【番外編2】今の私だから伝えられることば【第36回】
ありがとうございます。平岡麻奈です。先日、新入社員の方へ講話を行う機会を頂きました。たかが数年しか働いていない私になにが話せるのだろうと感じましたが、この少ない社会人生活の中でも、沢山の素晴らしい出会いから、学んだ知識は多くあります。ここは逃げずに胸を張って、吸収した知識を自分の言葉で伝えよう!と思いました。前回に引き続き番外編となりますが、少し内容に編集をかけ、文字起こしを行い、今回のコラムをお送り致します。また、前回のセミナーで学んだことも沢山盛り込んだ内容になっています。キラキラした眼差しに圧倒され、私自身も気持ち新たになりました。春という季節はやはりいいものです。新しい風が吹き、これからの未来に夢を乗せて。
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みなさん、この度は就職おめでとうございます。やっとこの日を待ち望んでいた方や、ついにこの日が来てしまったと思っている方、色々な方がいるのではないでしょうか。とてもフレッシュな皆さんと、このような形でお会いできたことをとても嬉しく感じています。
本日は、皆さんの生きている中での大切な1時間を頂いているという思いでお話させて頂きます。私だけの1時間ではなく、皆さんにとっての貴重な1時間でもありますので、私だけが伝えたいこと、知っておいて欲しいことだけをお話するつもりはございません。事前に、皆さんのプロフィールを拝見していまして、順次ご質問もさせて頂きたいなと考えています。お互いのコミュニケーションを行い、いかに【共感】するところを見つけられるかが大切です。仕事の話が主にはなりますが、生きている中の【仕事】をする時間だけに特化して話すことはありません。【仕事】の枠を飛び越えた、今の私だから伝えられることを伝えて、そして、皆さんの気持ちもリンクさせ、この1時間がなにかのきっかけになることを願っています。では、始めさせて頂きます。宜しくお願い致します。
ざっくりですが、私の自己紹介をさせて頂きます。
私は大阪の貝塚という場所で生まれ、岸和田で育ちました。これを聞いただけだと、どっぷり南大阪なので、親近感を湧いてもらえた方がいたり、地名は知ってるけど、どういうところか具体的には知らないという方もいらっしゃると思います。実際に行かれたことがない方は、おそらくこんな場所だろうなというイメージが巡ってるのではないでしょうか。今年度の入社の方は、リモートの面接が主流となり、色々な地域の方が幅広く来て頂いているとお聞きしてます。どういうイメージでしょうか。
よく私も想像します。あるひとフレーズを聞いて、これって危なくないですか?とか、うまくいきますか?美味しいですか?まずいですか?将来に役立ちますか?無駄じゃないですか?とか。予防線を張ろうとしてしまうことに関しては、良くも悪くも私の性格かもしれません。なにも心配ごとなく、色々判断できるようになりたいとも思いますが、人生そう簡単にはいかないような気がします。
高校までは大阪から出ることなく、大学からは神戸の大学に通うことになりました。暮らす環境も、関わる人たちもガラッと変わる。そうすると、あ、こんな世界があったのか!とか、色々な発見があります。実際に、皆さんも経験されてきたことを私も同じように歩んできました。私達は、人それぞれ住む世界が違います。その世界で生きていく術を身につける努力をする。どの世界、業界でも同じことではないでしょうか。
自己紹介を続けます。私は理工学部出身です。これを伝えると、決まってされる質問があります。さて、それはなんでしょうか。
正解は、どうして理工学部で学んだことを活かさないんですか?です。幾度と無くこの質問に答えてきました。曖昧に答えたり、質問する相手が期待するようなことを敢えて答えることもありました。きっと理想としていた会社に就職出来なかったんだろう、途中で諦めたんだろう。理系に進まなかったこともあり、実際に学んだことを100%活かしているとは思っていません。皆さんも今、実際に感じていたりしませんか。
