Kindleがなきゃダメですか? iPad miniじゃいけないんですか?
先日のハロー通訳アカデミー 2013年度通訳案内士試験合格祝賀会で知り合った方から、「iPad miniを活用して、本コラムや公開講座で述べていることができないか?」という質問をいただきました。
簡単に回答を差し上げたのですが、今回のコラムでは、7~8インチクラスのタブレットを英語学習に活用する方法について、もう少し掘り下げたいと思います。
前回のコラムで触れましたが、筆者はiPad mini(初代、Wi-Fi 32 GBモデル)を所有していて、最近になって家人にお下がりしました。代わって使っているのはNexus7(2013 、LTE 32 GBモデル)です。
なお、お気づきの通り、タイトルはスパコン事業仕分けで話題になった発言をもじったもので、ご質問は以下のように大変穏当な表現でした。
<質問>iPad miniを使って、他のガジェットで紹介されているようなことができないでしょうか。まだiPad miniを十分に活用できていない状態です。
<回答>まずはiPad miniを使いこなすことに努め、現時点では他のガジェットに手を広げないことをお勧めします。iPad miniを使うのに慣れてきたら、目的と目標に照らして、Kindleやラジオ付きICレコーダーなどをお考えになるといいでしょう。
以下、理由を見ていきます。
■iPhoneで述べた機能面での特徴は、すべてiPad miniにも言える
本コラムで述べてきた、英語学習用ガジェットとしてのiPhoneの機能面での特徴は、すべてiPad miniに当てはまります。「筆者が所有するWi-Fiモデルではモバイル通信ができないから、差があるのではないか?」と思われるかもしれませんが、筆者の英語学習はオフラインでの使用を前提としているので、3G/LTEの有無では差がありません。
しかし、使い勝手には、かなり違いがあります。
■利用局面はiPhoneとは異なる
これまでiPhoneについて挙げてきた点でiPad miniが異なっているのは、大きさと重さ、そして電話でないことです。
iPad miniは小型軽量とはいえ、iPhoneよりも大きく重いことから、外出時にいつも持ち歩くわけではありません。女性の方はとくに、鞄に入らないこともあるでしょう。
そして、電話でないことから、自宅やオフィスにiPad miniを置いていても、常に身に着けているわけではありません。
使い方のイメージは、タブレットがスレートPCと呼ばれていたように、ノートPCの変形と捉えた方がよいと思います。机に向かう必要こそないものの、椅子に腰掛けたり、ベッドに寝そべったりしている状態で使うことが多いでしょう。
場所を選ばず、ふと時間ができたときに勉強道具として使えるのがiPhoneで、多少なりとも場所を選び、学習しようという意識があるときに勉強道具として使うのがiPad miniだという捉え方です。言い換えれば、すきま時間で使うのがiPhone、腰を落ち着けて使うのがiPad miniだということです。
■大画面ゆえの使いやすさとハードウェアキーボードの効用
iPhoneと比べると、画面が大きい分だけKindleアプリで本を読むのが楽です。リフロー型のコンテンツ(端末やアプリの設定に応じて、表示時点でレイアウトを行う)でもそうですし、NHK英語講座のテキストのように固定レイアウト型のコンテンツではなおさらです。
ハードウェアキーボードをBluetooth接続すれば、テキスト入力が格段に楽になります。そのメリットは、電子辞書を検索するときに実感できます。
筆者は、iPad2、iPad miniとも、Logicool Ultrathin Keyboardを使ってきました。これらのキーボードは非常にタッチがよく、これまでに使ってきたものの中で一番好きです。
iPadにキーボードを付けて使うようになってからは、ノートPCの出番が激減しました。筆者の評価をそのまま一般化することはできないかもしれませんが、この経験から、一般的なタブレットがノートPCに近い存在であることを実感しました。
ちなみに、筆者はNexus 7ではほとんどキーボードを使っていません。見た目にはiPad miniとの大きさの差はわずかであるように感じられるのですが、Nexus 7は縦長で横幅が狭く、縦に持って両親指でソフトウェアキーボードを打つのが意外に快適なのです(慣れればフリック入力以上に高速で入力できると評判のATOKを導入し、現在、フラワー入力のトレーニング中です)。
■(余談)ファブレットに心を惹かれる
質問からは少し脱線しますが、iPad miniとNexus 7との差が意外に大きいことから、6インチクラスの大画面スマートフォンに興味が湧いてきました。このクラスは、スマートフォンとタブレットの両方の特徴を備えることから、ファブレット(Phablet=PhoneとTabletの合成語)と呼ばれ、まず韓国で人気が出たと言われています。
筆者は、スマートフォンと7インチクラスのタブレットを両方持ち歩くのは避けたいので、両者の中間サイズのファブレット1台で済ませられたら便利だろうと思うのです。
ソニーのXperia Z Ultraにも興味をそそられますが、ランニングコストを加えた費用も重視するポイントなので、SIMフリーの安価なモデルが出るまでは買わないつもりです。
<次回予告>
エンジニアライフコラムニストたちによる勉強会第1弾――「エンジニア自身の価値を高めるには?」で「英語学習のクラウド – 英語を勉強するか、英語を勉強しないか。それが問題だ!」と題してお話しさせていただきました。
次回のコラムでは、その内容をお伝えします!
エンジニアライフ勉強会の講演資料は、こちらからダウンロードできます。画面右下にある「@ITエンジニアライフ」セクションの2つめです。
リンクしていただける場合は、お手数ですが、ファイルダウンロードへの直接のリンクではなく、上記の出版ページへお願いします。
コメント
釣本直紀
記事名からKindleとiPad miniの比較記事かと思ったらiPhoneとiPad miniとの比較記事だった。
こういう紛らわしい記事名は迷惑。何年も前の政治家の発言を敢えて今IT関係の記事でもじる理由が分からない。
中津山恒
貴重なご意見、ありがとうございます。
もともとの質問は端末としてのKindleに関するものでしたが、端末の特性の比較は簡単に済ませ、英語学習のガジェットとしてのiPadについて説明しました。
iPhoneとは比較しているのではなく、差異を述べています。
本コラムで一貫して取り上げている「モバイル性」では、決定的な違いがあります。
そのため、本コラムではタブレットを英語学習のガジェットとして扱っていません、、
スパコン事業仕分けの一件は、ITに限らず、常に見られる対立構図です。
(先日のエンジニアライフ勉強会ても取り上げました。)
これについては色々と思うところがありますが、長くなるので折を見てコラムで書きます。
ご意見、ありがとうございました。