健康について第70回 本当の健康法とは(10) 睡眠コントロール
お世話になります。龍澤と申します。
引き続き、「本当の健康法とは」(「健康について」最終章)について、焦ることなく、少しずつエンディング(大団円)に向けて書いていきます。
◆前回までのまとめ(本当の健康法を実践するための前提条件の整理)
※重要なので、しつこく書きます
- 「IT業界は、常に自分に向上心を与えてくれる」という考え方にシフトすること。
- 「健康になろう」という強い意志を持つこと。
- 仕事を続けながら、(気がついたら)健康になっている術を考えること。仕事と健康法実践とを明確に分けない。
- ニュートラルでいること。
- 周りの人と自分とを差別化すること。(1)ネガティブな言葉を吐かない (2)IT業界における自分の立ち位置を正確に認識する (3)素直である(いる)
◆今回のテーマ「睡眠」
まず、前回書きましたとおり、私が重要と考える順に書いてゆこうと思っています。前回「ベンさん」について書きましたが、ベンさんのコントロールの次に大事なのは、「睡眠」です。睡眠をコントロールし、自分なりの熟睡できる手段を確立することは大変重要です。
いずれのコントロールについても、現代社会においてかなり軽視されているような気がしていて、個人的には危惧しています。ベンさんも睡眠も味方につけて、生産性を上げ、まんまと「抜け駆け」してゆきましょう!
睡眠についてはいろいろ書き散らしておりますので、以下、もしよろしければ再読ください。
第18回 24時間働けません
第23回 【実践編】午後眠くならないようにする方法
第24回 【実践編】朝起きれないのには理由がある
第57回 食について(7) 脳のために
◆過去ログ(第18、23、24、57回)のまとめ
- われわれは頭脳労働者であるため良質の睡眠を「とらなければならない」。その理由は、仕事で最高のパフォーマンスを発揮するためである。
- 良質な睡眠の結果、「すがすがしい目覚め」がプレゼントされる。(これは、何にも代えがたいもの)
- 睡眠は長い方がベターだがそれよりも追求すべきは熟睡である。
- 良質の睡眠をとるために、その前段として、寝る少し前から「画面」(PCやテレビやスマホ等)から離れる時間が必要。つまり、安らかな心地で眠りに入ること。
- 良質な睡眠を阻害するものとして「不安」がある。不安をとりのぞく努力は常にする必要がある。その第一歩としては、「その日やるべきことをやって、寝る」習慣をつけるのがよい。
- 煮詰まったら寝てしまった方が結果がよいことがほとんど。ただし、良質な睡眠が前提となる。
- 昼寝は、必要! 午後に睡魔と闘いながら低い生産性で作業するよりは、びしっと20分睡眠に充てた方が、自身の生産性のみならず組織の生産性にも寄与する。 ⇒昼寝するための具体的な作戦については23回に書きました。
- 眠気を感じたらどこでも即眠りに入ることができる、という技術は、ビジネスマンの必須スキルである。
- ある程度の睡眠不足はあきらめる。それを嘆くのではなく、自分のデフォルトの睡眠時間を決めてそれを身体に慣れさせること。重要なのは、自己節制により眠りに入る時刻を一定にすること。
- 世間的によく言われているとおり、休日でも、ふだんの起床時刻より1時間以上寝坊しない。そして休日前でも、ふだんの寝る時刻よりも1時間以上遅く夜更かしをしない。また、休日の昼寝は長めにとること(ただし、1時間程度)。
◆上記まとめの補足
まず、昼間に眠くなることについて罪悪感を持つことはない、ということです。われわれは基本的に睡眠不足ですし(笑)、エンジニアが昼眠くなるのは、身体が「画面」からの逃避を要求しているのかもしれません。いずれにせよちょっと眠ってリフレッシュせよというサインです。
ただし、昼に食べ過ぎて眠くなるのは別な話です。そもそも食べ過ぎは(「食べ過ぎ」とは腹十分ではなく腹八分からです!)身体にとって良くないですし、われわれの生産性を下げるので避けましょう。食べ過ぎが労働意欲を妨げるのは、動物を見れば明らかです。
