刮目せよ、働き方は1つじゃない! フリー技術者の哲学
本音が語れるエンジニア参加型メディア「@IT自分戦略研究所 エンジニアライフ」。日々、ITエンジニアの「生の声」を公開している。
ここでは、編集部の独断と偏愛によって選んだコラムをテーマ別に紹介していく。今回のテーマは「フリーエンジニア」。
フリーエンジニアとして働いているコラムニストが語る「フリーを目指した理由」「フリーとしての働き方」を紹介しよう。
フリーエンジニアはなぜフリーエンジニアを目指すか
なぜフリーエンジニアはフリーになるのか。まずは、フリーエンジニアを目指した理由を紹介しよう。
『フリーエンジニア、はじめました』の富松潤治郎氏は、3度の転職の末に「フリーエンジニアになる」という決断をした。その背景には「さまざまなフリーエンジニア、異業種の人々との出会い」があったという。多くの会社を回り、いろいろな人の考えに触れることで「働き方は1つではない」と、富松氏は気が付いた。
「10年のキャリアを振り返るうえで、フリーエンジニアになろうと思った」と、富松氏は語る。
不景気にフリーをやるうえで重要なのは「自分なりの信念」
もう1人、フリーエンジニアを目指した人の意見を聞こう。『真の顧客満足を目指して』のビガー氏が、フリーエンジニアを志した理由は以下の3つ。「意図した仕事が選べる」「有益な技術が学べる」「適正な収入が得られる」だ。
会社で働いている間は、与えられた仕事をこなすことが主業務となるが、フリーになれば自分のやりたい仕事ができる。とはいえ、IT業界の状況はいまだに厳しい。こうした状況でフリーエンジニアをやることは、それなりのリスクを伴うため、「自分なりの信念を持つこと」が重要となる。
フリーエンジニアには、どこかに優れた価値がなければならないと思います。特定の技術領域に特化することにも価値はあると思いますが、両方兼ね備えてこそ真のプロフェッショナルであると思います。「フリーでの委託契約についての考察」
ビガー氏は「地元でいつでも仕事が取れるエンジニアになる」ことを目指しているという。
「やりたいことができれば、働き方は問わない」いずれは起業?
『フリーエンジニアから起業までの道のり』のあとむ氏は、現在Web系のフリーエンジニアとして働きつつ、現在は起業を目指しているという。
「別に起業自体が目的なわけではない。ただ、自分が掲げる『世の中に価値を想像する』という目的を達成しようと思うと、自然と起業という選択肢が頭に浮かぶ」。長い間、客先常駐型のフリーエンジニアとして働いてきたあとむ氏は、起業を目指す理由についてこう語る。
「自分がやりたいことができれば、働き方は問わない」、あとむ氏はこのように主張する。正社員、契約社員、派遣社員、フリー、世の中にはいろいろな働き方がある。「正社員でないと嫌だ」「福利厚生がしっかりしているところがいい」といった「働き方」へのこだわりは確かに重要だが、それ以上に「自分は何をしたいのか」という点をしっかり考え、自分なりの答えを見つけてみるのもいいだろう。考えた結果、いまの環境では自分のやりたいことが実現できないなら、「フリーになる」もしくは「起業する」という選択肢が開けてくるかもしれない。
大学院と仕事を両立。フリーエンジニア流「上手な手の抜き方」
『フリーなスキル』のはがねのつるぎ氏は、大学院通いと仕事を両立している。ただでさえハードな仕事に加え、どうやって勉強する時間を取るのか? それにはいくつかのコツがあるという。
まず、「生産性を上げる」こと。はがね氏は現在、「昼は仕事で夜は大学院」という生活をしている。夜に大学院に通うということは、すなわち「残業ができない」ということ。そのため、はがね氏にとって「生産性を上げる」ことは必要不可欠なのだ。
また、はがね氏は「上手に仕事で手を抜く」コツを覚えたという。以前は、すべての仕事において最高品質で仕上げようとしていたが、現在は違う。1つの仕事に全力投球するよりも、その仕事量を配分して複数の仕事をこなす方向に、考え方が変わってきた。「仕事で手を抜く」というと誤解を招きかねないが、必ずしも悪いことではない。力を配分して、余力はほかのことに回す。そうして、はがね氏はさまざまなことに挑戦している。
技術力を確実に上げたいならインドに行け
フリーエンジニアは、自らの技術力が売りである。当然ながら、彼らは技術力向上への意識が非常に高い。
現在シンガポールで働く『アジアのソフトウェア開発現場にて』の山本保男氏は、技術力向上の手段として「インドで1カ月間のIT研修」を推奨している。
インドでITトレーニングをするメリットはいくつかある。まず、安いこと。インドは物価が安い。1カ月の研修代、ホテル代、3食の食事代を含んで、約3000ドル。なかなかのお得感である。
そして、確実に技術力が上がること。山本氏が受講した研修では、1カ月の間に5つの試験を受け、それらにすべて合格するというハードな内容だった。ぶ厚い参考書を片手に講師からマンツーマンで教わる。もちろん、言語はすべて英語。技術力と英語力が、この1カ月で相当鍛えられる。
社員として働いているエンジニアなら、1カ月休みを取るのはなかなか難しいかもしれない。しかし、フリーエンジニアなら、1カ月という時間は取ろうと思えば取れる。たゆまぬ自己投資は、フリーエンジニアにとって非常に重要なことなのだ。
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