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若かりしころの思い込み

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 こんにちは。

 先日、春季の情報処理試験を受験してきました。情報セキュリティスペシャリストです。試験勉強が全然できなかったので不安でした。それでも自分なりに問題を解き、帰宅後、早速公表された午前Iと午前IIの結果を自己採点。どちらも7割強で、何とか午前は合格だったようです。午後は……無理やり答案用紙を埋めたものの、出来としては微妙な感じでした……。

 春の結果に関わらず、秋はITサービスマネージャを受験します。今の仕事に一番近い職種なので、新制度の内容を知ってから一番受験したいと思っていた試験でした。といっても、昨年も、前身のシステム管理は受験していますが、午後Iで不合格でした……。

 実は、社会人になってから情報処理技術者試験は全敗中です……。学生時代にソフ開(ソフトウェア開発技術者)を取得したため、受験できる職種が高度しかないのです。職務経験の浅い若手なので、生半可な勉強では、やはり合格できませんね。それでも若いうちからDBやNWを取得された方々がいらっしゃるんですから、尊敬してしまいます。

■1~2年目時代の大きな勘違い

 学生時代から資格取得をしていて、変に色々な知識が頭にあるからか、「IT業界なら、こうであるはず」という変な思い込みがありました。

 @IT自分戦略研究所やエンジニアライフの「新人関係」の各記事を読ませていただいている中で、数年前の自分がしていた、今となっては恥ずかしい「間違った思い込み」のことを思い出したので、そのことを書かせていただきます。

●「入社したら会社を代表するものを作るぞ!」という思い込み

 正確には1~2年目ではなく、入社前のときのことです。

 社長面談の際、堂々と「御社の弱みとしては、代表するものはコレ、とはっきり言えるものがないと思いました。そこで、わたしが入社しましたら、技術のスキルを磨いて、『○○のシステム(ソフトウェア)といえば××社』で有名になるものを作ります!」と言ったのを今でも覚えています。今となっては「若気の至り」ですね。そういえば、1年目のときも「うちの会社を代表するオープンソースソフトウェアを作るんだ!」と言っていたような……。

 それにしても、何もスキルがない自分があそこまで大それたことを言っても、社長は内定を出してくれたのですから、社長は自分の子を見る親のような気持ちでいてくださったのかもしれませんね、あの時は。「こやつめー、はははー」みたいに思って聞いていたのかなあ、なんて。

●「仕事が暇な時期なんてない」という思い込み

 初めて入ったプロジェクトの、終盤ごろのことです。月末に納品してプロジェクトが終了したら、次のプロジェクトは何だろうとわくわくしていましたが、「しばらく待ってて」と言われました。てっきり、次が決まっているものだと思っていたので、入社して配属したてのとき以降、単に勉強しているだけの期間があるとは思っていませんでした。

 その後、いま自分が配属している部署へ「他部署からのヘルプ要員」でアサインされて、「いまアサインされているプロジェクト」の枠を超えて、その部署の色々な案件の作業をしていました。その中でも特に行う作業のない日が長く続くことがあって、「IT業界って忙しいと思っていたのに、暇って、ありえない」とか、「1年目でも原価はかかっているはずなのに、作業がなくて会社に何も貢献できてない自分が嫌だ」などと愚痴を言いまくってました。

 そのことが先輩経由で、その部署の上長(今の自分の上長)の耳に届いてしまい、上長と緊急の面談という事態になりました。ものすごく気を配る上長なので、「所属部署の仕事がしたくなったのなら、言ってくれればいいんだよ」と言われてしまいました。

 慌てて事情を説明し、上長からは「やるべき事がないときには、どうしていればよいか」を教えてくれました。いま思えば、Googleの20%ルールと同じ話でした(この部署はシステム開発よりITサービスの運用がメインの部署なので)。それ以降は吹っ切れて仕事をするようになりました。今でも「この技術が面白そう、こういうサービスに使えそう」という話を上長にしています。

●「SIerなんだから、ツールなんて自分で作っちゃうものでしょう」という思い込み

 「今度、こういうサービスができないかなと思っていて。そのための管理ツールを探してくれないかな。OSSなんかで。ないならないで、買うから構わないし」と、上長から指示を受けたことがありました。

 でも、その時に思ったのは、「え? 自分たちで作るっていう考えはないの?」ということでした。SIerなのに何で他社で作ったものを使うんだ、と。自分たちで簡単に作っちゃえばいいんじゃないのか、という風に思っていました。まだ若手ですが、いま思うのは、メインの仕事をしながら別のツールを作る余裕は、なかなかないし、難しいよなあ、ということ。それを行うことでメインの作業の進ちょくが遅れる、なんてことがあったら最悪ですから……。

●「上司が『できる』と言った事は何でもできる」という思い込み

 他部署からのヘルプ要員として、初めて今の上長と話をしたときのことです。ヘルプ要員として働くきっかけとなった案件で、会員課金をしたいという話でした。上長は「自前でできると思うんだよね」と言っていました。

 そこで自分なりにネットで検索し、カード決済の仕様などを調べていましたが、どうしてもよく分からなかったので、諸先輩方に相談してみました。すると、皆さん口をそろえて「うちでできるわけないだろ」と。「普通は決済代行の会社に頼んで決済してもらうのであって、セキュリティの問題があるから自前ではやらない」と。

 考えてみれば当然のことではあるんですが、長年のエンジニア経験を経て上長になられた方が「できる」と言っているのですから、うちの会社でもできるんだろうなあ、と思い込んでしまいました。

★☆★

 ほかに思い出したら、コラムのネタにしようかと思います。

 自分で言うのもおかしいですが、こういった間違った思い込みや、それによる勘違い発言は、若手のうちはどんどんしちゃってもいいのではないかと思います。若手のうちなら、取り返しのつかない事態になることは少なく、先輩方も「しょうがないなあ、こいつは」と思って指導してくださると思うんです(自分が先輩方に恵まれた環境だったからそう思うのかもしれませんが……)。間違うことで覚えることもありますし。

 といっても、いまだに社会人としてありえない思い込みや勘違い発言をしている僕ですが……。

Comment(2)

コメント

tripod

だいたい同感ですが、

> 「入社したら会社を代表するものを作るぞ!」という思い込み

これは思いこみではなく、実現可能だと思います。ベンチャーにいると全員がこのくらいの気持ちは持ってますし、何人かは実際にそのレベルのものを作ってるわけです。
大手だと難しいのかも知れませんが、思いこみとして紹介されると新人の芽を摘むことになりそうなので、あえてコメントさせていただきます。

あずK

tripodさん>
コメントありがとうございます。

自虐ネタのつもりで書いたところがありましたが、
確かに新人さんの立場で見たら、「無理なのか・・・」思ってしまうかもしれませんね。
失礼致しました。

どこで働いているか、現在のスキルがどうか、に関わらず、
全てのエンジニアさんに共感を持たれる書き方を今後も心がけます。

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