前回書いたように、堂々と昼寝できる環境を「闘って」勝ち取ろう!とまではいいません。それは、ユーザーや元請け先に常駐するスタイルが多いIT業界ではほぼ無理でしょう。ですので、昼休憩と睡眠の時間をマッチさせるようコントロールするのが肝要です。詳しくは第23回に書きましたが、昼休憩時間が固定であればその時間に眠くなるように工夫する必要があります。
また、3.の「寝る前に「画面」(PCやテレビやスマホ等)から離れる時間が必要」については、別途詳しく書くと思いますが、そもそもわれわれは目や脳を休めるために、プライベートではなるべく「画面」から離れるべきです。
◆通常の夜の睡眠について
そもそも、夜の睡眠で熟睡することが肝要です。
夜、ちゃんと熟睡できていれば、昼寝は「武器」になります。より仕事の生産性を上げるための。ところが、夜熟睡できていないと昼寝はただの「補完」となり、プラスアルファにはならないのです。
かなり具体的な(リアルな)話ですが、夜は独りで寝たほうが熟睡できますね。家族で寝るのはおすすめしません。これは、一般論ではなく「頭脳労働者は」という前提の話ですが。
寝る前、そして寝ている間、さらに、起きた直後まで、静かな、そして可能であれば真っ暗な環境を準備すべし、ということです。そのような環境であれば、睡眠の時間も少なくてすみます。特にテレビが良くないのですが、何かしらの音が鳴り続けている状態が、睡眠にはよろしくないです。例えば、肉体労働者が、栄養補給のためにがつがつ食べるのと同じ感じで、われわれは明日への活力のために熟睡(および、熟睡のための環境)が必要なのです。
そのためには、必ずしも個室が必要というわけではないですよね。例えば、リビングでソファー・ベッドで寝るとか。策はあるはずです。家族で相談してみればよいと思います。
◆電話について
携帯、この悩ましい存在……(笑)。夜中にトラブル等で電話がかかってくるのはIT業界の常です。電話がくるかも? と考えてしまうだけで熟睡が阻害されてしまう…
電話についても、無責任に「闘って」夜中に携帯がならない環境をゲットせよ、というわけにもいきませんが……。あらためて、考えてみていただきたいのです。自分はホントに、寝る前に「職場携帯をoffしちゃダメなのか?」ダメなのだとしたら「ゼッタイか?」と。
たとえば職場内で分担するとか。週に3回だけにするよう調整するとか。ホンキで考えれば、いろいろなアイディアはあると思うのです。
で、一日ぐらい携帯切っちゃいましょう(笑)。一日切ったってクビにはなりませんよ。それと、病欠してるときすら携帯をONにしてる人がいますが……。休みの日までスタンバっておく必要はないんです。休みの日は休むべきであり、それを会社も望んでいます(あなたの直属の上司が望んでいるかどうかは、分かりませんが……)。しっかり休んで復活してくれないと会社は困るのです。
SEが携帯をオフして床に入るときの安堵感といったら……(笑)。それだけで熟睡は約束されたようなものです。
私事ですが、私が早起き生活にシフトした理由のひとつがこの「電話」でして……リアルな話ですが、夜間バッチの最後のほうがコケて電話がくることが多くて、いっそのこと4時に起きてしまえ! とブチキレたことがありました(笑)。
いつも7:30に起きる人が、3:30に電話で叩き起こされたら、ホントキツいですよね。でも、4:00に起きる人が3:30に電話で起こされてもそれほどダメージはない(笑)。そういう、発想の転換をしてみたのです。早く起きるようになるとゼッタイ、遅くまで仕事できなくなりますから。
最初はキツかったですけどね。でも、なんとかなるものです。不思議なことに、自分が変わると環境が変わってゆきます。自分がサボろうとすると周りはイジワルになっていきますが、自分が一生懸命仕事の生産性を上げて早く上がれるよう努力したり、早起きするようになった分朝に仕事するようにしたりすると、周りはそういう自分を認めてくれます。
それが効果があったのかなかったのか…しばらくしたらちょっとした配置転換、担当替えがあり、夜中に電話がくることは少なくなりました。そういうことも、あるんですね。
◆まとめ(のような)
長くなってしまいましたのでまとめについては、次回とさせていただきます。読んでいただきありがとうございました。