私が思うことですが、その時に選択した理由を語れるかどうかより、選択した後にどれほど、その選択に意味を持たせられるかが、大事だと考えます。
過去にやってきたことを活かさないといけないと誰が決めたのでしょうか。それよりも、生きる意味を見出せる場所に身を置くことが出来ていることを誇りに思います。実際私は、理系を活かさず就職をしたことに引け目を感じていたことは事実です。けれど、それは月日というものが解決してくれます。実際に結婚をして退職する、見合った仕事でないと転職する、卒業してからも色とりどりの人生があります。また、居心地が良い環境で、なんとなく仕事を続けているうちに数年経つような、同じ職場でずっといるということ自体が褒められてしまう時代にもなっています。今この瞬間で評価の高いものが、これからも続くかどうかは未知ですが、評価を高く保てるよう、継続させる努力をすることは可能です。
さて、これからは私が就職してからの話をします。2013年4月入社、私は皆さんと同じように研修を受けました。実際のところ、将来こうなりたい!という夢はありませんでした。なかなか20代で人生のビジョンを描けるかどうかって難しいと思います。理想を描くことも大切ですが、これよりも大事なことは視野を大きく持つことです。これから先、こんなはずじゃなかった、理想とは違った、なんてことは多々あります。それは理想通りでなかった事実が悪いのでしょうか、裏切られたと思うことが正しいのでしょうか。
少し難しい質問をしますが、沢山の答えがあっていい質問です。【仕事】とはなんでしょうか。
私が思う【仕事】とは、現実と理想の差を埋めることです。みんな、理想とのギャップを埋める為に磨きます。仕事だけではないです、体を鍛えて綺麗になりたい、体重を減らしたい、みんな今の自分が理想から劣っていると認めてからがスタートです。
よく履歴書に書いていた言葉は、「自分の可能性を狭めることなく挑戦したい」。今思えば、自信を持てるものが無かったから、強がって書いていたんだと思います。私には履歴書に書けるような、例えばなにかの大会で優勝したなり、すごいと思われるような成功体験は無かった。だけど、それはまだ自分に伸びしろがあるだけで、可能性がある!だから挑戦させてくださいと。そうやって自分を売り込んでいました。たかがホームページや、ネット検索で知り得る情報なんて知れています。そこで業界に精通しているような素振りをしても見抜かれるわけです。相手はプロで、その道何十年と経験している、良いところも悪いところも知っている。無知な状態の人が、総合された部分、また改善に改善を重ねた【今】を見るだけでは何も理解することは出来ません。
こういう考え方は、昔からではありません。経験したから、先程のような考え方が【身についた】に過ぎません。私の社会人生活は、一旦2年間で区切りをつけます。退職です。私は25歳の時に一度退職しています。
実際に、私は転職して化粧品販売していました。昔から化粧品なり、美容にお金をかけることが好きで、まさに【好きを仕事】にしたかったわけです。よく仕事を選ぶ上で、好きを仕事にしていいか?ということも悩むと思います。
皆さんはどのような基準で就活をしていましたか。【好きを仕事】にすることが出来るのは、その【好き】という感情に責任を持ち、お客様からお金を頂けるレベルにまで到達出来るのか、というところです。退職した私の気持ちは浅はかでした。自分自身の【好き】に重みは無く、責任を負えなかった。深く言えば、自社化粧品すらも愛せなくなっていました。これは確実に過去の経験から、【私は美容関係が向いているに違いない】という誤解から生まれたものです。
新卒から働いて2年。その程度働いたぐらいではなにも分かりません。けれど毎日忙しくしていると、まるで全てを知ったかのように思え、態度が傲慢になったり、簡単と感じる仕事は手を抜くようになるわけです。それに加えて【好きを仕事】にしたくなる衝動で飛び出した。そんな自分勝手な行動を行った私に、一本の電話がありました。
