問題解決しようぜ!!2 情報処理技術者試験対策編1
書き溜めしていきたいなぁと仕込んでいます。公開間違えて初回と同時に2回目公開しちゃってあわてて設定しなおしてきました。吹越です。
事前投稿の書き溜めどんどんしていきたい所存です。
前回は問題解決についての概説をしたわけですが、問題解決の具体的手法においては情報処理技術者試験のストラテジ系・マネジメント系でも出題されるためそちらの問題を紹介しながら解説しようと思います。
おまけ知識 情報処理技術者試験とITSS
まず「情報処理技術者試験」ですが、これは「独立行政法人 情報処理推進機構(https://www.jitec.ipa.go.jp/ )」が実施している国家資格になります。受験のための条件はありません。誰でもどのレベルからでも受験可能です。
ITSS(https://ja.wikipedia.org/wiki/IT%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%AB%E6%A8%99%E6%BA%96 )というエンジニアのスキルに合わせて「このくらいの能力を期待されるリスト」があり、エンジニアとしてのレベルを1-7まで規定していて、情報処理技術者試験はレベル1-4に対応する範囲の試験になります。
ちなみに吹越は応用情報処理技術者(レベル3)までしか取得できてません。レベル4は何回か受験して落ちてます。まぁ勉強中デスワ。
勉強会に参加くださってる方のほうが先にレベル4を2種類取ってるのでアドバイスくらいはしますけどねw
で、レベル1のITパスポートはぶっちゃけ全高校生がとってほしい程度には基礎知識枠ですね。 と思ってるんですが左記の発言を情報科の先生方が集まる場にて主張したところ「あれは一部のもの好きが取るもの」と返されましたがw。
同じような主張してるブログはちょいちょい見つけますね。これとか。
ITパスポートを全社員に取らせるべき3つの理由
https://aircourse.com/jinsapo/why-employees-should-have-itpassport1.html?utm_source=manegy
まぁ持ってるとパソコンにちょっと詳しい人程度には見てもらえると思います。
情報処理技術者試験で出てくる問題解決手法とその問題
QC7つ道具
情報だったり物品の品質管理(Quality Control)のために利用される以下の7種の図のことを指す。レベル1のITパスポートレベルでも「QC7つ道具に入っていないものを選びなさい」みたいな問題は出ないので、それぞれの図の読み方をしっかり習得するほうが吉。
- 特性要因図
リニアな問題の認知4.問題理解に分類される。
別名フィッシュボーン図・フィッシュボーンチャート。どのような図になるかは「特性要因図」でググること。
- 散布図
リニアな解決案の探求1.解の探求 に分類するものかなと個人的には思っている(原著に記載なし)。
2つの変数を持つデータをx軸、y軸が対応するように平面上に描いたもの。
関数的な形に並ぶか、完全にバラバラかで相関がある、ないという。実は散布図の書き方は中学1年生の数学学習指導要領範囲なので社会人はせめてExcelで作図できるようになっておくべし。
それぞれの点からの距離が最も小さい直線を統計的に求めることがあり、これを回帰直線という。が、とりあえず直線引いてみた、とかやると永劫馬鹿にされることになります。(https://togetter.com/li/738694 など。)
なお、このアホグラフは2014年の話だが、2018年くらいに雑談でエンジニア仲間(三十路以上の方々)に見せたところ「何が悪いのかわからない」と言われて愕然としたことがある。クソグラフ対策は2学期編(2021年4月以降予定)でやります。
6年経ってもこれより新しいクソグラフネタがぱっと思いつかなかったからある意味新聞社もまともになったといえなくもないのか?←既存の大手メディアに対する猜疑心が強い
Excelでの図の弾き方、回帰直線の求め方などは「Excel 回帰直線」などでググること。
- パレート図(ABC分析とセット)
サーキュラーな結果の吟味1.結果の検証に分類すると良いかなと思っている(原著に記載なし)。
棒グラフ(降順)と折れ線グラフ(累積なので右上がり)で表現する。主に売り上げなどを例にして作図される。
ABC分析はパレート図を作成したとき、売り上げの高い順にA群(ほっといても売れる定番商品)、B群(あるなしで店を変えて探す程度には珍しい商品)、C群(ほとんど売れない)に分類し、どこに力を置くべきかを分析する。
- ヒストグラム
サーキュラーな結果の吟味1.結果の検証に分類すると良いかなと思ってる。
データをいくつかの区分に分類してデータの個数を棒グラフにしたもの。ヒストグラムの作成も中学1年生数学の統計学の範囲。ヒストグラムから平均値・中央値・最頻値を求めるくらいは中学生の範囲になってる。
- 管理図
サーキュラーな結果の吟味1.結果の検証に分類すると良いかなと思ってる。
サンプル調査もしくは全数調査を行い、基準値からのずれを記録していくことで明らかな異常個体を検知することを目的とする手法。ヒストグラムにすると正規分布になるような工業製品で一定より大きすぎる、小さすぎる個体の排除などに利用する。(この場合基準値は平均値)
