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書籍「美しすぎる『数』の世界」を読んでみた。『数』のふしぎと美しさに魅了される!【第10回】

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皆様、いつもご覧頂きありがとうございます。平岡麻奈です。日常を過ごす中で、規則正しく列を作ったり、順序良く物事を進める時、とても心地良さを感じます。乱雑ではなく、一定のリズムをとりながら、まるで音楽を奏でるようにしなやかである。そのリズムが崩れる時、なにかしらの問題が生じていたりするものですが、そういった問題自体にもリズムがあるものです。そしてそのリズムに「美しさ」をも感じます。この「美しさ」は規則正しい「方式」によるものであり、日常に溶け込んでいます。「方式」と表現すると、「算数」や「数学」といった科目が思い浮かびます。苦手意識があったり、専門分野で無かったとしても、『数』との関係は必要不可欠です。全てが規則正しく並べられた『数』ではなく、買い物での支払額や、会議資料データの『数字』等多岐にわたります。何気なく『数』と共に生きていますが、『数』を意識する生活は少し自由がないようにも感じられます。『数』から自由になることは難しいことですが、『数』から解放された世界では、「美しさ」が消えてしまうかのようにも思います。

「数が美しい」と感じたのは学生時代に遡ります。積分の授業が大好きであったことを記憶していますが、「方式」を利用し問題を解くことが楽しく、「方式」に魅了されていました。試験勉強の為に問題を解くのではなく、面白みや美しさを感じていたからこそ夢中だったのかもしれません。エンジニアライフコラム「平岡麻奈のちょっと一息」の第十回は『数』をテーマに「美しすぎる『数』の世界」を紹介してみようと思います。

美しすぎる数の世界.jpg★美しすぎる「数」の世界★

【著】清水 健一

https://www.amazon.co.jp/dp/4065020360/

数学的な議論の詳細にはあまり立ち入らずに、普段数学に接することのない人にも「数の世界の魅力」を知ってもらえるように構成されています。主に【素数の世界の不思議さと美しさ】が伝えられていますが、本書の魅力のひとつとして、「金子みすゞの詩による日常の世界と数の世界との繋ぎ合わせ」が挙げられます。「数論を勉強し、数の新しい世界を知っていったときの目の前が開けていくような感覚に似ていた」と、著者は金子みすゞの詩との出会いに感銘を受けています。「金子みすゞの詩をモチーフにして数の世界を語る」ことにより、『数』のふしぎと美しさを感じとる「『数論の魅力』の解説書」である本書が生まれました。

多くの法則や公式が本書では紹介されていますが、その中で私が最も魅力を感じたひとつが「ライプニッツの公式」です。この公式は「奇数の逆数を符号を交互に変えながら加えていくと、円周率πが現れるふしぎな式」として紹介されています。すべての奇数がお互いを支え合い、一丸となった結果、そこに【π/4】が生まれるという「美しい公式」です。そして、数の世界に存在する「ライプニッツの公式」と日常の世界を繋ぎ合わせた金子みすゞの詩を紹介します

【こだまでしょうか】

「あそぼう」って いうと
「あすぼう」って いう。

「ばか」って いうと
「ばか」って いう。

「もうあすばない」って いうと
「あすばない」って いう。

そうして、あとで
さみしくなって、

「ごめんね」って いうと
「ごめんね」って いう。

こだまでしょうか、
いいえ、だれでも。
(6.2 個々のものが出会う力)P.113

「人々が悲しみと苦しみを受けとり、自分に何ができるだろうかと考え、自身にできる形で応えていくことの必要性、大切さ」を表す詩です。また、東日本大震災の後、テレビで繰り返し流れていた詩でもあります。誰もが協力し合い、一丸となり復興を実現する呼びかけは、数論の世界で全ての『数』が一丸となってひとつの『数』を作りあげている「ライプニッツの公式」との重なりを感じます。個々の『数』と『人々』は、お互いに深い繋がりを持ち合わせています。このことにより、協力し合うことで生まれる力の大切さは、「人の世界でも数の世界でも同じ」であることが示されています。

日常で『数』と共に生きている中で、『数』に関しての魅力を知ることが出来れば、より一層『数』と向き合えるようになります。「数の世界のふしぎと美しさ、そしてその背後に豊かな数学の世界が広がっていること」を感じ取ることの出来る、『数』の魅力あふれる1冊です。

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