第751回 なぜ、休息は後回しにされてしまうのか
こんにちは、キャリアコンサルタント高橋です。
日々仕事ややりたいことに追われていると、ふと気づけば「休むこと」を一番後ろに回してしまっている......なんてことはありませんか。ちょうど、仕事に忙殺されている今の私が正にその状態になっています。
この状態を何とかしないと...と思っているのですが、なかなか実践に結びつかない状況なので、今回はOSTを使って休息が後回しにされている理由、そこからどうすればよいかについてに考えてみました。
■頭の理解と行動のギャップ
OSTには、どのような行動が優先して立ち上がるか(前景化するか)を説明する「AS(行動の前提構造)」という仕組みがあります。行動は
価値(その行動に意味や重要性を感じているか)
時間依存性(今すぐやらなければならない圧力があるか)
という2つのスイッチの組み合わせによって決定されます。
頭の中では誰しも「体調管理は大事だ」「休むのも仕事のうちだ」と理解しています。つまり、頭の中では休息に「価値=ON」になっているつもりでいます。
しかし、いざ目の前に仕事が山積みになったり、トラブルが発生したりしたその瞬間、私たちの頭の中では別の考え方が働き出します。
「今休むと進捗が止まってしまう」
「休むのは何も生み出していない無駄な時間だ」
といった罪悪感や恐怖が働き、行動選択のその瞬間に、休息に対する価値のスイッチが強制的にOFFになってしまうのです。
■価値の後景化
価値のスイッチがOFFになった行動は、行動の優先順から下がってきます。これをOSTでは後景化と呼びます。後景化されたら行動は前に進もうとするエンジン(推進力)を完全に失うため、どれほど時間があろうと、選択肢として浮上してこなくなります。
「休みたいのに休めない」と悩む時、私たちは「時間がない(時間依存性の問題)」と思いがちです。しかし本当の理由は、強大すぎる仕事の価値に圧殺され、自分自身で「休息=無価値」としてスイッチを切り外し、行動を後景化させてしまっていることにあります。
口では「休まなきゃ」と言いながら、行動を選択するその瞬間に「今は休む時じゃない」と判断して捨てている。これが、休息が後回しにされ続けている構造的な問題です。
■休息の価値を再定義する
それでは、この構造的な問題から抜け出すにはどうすればよいのでしょうか。
「頑張って休む意識を持つ」といった精神論では、目の前の仕事の強大な価値に押し切られてしまいます。必要なことは、行動の前提条件を再設計すること(TVD:時間価値設計)です。TVDの詳細はこちらをご覧いただければと思いますが、具体的にはこんな動きになります。
休息の価値を見直す
休息を「作業が止まってしまうこと」と捉えるのではなく、「自分の身体をメンテナンスする重要な時間」と捉え直す
こうすることで休息は自然と前景化(行動の優先順位を高めること)されるので、休息をとるという行動が現実に行われるようになっていきます。
■身体が資本であり続けるために
頑張ってCAR(認知・行動・結果のサイクル)を回し、成果を出そうとする人ほど、無意識のうちに休息の価値スイッチを切り落としてしまいがちです。
「休むことを後回しにしているな」と感じたら、それは意志の弱さでも時間のなさでもなく、価値スイッチがOFFになっているサインです。
ぜひご自身の身体を長く健やかに稼働させるために、まずは「休むことの価値」を正しくONにセットし直してみてくださいね。