言語の歴史は人類の歴史。そして人類はコンピュータを言語で動かすようになった。

話の筋は通っているようだが、何故かアウトプットがデタラメになる。

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こういうタイプの方はいないでしょうか。資料や成果物を持ってきても、そっちのけで議論に夢中になる人です。こういう人の議論は、一見正しいことを言っているように聞こえます。ただし、当を得ていても議論すべきポイントを間違えていることが多いです。もってきた資料や成果物に対して何らかのアウトプットを出さなければいけない場面で、自分の思考でしかものを言わない訳です。言葉が当を得ていても、アウトプットされる結果はデタラメになってしまいます。

仕事をしていると、このような事例をよく見かけます。一般的には、「理論的に考えることで正解にたどり着ける」と考える人が多いです。確かに、その感覚でいえば資料や成果物でない議論をすることの理由も分かります。ただ、何の情報も無しに議論をするのは、材料が無いのに家を建てるようなものです。また、目的を見失った議論は、仕様書のないシステム構築と同じです。自戒も込めてですが、まずアウトプットには目を通してから話すのが良さそうです。

どんなに頭の良い人でも、正しいデータ無しでは質の高いアウトプットは出せません。多くのプロジェクトで見かけるのは、データを集めないで人の発言で判断することだ。これをやることで、統計的に判断しなければならない課題に対して、選挙で結果を決めるような状態になります。それぞれの納得のいく結論は出せるかもしれないが、それぞれの納得がいく成果は出せない。納得のいく結論が成果を出せる条件ではないです。それを勘違いしていると、正しい手続きを踏んでいるはずなのにプロジェクトが失敗するというように見えてしまいます。

データと同じくらい大事なのが能力です。「頭が悪いからデタラメなアウトプットしか出せないんだ!」ということになりますが、その通りです。データがあったとしても、データを読み解く力が無ければ役に立ちません。結果として、データに基づかないアウトプットが出されます。ただ気を付けておきたいのが、基盤になるデータが不正確だと、どんなに頭の良い人が頑張ってもアウトプットはデタラメになります。

ただ、高度なデータを読み解ける優秀な人材を集めればいいかというと、そういう訳ではありません。簡単な情報から積み上げていけば良いのです。多くのプトジェクトでは、進捗を急ぐがあまりデータが二の次になる傾向が強いです。確実にできるところから積み重ねていけばいいのに、一段飛ばしでプロセスを進めたがります。「納期に必ず間に合わせる!」という筋は通りますが、プロセスを飛ばすので、アウトプットはデタラメになります。まともなアウトプットを出すのに一番大事なのは、急かさないことなのかもしれません。

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