- チェックシート
サーキュラーな解決策の実行2.実行計画でチェックシートの作成、進行管理にてチェックシートの利用かな。
作業項目・チェック項目を上から順に実施していくことで抜け漏れを回避する。アスペルガー特性持ちの敵。世の中、何度言ってもチェックリスト読めない人がいるんだよなぁ...そして現場を知らない人がチェックシートを作成するとこうなる。https://twitter.com/karaage_rutsubo/status/1274115755487813632
- 層別
サーキュラーな結果の吟味1.結果の検証に分類すると良いかなと思ってる。
データや調査結果をグループに分けて分析し、グループごとの特性を明らかにする。散布図書いたらグループで偏ってるとかでわかる。
ここらでQC7つ道具に関する過去問を紹介しよう。
ITパスポート平成23年度特別 問23
ABC分析の説明として適切なものはどれか
(ア) 不具合がどのような原因によって起きているのかなどを、魚の骨に似た図によって系統的に把握する手法
(イ) 二つの変数の間に関係があるかどうかを、収集したデータを用いて解析する手法
(ウ) 母集団からサンプルを抜き取って検査を行い、サンプル中の不良個数によって母集団の品質を判定する方法
(エ) 優先的に管理すべき対象を明確にするために、売上金額などの累積構成比をもとに重要度のランク付けを行う手法
※答えはエ。アは特性要因図、イは散布図、ウは管理図の説明。
ITパスポート平成24年秋期 問8
2種類のデータの関係性をあらわすことを目的として用いるものはどれか
(ア) 決定表
(イ) 散布図
(ウ) 特性要因図
(エ) パレート図
※答えはイ
--------------------------------------------
アンサーコラムに追加でアンサーぶち込むコーナー。
- 生き様074. 『すごいエンジニア』について語る
https://el.jibun.atmarkit.co.jp/korezama/2021/01/korezama0074.html
エンジニアカウンセラー白栁隆司様で一言触れていただきました!
学校現場の黒い話もエンジニアとしての黒い話も出しすぎると真っ黒けっけになるので個人的経験はあんまり出さない方向にしたいと思ってますが、教科書に載せられないくらい真っ黒かつ具体例の提示はしたいとおもいます。(今回の散布図やチェックシートのお話トカネ・・・)
- 誰も語らない残酷な問題解決
https://el.jibun.atmarkit.co.jp/horus/2021/01/post_207.html
Horus様が問題解決について触れてくださいました!
SIerの実態について触れてくださっております。吹越も全力で同意です!
ネガティブな情報を受け入れる心の強さを身に着けるの、過酷ですよねぇ...。こう、指摘すると論理的じゃなくて「私のオキモチ大事」とかいうやつが居るとマジ大変・・・。
まぁ情報学的な意味での問題解決ってSIer以外でも使うというか各人が人生で利用してなんぼと思ってるので、吹越側では理想論とか学術面を中心に語ることをやめませんがw
学術的なネタを紹介するのと現実面の紹介は分類が違いますから!
他にもITパスポートレベルでも色々なフレームワークを利用するのだが、記事を分けます。
多分フレームワーク紹介で3くらいまで行くかな?
よろしくお願いいたします。
コメント
ちゃとらん
> ITパスポートはぶっちゃけ全高校生がとってほしい
御意。
散布図はひどいですが、以前『番組内のグラフに「印象操作」 SNS物議で福島テレビが謝罪「体制の不備でした」』というのがありました。
# コメント欄にURL貼るとスパム扱いされるので、皆さんは『』内をググってください。
これは、データは正しいのですが印象操作されているというもので、結論ありきの統計は手を変え品を変え存在しますので、基礎知識は重要です。(ITかどかは疑問ですけど)
チェックシートのお話も面白いです。
(実際にあった)ネタを一つ。品質会議の場で、製品の不良率が高いので何とかしようという場で、ある担当者が『チェック項目を減らせば不良率が減ります』と発言。場が凍り付きました。(その意見が採用されるような会社じゃなくてよかった。)
マスター吹越
ちゃとらん様
「数字は嘘をつかないが、詐欺師は数字を使う」という名言がありますw
結論ありきでそこに誘導したいのは広告会社としては当然ですが、新聞社/テレビ局は先行者有利で影響力が大きいですからね。基礎知識を広く知らしめていくことが大事ですわ。
誘導性が強いグラフ(そのうち牽強付会といえるグラフを「クソグラフ」とします)に対して疑いの目を向けることができる、というのが大事です。 というかだれが何を言っても一旦疑いの目を向けれることが大事。
実ネタをありがとうございます。
これなー手段と結果が逆転してる見事な例ですねー。
釘を刺しただけだと信じたいw
まぁCOVID-19対策で国絡みでそれやらかしてないか、という疑惑ががが・・・。
神奈川県とかクラスター追うの辞めるとか言い出してますからねぇ…。
何が問題なのかを見間違えてないか?時間がたってトレードオフの優先度が変わったのに古い優先度に固執してないか?なーんて思うこともあります。