言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

自分の作ったものを見直す人と見直さない人の差

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そういえば以前、スクショに関するコラムを書いたときに「文書で書かれても分からないからスクショ貼る」という意見を見ました。確かにそういうのはありますね。手間が許すのであれば、スクショと文章の両方を残すのがベストです。証跡にしても、雑にスクショだけ取るのではなく、後からでもいいので「○○がXXになっている」とかコメントを入れてくれると分かりやすいです。ただ、作業したあとに記録に目を通す工数を見積もらないという問題もあります。

説明の無い証跡は価値が大幅に下がります。「画面を取っていれば分かりやすいだろう」と思うかもしれませんが、どういう意図で何をやっているという記録も一緒に保存しないと、何の記録なのかが分からなくなります。画像を何の説明もなしに並べると、何を意味しているのか読み取るのはなかなか大変です。また、何となくそれが理解できたとして、説明文が無いと正解か不正解か判断できません。分かりやすい感はありますが、実際は大量の時間を消費してしまいます。

自分の取った証跡を見直すというのは、スキルアップするのに役立ちます。これをやらないと、データを読み解く力が育ちません。また、人のとった証跡を見直すのもスキルアップに有効です。実際にやってみるとわかりますが、過去の証跡を見直して「分かりにくいな」と思ったら改善方法を考えます。なので、証跡の取り方が変わってくるのは当然です。「言われたから」という理由で、単にExcelに画像を張り付けているだけでは、証跡としての意味を成しません。

まず、ここまでが前提です。単に言われたまま動いている人と、自分の取った証跡を見直す人とでは、スクリーンショット一枚に対する考え方は大きく変わります。ここまでは証跡の話ですが、手順書でも同様です。自分の作ったものを見直す人と、何も考えずに使いまわす人とでは、大きく視点が違ってきます。逆に言うと、スクショを取る意図や方針を聞くと、おおよそ相手のレベルに察しがついてしまいます。目的や意図は、ドキュメントの質と直結します。

SESで仕事をしていると、知らない人の作ったドキュメントを読み直すことが多くなります。実はこれが大きなチャンスだったりします。知らない人の書いたドキュメントを、どうすれば分かりやすくなるか、内容を読み解いてまとめ直すと、色々な学びがあります。慣れてくると、ドキュメントを読み解くことで、そのプロジェクトが炎上するポイントを見極められるようになります。直接的な技術も大事ですが、ドキュメントの読み解き方というのも、覚えておくとすごく役にたちます。

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