「英語で『仕事を』する」フェーズ(その1)「ビヨンドすきま時間」で一石二鳥
今回からいよいよ「ブートストラップ」英語学習法の最終段階、「英語で仕事をする」フェーズでのガジェット活用をご紹介します。
■「ブートストラップ」英語学習法の復習
「ブートストラップ」英語学習法は、以下の3つのフェーズからなります。
- 英語を勉強する
- 英語で勉強する
- 英語で仕事をする
■すきま時間で勉強する理由
筆者は「勉強」と「学習」を少し違う意味で使っていますので、簡単にご説明します。「勉強」は、それ自体を目的として時間を割いて学ぶことを指しています。「学習」は前記の意味での「勉強」を含み、結果として学ぶことすべてを指しています。
ここまでの2つのフェーズ「英語を勉強する」と「英語で勉強する」は「勉強」でした。日本語を使った教材か、ESL向けの英語だけを使った教材かという違いはあっても、わざわざ時間を割いて「勉強」することには違いありません。
社会人のみなさんはとくに、勉強時間を確保するのが難しいと思います。そこで活用したいのが「すきま時間」だった訳です。
しかし、前の2つのフェーズでガジェットをフル活用した勉強法をご紹介しましたが、「ここまでやるのかよ?!」と思われた方もおられるかもしれません。
試験前などの特定の期間ならともかく、どこまでも徹底してしまうと、ストレスがたまったり、勉強を優先するあまり家族への気配りを怠ってしまったり、別な問題を起こしかねません。
そこで、さらなる改善のためにはアプローチを変える必要があります。
■ビヨンドすきま時間!の勉強しない学習法
「英語で仕事をする」フェーズのキャッチコピーは、「ビヨンドすきま時間!の勉強しない学習法」です。これは、仕事や趣味に充てている時間の中で英語を学習する、言わば一石二鳥の学習法です。
「英語で仕事をする」と言うと、翻訳や通訳など英語そのものを仕事にするような印象を受けるかもしれませんが、英語を仕事や趣味に役立てるということです。
IT分野に限らず、英語で書かれた情報の方が、日本語の情報よりも量があり、早く入手できるのが普通です。たとえば、英語の記事を翻訳して掲載しているサイトの場合には、2週間から1ヶ月ほども遅かったりします。
■ワークライフバランスとワークライフインテグレーション
ちょっと変なたとえかもしれませんが、すきま時間と「ビヨンドすきま時間の関係は、ワークライフバランスとワークライフインテグレーションの関係と似ていると思います。
ワークライフバランスでは仕事と私生活をバランスさせることから、これらを二項対立的に捉えています。すきま時間を使った勉強では、他にやるべきこと(典型的には仕事)の時間を先に確保し、空いた時間を徹底活用して勉強するという発想です。
一方、ワークライフインテグレーションでは、仕事と私生活を高次元で統合(integrate)させます。「ビヨンドすきま時間」の学習法は、仕事(あるいは趣味)を通じて英語を学習し、逆に英語能力が進歩することにより仕事(あるいは趣味)により役立つという正の循環がある図式です。
■PCやタブレットも活用する
すきま時間にはルーチンの中で定期的に発生する時間もありますが、突然ぽっかり空く時間もあります。したがって、すきま時間を徹底するにはガジェットが適しています。いつでもどこでも使えることが条件なので、モバイル性(大きさ・重さ、バッテリーのもち、ディスプレー、コンテンツ)を重視しています。
しかし、「ビヨンドすきま時間」は仕事(あるいは趣味)と学習の時間を重ね合わせる訳ですから、使う道具としてはガジェットよりもむしろPCやタブレットを重視します。仕事(あるいは趣味)では腰を据えて取り組んでいるので、PCやタブレットに向かっている時間の方がずっと長いからです。
したがって、ガジェットの位置づけは、PCやタブレットを中心として、スマートフォンなどとの相互連携も図るということになります。
このとき留意するポイントは、以下の通りです。
- 何度も同じ情報を探すのは無駄
- 何回かに分けて取り組むことも考える
- クラウドサービスの活用
- 1つの作業を、デバイスを横断して行える
次回以降、各ポイントを具体的に見ていきます。