言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

スピードより質だ。

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賛成してもつまらないので、勝ち逃げ先生さんのコラムと真っ向から反対の観点から意見を唱えてみようと思いました。

スピードより質を追求するべき理由は簡単です。

「バカほど急ぐ。」

この一言に尽きます。能力の無い人は、納期を突き付けられると不安になります。そして焦って急ぎます。焦ると思考がまとまらなくなるので、さらに失敗しやすくなります。そういう人の後追いや追従でスピードを優先しても何の利益もありません。

勝ち逃げ先生さんのコラムを読むと、アウトプットを早い段階に出すというアプローチが書かれています。ただこれは、仕事量/時間の計算で速度が上がる方法ではありません。私は、業務フローの質の改善ではないかと思いました。現代社会において、仕事量/時間で仕事のスピードを追求しても、既に限界が来ていると思います。スピードを求めるなら、必然的に仕事の質を上げて実現していくものかと思います。

では、仕事の質とは何でしょうか。私はコンセプトに対しての実現度だと考えています。コンセプトを実現できれば、質が高いと判断できます。ただし、コンセプトがニーズに合っているかは話が別です。的確にニーズを把握して、コンセプトにかみ合わせて実現していくことで、仕事の質は上がります。漠然と質を語る人は、出た結果に対して後からコンセプトを付けます。なので「質って何?」という話になり結論がまとまりません。

仕事の質が上がると、結果/時間で計算するアウトプットが増えます。簡単に言えば、短時間で結果が出るようになります。私はこれをもって仕事のスピードと考えるので、仕事のスピードと質は密接にかみ合っていると思います。つまり、質を上げれば勝手にスピードが上がるということです。勝ち逃げ先生さんの言う「質よりスピードを優先すべき」は、結果/時間で計算するアウトプットを増やすというコンセプトだと考えると、筋が通ります。

スピードを優先するとか質を優先するという話は、スキルを磨く際のコンセプトの話だと考えています。いざ仕事を目の前にしても、自分の持てる手段しか使えません。スピードを追求したいなら、スピードを出すための手段をそろえておく必要があり、質を追求したければ質を追求するための手段が必要になります。何の手段もそろえずに「質よりスピード」と言っているようでは、既に手遅れです。そして、仕事の質も低くなります。

Comment(2)

コメント

なんなんし

勝ち逃げ先生さんは客観的スピード
Horsさんは主観的スピードかなと

通りすがり

難しい課題ですよね。
全体最適で考えれば質を上げると「最終的に」時間当たりの出力が増えることになり、スピードが上がったと言えるのですが、経営層が求めるのは初回アウトプットの速さなんですよね。
質を上げる努力をしている分、「初回に限って言えば」ただテキトーに作って闇雲にアウトプットする作り方より遅く見えます。

経営層もバカではありませんから、理屈では分かっているんですよ。しっかり作りこめば後が楽になることくらい。
彼らが求めるのは「旬を逃さないこと」であって、タイムリーに初回リリースが出来るなら何でもいいんです。
しかし、ほとんどの技術者は機会損失について考えません。良いものを作ること「だけ」にプライドを持っています。
どんなに良いものを作っても旬を逃せば売れないんです。(機能安全など、一部の業種は除く)


そういう意味で、「マーケットのライフサイクルに適した、妥当な時間の掛け方」というものがあると考えています。

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