第754回 自分の取扱説明書
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
仕事でたまに「自分の取扱説明書」の話を聞くことがあります。これは自分の性格や志向をオープンにすることで、社内での関係性を良くしていこうという試みです。実際、この取り組みをされている企業さんも聞くのですが、私自身はすごくいい取り組みだなと思っています。
ただ、私の考える「自分の取扱説明書」は、他人より自分に向いている部分が強いです。そこで、今回は自分の取扱説明書について書いてみます。
■自分の取扱説明書とは
生成AIに訊いてみると、こんな結果が得られました。
ここでは3つの目的をあげてくれています。この内、仕事で良く言われるのは2の「人間関係・仕事での円滑なコミュニケーション」ですね。「自分はこういう人間なんだ、だからこう扱ってほしい」ということを予め伝えておくことで、コミュニケーションを円滑にしようという考え方です。
この考え方はプロジェクトマネジメントのコミュニケーションマネジメントにあります。こちらも生成AIに訊いてみました。
PMBOKではこれを「コミュニケーション・マネジメント計画書」として計画し、実行、監視・コントロールしていきますが、作るのが面倒な場合は簡易的に「コミュニケーション・マトリックス」のようなモノで代用することもあります。
■自分の取扱説明書を自分に使う場合
で、ここからが今回のコラムの本題になってくるんですが、この自分の取扱説明書を自分に使う場合、どのように使えば良いのかを考えてみたいと思います。
先ほどの生成AIの回答の1の「自己理解と感情のコントロール(セルフマネジメント)」や3の「意思決定のブレをなくす」がそれにあたるのですが、私たちは時として本来の自分とは違う判断や行動を取りがちになります。でもそれは自分の取扱説明書には書かれていない内容かもしれません。そうした場合、その判断や行動はうまく行かないかもしれません。
こうしたことが起こると私たちのフィジカルもメンタルも良くない方向に向かいがちになります。でもそれって自分自身で選んだことなんですよね。つまり、自分で自分を良くない方向に向かわせていることになります。
だったら、自分の取扱説明書にないことはしない方が良いのか? ってことになるんですが、それも現実的には難しいですよね。実際、そのような判断、行動を選んでしまうのは自分自身なんですから。
それじゃ、どうしたらいいのか。実は私の中でこの答えは明確で、
選んだ判断や行動が自分の取扱説明書と違っている場合、自分の取扱説明書に合うように判断や行動を見直す
ことだと思っています。例えば、その人の取扱説明書にはこんなことが書かれていたとします。
「感情で動くのは苦手で、ロジカルに決まっている方が動きやすい」
にも拘らず、「モチベーションを高めて気合で継続させる!」みたいな行動を選んでしまったとしたらどうでしょう。
最初は「やってやる!」という気持ちで動き出し始めるかもしれませんが、数日後には「今日は気が乗らないな...」みたいな感じで手が止まってしまい、やがて何もやらなくなる。そして、自己嫌悪に陥ってしまう...。正に自分の取扱説明書にない事をして、自分で自分を追い込んでしまっていますよね。
そこで、「継続させる」という目的はそのままにして、やり方(プロセス)を自分の取扱説明書に寄せるようにします。例えば、
「毎日〇時になったらこのテンプレートの穴埋めをする」という仕組みにして、それを実行するだけで完了する状態を作る
みたいな感じです。こうすることで、自分の取扱説明書に従って、無理なく継続することができるようになります。
■識別核(コア・パーパス)を言語化する
こうした自分の取扱説明書をOSTでは識別核(コア・パーパス)と呼びます。端的に言えば「自分はこうだ」という自分自身を表す根本的な軸のようなモノです。
こうしたコア・パーパスを言語化し、常に自分の判断、行動、結果と照らし合わせるようにしておくと、自分の行動にブレがなくなり、自分らしく立ち回れるようになります。
こうしたことは自分らしく生きる上で必要なことでもあります。もし興味のある方は過去のコラムも併せてごらんくださいね。