技術を知らない人への伝え方
技術的な話を伝えるとき、分り易く説明すれば必ず理解できると思いこんでいないでしょうか。どんなに説明がうまくても相手に能力が無ければ理解できません。相手が理解できないのを自分のせいのように背負い込む人をよく見かけます。原因は相手にあるのに自分のせいだと思うのは、美徳になっても正しく状況を把握していることにはなりません。
そういう美徳に酔いしれるより、相手のレベルを見極めましょう。相手が何者であっても、面と面を付き合わせた時点で対等です。立場が上だからといって相手の知能が上がることはありません。相手が総理大臣でも知らないことは知りません。
相手に正しく伝えきれなかったことを自分に原因があると考えるのはいいです。問題は、そこから思考が停止していないかということです。同様に相手にも原因はあります。理解する気があるかないか、勘違いしているのか根本的に知らないのか、そういうことは分かるはずです。それによって次の行動をどうするか決めるのが賢明です。
「○○すれば伝わる」と前向きに考えるのは大事です。しかし、本当のところはどうでしょう。伝わっても納得しないということもありますし、納得したように見えてスルーされていることもあります。相手の思い込みが強くて事実が伝わっても否定されていることや、情報の多さや世界観に脳みそがついていけないということもあります。話した内容だけなら意外と伝わっています。ただ、想定した反応をするかどうかは別です。
伝わったか伝わっていないかで一喜一憂するより、徹底的に相手を観察しましょう。伝わった、伝わっていないという単純な二択ではなく、非常に多くのパターンがあります。技術を知らない人に技術的な話をするのは難しいです。しかし、必ず伝わった部分と伝わらなかった部分の両方があるはずです。それを見極めていけば、必ず次のアクションへと繋がっていくでしょう。