と呼ぶこともあります。
もともと外資系企業では盛んに行われていたことで、日本企業でも浸透しつつあるようです。
私がいる会社でも、中途採用に「アルムナイ制度」で募集する枠があります。冒頭の、今月の全体会では1名ですが、先月以前にもいらっしゃったと記憶していますし、今一緒に働いているメンバーにもいます。
メリット
ぱっと思いついたメリットを上げてみます。
- 即戦力となる
- 採用コストが低い
- 採用後のミスマッチが少ない
- 育成コストが低い
以前に働いていた人なので、多少内情は変わっていたとしても、勤めていた当時と同じ仕事内容であれば、早く馴染んで、力を発揮できるでしょう。それに、社内の風土や仕組みを知っているので、イニシャル研修等の育成コストも低く、理解した上で応募しているので、ミスマッチも少なくて済みます。
また、アルムナイ制度があると求人広告に掲載しておけば、「戻りたいな」と思って応募してくれますので、採用コストも低く済みます。辞める時にお互い気持ちよく辞めておく必要はありますけどね。
デメリット
逆に、デメリットはあるのでしょうか。
- 社内メンバーからの反発
- すでにいるメンバーが安易に転職を考えてしまう
人が辞める時って、周りのメンバーはかなり振り回されますし、負担がかかることがあります。
私も今年初めに長年一緒に働いてきた人が辞める時、業務でもメンタルでも振り回されてしんどい(辛い)思いをしたので、それはすごくよくわかります。なので、そういう目に遭ってしまった人から反発があるかもしれませんね。あ、でも私は、もしその同僚が帰ってきても反発はしないですよ、私も同じだけ振り回してきたんで。ま、ちょっとは厄介事を押し付けたりはしてもいいかなと思いますけど(冗談ですよ)。
容易に転職を考えてしまうというのは、少しあるかなとは思います。でも、考えるのは勝手だし、実際にそれで転職するのも勝手なので。辞めて出戻ろうとしても、採用されるかは別の話でしょう。
気をつけたいこと
メリットを最大化してデメリットを最小化するには、アルムナイ制度をきちんと制度として構築しておくことです。誰でもツテを頼れば出戻れるのはNGです。一般の中途採用と同じように採用過程を踏んで、雇用条件も経歴等から判断することが大事です。
辞めてからどれぐらい経過しているか、当時の退職理由等は決めておく必要があります。ちなみに、私がいる会社は、「辞めてから1年以上経過していること」という条件があり、業務内容・部門も決まっていました(求人情報を確認しました)。
あと、出戻り社員を迎える側としては、辞めた当時のことをリセットして迎えることを気をつけたいですね。辞める時ってお互いいろいろ気持ちを抱えてしまいますけど、それはそれ!これからまた一緒に働くんだから、過去の話を持ち込むのは建設的ではないと思います。
今一緒に働いている人も「みんな、一度辞めたことを気にせず接してくれるので、気持ちが楽だ」と話していました。向こうから「一度辞めたんですけど戻ってきちゃいました」と言われるまで、触れなかったです。「あ、そうなんですね。お帰りなさい。」と返すぐらいで、辞めたのも過去ですし、またこれから同僚の一人なわけですし。
"お帰りなさい"と声をかけられる人がいる
出戻ってきて一緒に働き始めれば、誰が出戻り社員なのかなんて言われなきゃわかりません。
でも、帰ってきた時、出戻ってきた人はたぶん不安です。そういう時、「お帰りなさい」と一言だけさらっと言えたら、「あなたはここにいていいんですよ」というメッセージが伝えられると思います。誰でも気持ちよく働きたいので、そういう一言をさらっと言えるといいなと思います。
あなたの職場には出戻ってきた人はいますか?
コメント
itエンジニア
私の職場にも、出戻り社員がいました。
自分だと、過去に退職した会社に応募すること自体、恥ずかしさがあったりして、躊躇するんじゃないかと思います。
採用に関しては、仰る通りの過程を実施するのが良いと思います。
あと、出戻りは感覚的には1回までかなと思います。
流石に2回3回と複数回出戻りしたような社員には出会ったことはありませんしね。
ゴリラーマン
経営側から見て採用コストが本当に安いのか疑問です。
情報漏洩のリスクやアルムナイとの関係維持にかかるコストも考える必要があるかと。
多様性が失われることもデメリットですね。
Kyon
itエンジニアさま
コメントありがとうございます。
おっしゃる通り、恥ずかしさから躊躇するのは私も同感です。
複数回出戻るのはどうかと思いますよね。
Kyon
ゴリラーマンさま
コメントありがとうございます。
ご指摘の通り、経営側からという視点からの考察には甘いものがあると自覚しております。
情報漏洩のリスクは昨今忘れてはならないポイントですね。
多様性についても考える必要があると気付かせていただき、ありがとうございます。