事業拡大により人員が必要な為、出戻りしないか?という連絡でした。正直、未練がありました。なにも社会人としてやり遂げていない自分の居場所を見つけるために苦労をし、飛び出したものの不安が募る日々。自然とやり直したいという気持ちが強くなっていました。
簡単な自己紹介では、事業拡大の連絡が来て、出戻る決意をする。そして色々な部署を経て今に至る。となるのですが、今話したエピソードにはもう少し中身が深いものがあり、実際は、もっと辛いものでした。その連絡を受けてから、気持ちが揺らいだ状態で、化粧品販売をしている時、急に本社に呼び出されました。東京本社です。全国にあるので、新宿の店舗に少しヘルプをしてから本社へ来てくださいと連絡。自分自身は東京出張だ!となんだか意気込むわけです。そこでどんでん返し。やっぱり気づく人は気づいていた。これから広めていこうとしている自社製品を愛せていないこと、それが接客に、態度に出ている。悪く言えば迷惑だということです。ここで私は、元居た居場所に帰り、もう一度会社を【愛そう】と決めた、もう一度やり直せるならと、再入社を決めました。
出戻りしてから、色々な部署を経験して今に至ります。知らぬうちに、私は会社の目指す方向と、私の夢が一緒になっていました。ほかにもキラキラした夢があるかもしれませんし、自分を探す旅なんかに出てしまえば、良い具合に新しい夢が見つかるかもしれません。けれど、曖昧な判断ならおすすめしませんし、逃げる手段で、夢を別に作り上げることは時間の無駄です。今存在することの出来る、頑張れば自分の価値を高められる場所に身を置いたなら、高める努力をするほうが、何倍も生きている意味を見出すことができます。自分探しの旅には、揺るぎない自信と武器、そして後ろを振り向かない決意が必要だと感じました。
まだ現場に出ていない状態なら尚更、色々仕事について思い描いたりしていると思います。研修を行う上でも色々想像していると思います。けれど、実際に予想が的中するかどうかはわからなかったりします。例えば10年前の今日。皆さん何をしていましたか。誰と遊んで、誰を好きになり、嫌いになり、何を食べ、夢を抱き、少しは悪いことも考えてみたり、隠したい秘密のひとつやふたつはあったかもしれません。10年後のことを確実に想像できないし、また、10年前を思い出すことも簡単ではありません。
生きていく中で、仕事とプライベートを分けたいと考えるかもしれません。けれど、それはあくまでも時間や行動で区切っているだけに過ぎないことです。オンオフは大切ですが、お互いに引き合っていると理解していれば、気持ちは楽になります。どちらの自分も自分。どちらかに逃げてもいいんです。仕事がうまくいかない時はプライベートを充実させてみる、プライベートで嫌なことがあったら仕事に没頭してみるとか。そうするとバランスが自然と保たれてくる、意外と両立ってこういうことかなと思います。
未来への期待と不安、これはいつも行ったり来たりしている感情です。期待しすぎる不安っていうものもある気がします。どうにもならない過去への原因追求もしたくなるし、これからの未来の予測もしたくなる。コロナ禍でのこれから、今の選択は正しいのか。ひとつひとつ私達は選択をして生きています。私も、皆さんも一緒です。今日ここに来る選択をしたからここにいる。投げ出すことも出来るけれど、ここに来る選択をしている自分自身にまず、頑張ってるなと褒めてあげていいと思います。
また、自分1人で人生を歩んでいると思いがちですが、誰かと関わり合いながら生きているならば、その相手の人生にも関わっていることを忘れないでください。それが敵か味方か、命の恩人か、運命の人か、人生の役割は自分が決めるものです。命の恩人になりたいならそのように振る舞う、そして影響を与える人になりたいなら、影響を与えられるくらい努力すればいいだけです。学生から社会人を、まるで大きなイベントのように感じますが、【生きている】ことに変わりはありません。働いてからも学生のように学び続ける人もいれば、学生のうちから社会人のように人脈を広げたり、お金を稼ぐ人がいます。なので、まず焦ることはないし、不安になることはない。
