健康について第6回【実践編】(1) こんなときだからできること。
お世話になります。龍澤と申します。
今回は、今の情勢に見合った、健康的生活へのシフトについてさらっと書きます(今回は、首都圏の直接被災していない地域向けになりますのでご了承ください)。
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計画停電や、物資食料の流通の遅滞など、今私たちを取り巻く特殊な状況は「健康的生活」へシフトする大きなチャンスです。まず、このような状況をネガティブにとらえずチャンスととらえたほうがよいですね。
私たちが精神的健康を「取り戻す」ために。私たちはマスコミから、ネガティブな情報をインプットしすぎました。起こった事実だけでもひとりひとりの個人では抱えきれないぐらいの重みがあるのに、さらに各マスメディアの恣意的な、悪意を秘めた「煽り」がその倍ぐらい付加され、超巨大な「情報津波」が私たちを襲いました。そして我々はそれをただ受け止めるしかなかった。
ビジネス・チャンスととらえるのは、まるで火事場泥棒のようでちとイヤらしいですが、自分の生活を向上させるチャンスと考えるのはOKかと思います。
たとえば、生活の向上のひとつの例ですが、ひとりひとりが節電に耐えられる身体をつくっておけば、もうこれ以上日本に原発をつくる必要はないわけです。それもひとつの、ニッポン復興の手助けであるといえるでしょう。
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今、「しーんとした時間」をつくるまたとないチャンスです。ぜひ、意識して「しーんとした時間」をつくっていただきたいと思います。
何か考えるもよし、雑念にとらわれるもよし、ここぞとばかり寝てしまうもよし。。
それができたならば、それを継続していただければと思います。毎日、少しの時間でもよいので、「しーんとした時間」を意識して自分に用意してあげる必要があります。
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「しーんとした時間」をつくるということに意味なんてあんの?
と考える方もいると思いますが、意味は、あります。それをまともに書き始めるとかなり長くなるので、かいつまんで説明します。
いわゆる「仕事」というのは、とても乱暴に定義すれば個々の、あるいはチームの、組織のアウトプットの品質を競う場だと思います。
アウトプットの品質を上げるためには、良質なインプットが絶対に必須なのですが、私たちの業界では昨今、インプットがたいへんないがしろにされています。
インプットの時間は、おそらく、多くの企業においてはビジネスアワーには認められていないと思います。本当は、インプットとアウトプットあわせて「仕事」であるはずなのですが、そのように理解している企業は、とくにこの「IT業界」においては皆無であるといってよいでしょう。
仮に理解があったとしても、「自己研鑽」(「自己責任」をうまくすりかえた言葉)のひとことで終わりでしょう。
たとえば、この業界の経営層はよく、社員へのメッセージとして「エンジニアは本を読め」といいます。(ここ数年特に、エンジニアをゼネラリスト化させる企みの一環として、盛んにいわれるようになりました)
ですがもちろん、勤務時間中に本を読めるわけもなく。。
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そして、アウトプットとインプットの間に、インプットを咀嚼してアウトプットへ変換するための「良質な時間」が、これも絶対に必要なのです。
それが、「しーんとした時間」とニアリイコールと考えていただいてかまいません。
時間が「良質」となる必要条件は、身心ともに「静か」になれることです。「リラックス」という言葉におきかえてもよいでしょう。「しーんとした時間」というのは、身心をリラックスした状態に移行させやすいのです。
インプットを咀嚼してアウトプットに変換する間、はためからみれば「何もしない」わけです。正確にいえば「脳に任す時間」です。いかに自分の「脳」に、最大の生産性でもって働いてもらえるか。ここに私たちの仕事はかかっています。
このような「良質な時間」をつくりだすのは完全に自助努力の範囲であり、自己責任です。(このタスクを企業側に求めてはいけません)
私たち個々の仕事(アウトプット)の品質が上がってゆくかどうかは、(闘ってでも)インプットの時間を確保できるか、また、インプットの品質を上げられるか、そして、自分のために「良質な時間」を確保できるか、の3点にかかっているといっても過言ではありません。
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と、いうわけで、私たちの仕事の品質を上げるために、「しーんとした時間」は必要です。今だけでなくこれからも、仕事を続けているうちは必要です。そしてまさに今、この習慣を形成するチャンスであると考えています。
ちょっとだけ、「健康」と話題が離れたようにみえますが、もともとこの連載の考え方として、私たちが「健康」にならなければならない理由は、仕事の生産性を上げるためであり、逆に仕事の生産性があがれば、相乗効果でますます健康になってゆく、といったん結論づけているので、ベクトルは合っていると思います。