会社を上流工程で読み解く - 要求分析・要件定義
先日購入した合宿所です。先週は、草刈りと内部清掃の有志を募って作業しました。池の草刈りでは、ニホンザリガニを発見。「自然あふれる場所でのソフトウェア開発」が憧れでしたので、まずは田舎で合宿が好きなだけできる環境を取得しました。豊かさとは、お金だけではないですよね。次はIT技術者向けの合宿イベントなども仕掛けていきたいと思っています。
前回は、ブラック企業とは「設計ミスを放置してバグだらけになった会社」と定義しました。
では、一体どの段階で設計ミスが起きていたのでしょうか? 今回は会社の根幹を「上流工程」に例えて見ていきたいと思います。
アプリケーションやシステムを作るとき、マーケティングや調査を行い、市場や顧客ニーズを探り、それを満たす目的を設定します。
「何を解決するのか?」
「何のためにあるのか?」
開発者は、それを理解せずに開発を行っても、なかなか良いものは作れません。
会社もまた同じです。会社は社会のニーズを複数満たすのが普通です。なので、会社を「アプリケーション群」と考えてください。
しかし、そこには共通の意思があり、それを理解しなければ良い仕事、正しい仕事ができません。
社会のニーズを満たす=生産を行って利益を上げることです。
会社において、社会のニーズ(要求)に対する共通の最小要件の定義は「企業理念」です。
今回のコラムでは、この「企業理念」という会社組織において全クラスが実装すべきインターフェイス(振る舞い)について、注目していきます。
まず、「企業理念」が定義されているのかどうか?
- 定義されていれば、次に進んでください
- 定義されていなければ、例外ルートに進んでください
次に、「企業理念」の設計方針が正しく理解されているかどうか?
ここが一番難しいところです。企業理念の文章だけを記憶することには、あまり意味がありません。会社設立者の思いを呼び起こすキーワードが、企業理念です。
- 設計方針が理解されていれば次に進んでください
- 設計方針が理解されていなければ、正しく実装されていない恐れがありますが、次に進んでください
最後に、「企業理念」が正しく実装されているのかどうか?
- 正しく実装されていれば、素晴らしい会社だと思います。弊社も早くそうありたいです
- 正しく実装されていなければ、組織上の欠陥がどこかにあります。例外ルートに進んでください
例外ルート
企業は、利益を出すことが存続の前提です。いわゆる「儲ける」ことが必要なのですが、何でもいいから儲ければいいというものでもありません。
ビジネスとは、儲ければ儲けるほど、世のため人のためとなるものです。そうでなければ、社会の構成要素として満たされなくなり、存続は難しくなります。
ビジネスを行っていくうえで、意思決定や方向性の根幹である企業理念は、会社がブレてしまわないようにするには必要な存在です。
しかしながら、企業理念が定義されていない場合などは、経営者や役職者に意識を変えろといったところで変えられないのが実情です。なので、無理に変わってもらおうと考えるのは不毛な作業です。
経営者や役職者自体も役割を果たせる環境でないことがほとんどなので、それよりも実験として「ステージを上げて経営者、役職者の仕事をしてもらう環境」を作る方がいいのではないでしょうか?
次回以降、もう少し組織について詳細な視点を詰めていく予定ですので、参考にしてみてください。次回のコラムでは、基本設計編を予定しています。