大きな違いが明確なのは、お金を頂く関係性が増えることです。働いてお金を頂き、責任感が生まれる、世界がお金をあらゆる評価の物差しにしているのなら、それを理解しないといけないわけです。わたしが学生の頃、どうして給与に差があるのか、不思議だったんです。頑張って長時間仕事をしていても給料が低い人もいれば、自分のやりたいことを大切にしながらも、給料が高い人がいる、なぜなんだと。
学生の頃の私は、ひとつ答えを見つけました。10年も前になるので、どの本に書いていたか思い出せないのですが、【自分以外に、その他の多くの人たちを笑顔に出来る力が大きい人ほど給料が高い】という法則があると。これは今でも覚えています。例えば、自己満足で作った今の自分を描いた即興の曲より、みんなのためを思った曲の方が伝わるし、共感される。これから働く上で細かく指導を受ける、なぜか?それは【共感】を増やすため、自己満足の世界にいさせないためです。
僕は仕事ができる、私は要領がいい、かもしれないけれど、更にその自信に説得力を持たせるために勉強はしていかなければなりません。仲間内で【仕事】をしてるんじゃない、今日初めてお会いする方にも共感してもらい、応援してもらうための術を学ばないといけないのです。大事なフレーズ、【共感】。これを軸としてください。
最近では【共感】は身近ですよね。いいね!を押したり、シェアしたり。この波動は強力です。【共感】は時に猛威を奮い、マイナスの方向に向く時もあります。道具も使いようです、誰も幸せにならない、マイナスだけが生まれる【共感】は息が浅いことも理解しておく必要があります。
お時間もあと少しになりましたので、皆さんにこれから、必ずお伝えしたかったことを今からお話します。
私達は、今この時間も、着々と【死】に近づいてます。永遠はありません。必ず終わります。自殺や病気、事故で、なんであの人が?という死のニュースを聞いたりすることもあるでしょう。私達は、勝手に人生は80年くらいあるだろうと鷹を括っていますが、私はこの後帰りの電車で死んでしまうかもしれませんし、後数年しか生きられない病気にかかっていることを、今知らないだけかもしれません。何を言いたいか。もっと自分には可能性があるから色々なことがしたいと思ったり、これから過ごしていけば欲も沢山出てくるでしょう。それは、これから先長く生きていけると保証され、初めて叶うことです。元気に生きているうちに【死】を意識すれば、色々な可能性にも限りがあることに気づきます。【死ぬ】為に生きているんですか?となるかもしれませんが、それは正解でもあります。是非、限りがあることを心に留めて【生きて】ください。
また、先ほど一度退職して出戻りした話をしました。その出戻りをした頃から、仕事や人生において相談に乗って頂いたり、叱って頂いたり、私の恩師といえる方との出会いがありました。皆さんにも、この人の言うことは正しい、この人が求めるなら頑張れる!ということはないですか?偏った見解でも大丈夫です。みんな個人の意見は偏ってます。偏ってることを理解しながら、お互いの偏りを調和させる努力をするか、しないかだけのことです。
やりたいことも分からず、ただ人生これじゃダメだと感じた時に、そのような出会いがありました。このような存在の方を【メンター】、良き指導者、助言者、恩師といいます。皆さんも、自分自身の【メンター】を見つけてください。この人のようになりたい、近づきたい、この人から学びたい。なんでも結構です。それだけでも人生は楽しくなります。
最後に。
こうして就職してくれてありがとうございます。働く場所や環境、職種は違っても仲間です。平岡と話がしたいと急に連絡してくれても大丈夫です。そうやって思ってもらえるように私は努力します。フレッシュな皆さんともっと仲良くなりたい、1時間、ありがとうございました。
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