「エンジニアの人生=エンジニアライフ」に役立つ本を紹介します。

『Javaルールブック』――可読性の高いコードを書くルールを直感的に把握する

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Javaルールブック Javaルールブック 
読みやすく効率的なコードの原則


大谷晋平、米林正明、片山暁雄、横田健彦(著)
電通国際情報サービス (監修)
技術評論社
2011年2月

ISBN-10: 4774145475
ISBN-13: 978-4774145471
2709円(税込)

■コーディングのルールは必要だ。だが、縛りすぎてもならぬ

 チームで開発を行うと、必ず「ルール」が必要になる。よくある規約としては、開発手法を定めた「開発規約」や、どのようなテストをどれだけ行うかを定めた「テスト規約」などがある。

 コードを書く際、どのプログラミング言語にも最低限のルールは存在する。しかし、すべてのエンジニアがそれを熟知しているとは限らない。ルールを知らないエンジニアが書いたコードは、本人にしか理解できないものになる。そのようなコードを1つ許せば、いずれシステム全体が混沌状態に陥り、システムの品質を落としてしまう。

 では、厳密にコードを書くためのルールを決めれば、問題は解決するか?

 必ずしもそうとは限らない。ルールは、時としてコードを書く上で足かせとなる。ガチガチに規約で縛ると、ルールを守るために冗長なコードを書いたり、必要以上の実装を求められたりと、生産性を落とすことになりかねない。実装の自由度を十分に残しつつ、一定のルールを決定することは非常に難しい。そこで、役に立つのが本書である。

■OK? NG? Javaを書く上で注意すべきルールを直感的に把握

 本書はJavaのコードを書く上で注意すべきルールについて、「不適切なコード」と「修正したコード」を並べて解説している。そのため、コードのどこに問題があるか、なぜ不適切なコードなのかが非常に分かりやすい。

 また、すべての規約に星1つ~星5つの評価を付け、星の数でルールの重要度を示している。ある程度のJavaの知識を持つエンジニアにとって、星5つのルールは「無意識のうちに守っている」というレベルだ。しかし、逆にJavaの知識に自信のないエンジニアにとって、星5つのルールはJavaの書き方の基礎を固めるのにちょうどいいだろう。まずは星5つのルールを重点的に読み、それから星数が少ないものへと進めていくと、より良いJavaソースの書き方を身に付けることができる。

■本書の構成

  • 第0章 コーディングの心得5カ条
  • 第1章 ネーミングルール
  • 第2章 プログラミングルール/基礎編
  • 第3章 プログラミングルール/テクニック編

 初めてプログラミングをする人は、ぜひ第0章から読んでほしい。どの言語にも共通するプログラミングの基本的な事項に触れているからだ。「他の言語の経験があるがJavaは初めて」という人は第1章から、ある程度Javaの経験がある人は第2章で自分のコードに悪い癖がないか見直し、第3章へと進むとよい。

■Eclipseショートカットに注目

 本書の中でも特に注目しておきたいのが、巻末のEclipseショートカットの解説である。現在、多くのJava開発プロジェクトでEclipseが導入されている。Eclipseでコードを書く際にマウスでの操作は可能だが、やはりコードをリズムよく書くためにはできる限りキーボードから手を離したくない。「Eclipseを使っている間のマウスに手を伸ばす時間は、人生の無駄」というぐらい、ショートカットを知っているのとそうでないとでは、開発のスピードが格段に変わる。ここに出てくる12項目については、ぜひ覚えておきたい。

 ソースコードは、書くより読む回数の方が多い。システムとして運用する期間が長くなるに従い、読む回数が多くなっていく。そのため、システム開発には「品質」「性能」と同時に、コードそのものの「可読性」も重視される。Javaの経験者はこの本を使って自分のコードを見直すし、自分のコードの癖を見直す。初学者には、Javaを使ってコードを書く時に必要なルールを学び、より良いソースコードを書くための目標としてほしい。

■こんなエンジニアにオススメ

  • 初めてプログラミングをする人
  • 他の言語の経験はあるがJavaで初めてコードを書く人
  • これまでJavaで開発してきたがちょっと自分のソースに自信がない人
  • これからJavaでの開発を始めるプロジェクトのメンバー/リーダー
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