疲れた身体と心に響く書籍をご紹介

書籍「中小ものづくり企業のデジタル革新」を読んでみた。ものづくりの未来は、IT技術と共にあり!【第14回】

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あけましておめでとうございます。平岡麻奈です。年末年始はいかがお過ごしでしょうか。私は例年仕事をしているのですが、元旦のみがお休みで、2日から通常営業されるお店も増えてきたように感じます。空港となれば、年末年始こそ忙しい時期です。有難いことに、空港内の店舗は時期に構わず通常営業。誰かが休む時は誰かが仕事をしていると改めて感じます。新しい年に入り心機一転、今年も宜しくお願い致します。

本屋に出向けば、「これからの日本」や「2020年」をキーワードにした書籍が多く見受けられ、前向きな書籍が多く並んでいるとワクワクした気持ちになります。皆様は、なにか新しいことを始めてみたい、あるいは今年こそやり遂げたいということはありますでしょうか。私は「英語」への苦手克服です。仕事で英語を話す機会が多いこともありますが、意思疎通を行う幅が広げたいことが目的です。「英語を話せますか。」と聞かれても、どの程理解していれば「話せる」と言えるのかも不安であり、尚且つ自ら「英語」を発することを躊躇うこともあります。ですが、IT業界にまつわる書籍を手に取れば、海外のIT技術の発展を題材にした書籍も多く見受けられ、おのずと、苦手意識として逃げてきた自分に気づくきっかけとなりました。日本だけにとどまらず、海外を視野に入れた働き方にも興味を抱くこと、それは今の日本を見つめ直すことにも繋がります。エンジニアライフコラム「平岡麻奈のちょっと一息」の第14回は『ものづくり』をテーマに「海外勢との熾烈な戦いにどう勝つべきか」と悩む製造業のデジタル化についての徹底解説、『ものづくり』の未来への革新に関する1冊をご紹介します。

デジタル革新.jpg★中小ものづくり企業のデジタル革新★
【著】多田 憲生

https://www.amazon.co.jp/dp/434492603X/

製造業が直面している問題は「人材難」、具体的には人手不足と後継者不足です。この問題により懸念されるのは「生産性と製品の品質の低下」であり、十分な技術人材を確保できない状態が続いたのちに定年を迎えた方が退職、従来どおりの生産体制が維持できなくなっていることが現状です。また、事業承継にも悪影響をもたらします。日本の『ものづくり』が人材難に苦しむ一方で、世界では新たな技術革新に向けた動きが着々と進んでいます。

本書では、海外がどのように技術革新を行っているかを知り、日本での取り組みの見直しを提案しています。多くの企業が「過去に成功した事例があるのだから、それを繰り返していればよい」と前例主義に縛られ、新しいものを生み出そうとするチャレンジ精神が不足しています。その為著者は、短期的な自身の収益しか考えず、顧客の立場で考えるというものづくりの本質をないがしろにしている現状により、「ものづくりの初心を見失った日本企業は、世界の消費者や市場から見捨てられてしますのか」と危惧感を抱いています。

世界では「第四次産業革命(人工知能やビックデータなどによる技術革新)」が進むことにより、新たな付加価値が生まれ、そして生産性の効率性が飛躍的に向上しています。本書では、現在日本が直面している危機を克服する為、従来のものづくりのありかたを見直し、製造現場の「デジタル化」が有効であると示されています。デジタル化を進めていく上で、「ITはあくまでもツールに過ぎない」ことを意識し、「なんらかの課題、問題がある、それをITという道具を使って解決」するだけのことと、シンプルに捉える必要があります。ITの発達により過去に解決できなかった課題も解決可能になる、結果、「できなかった」という前提条件が崩れることによる「ITを使えば行えることの選択肢が増える」認識を持つことが出来ます。

デジタル化に取り組む上では、このIT人材・デジタル人材をどのように確保するかが非常に大きな問題です。本書では、「デジタルに強い組織」を構築するために行うべき人材の選び方・育成、組織づくりのポイントも取り上げられています。「ITをフル活用して新たな製品・技術を生み出すためには、IT人材が能力を最大限に発揮できるだけの創造的な組織と環境を社内に整備する」ことの重要性、そしてデジタル化で可能になることに対し、「実現したいことを、どのように行うのか」という配慮も大切になると示されています。最先端のIT技術導入により、少ない人材でも生産性が高まる方法を知ることが出来る、IT技術の重要さを改めて実感する1冊です。

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