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天才イチローも人のマネをしていた

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 こんにちは。

 先日、会社のフットサル(2回目)がありました。2回だけですが、初心者講習で学んだ甲斐があり、愚痴ばかりだった前回と違ってすごく楽しかったです。基礎を身につけるって大事ですね。楽しく基礎を学んで、基礎が身についてくるほど、より楽しくなって。といっても自分の場合、マイナス100からスタートして、ようやくマイナス50まで来たような感覚ですが。フットサルもサッカーもまともにやっていなかった人が、少し練習しただけでボールの扱いが上手くなっているのを見て、ポテンシャルの高い人っていいなあと思ってしまいました。

■天才の原点

 先日も野球ネタを書かせていただきましたが、イチローはWBCの東京予選の段階から体調が悪かったようですね。胃潰瘍でメジャーリーグの開幕戦に出場できなかったそうで。打撃不振も、体調不良が原因だったのではないでしょうか。胃潰瘍ができるほど、自分自身に重圧をかけていたのでしょうね。「サムライ」の名前を背負って戦おうとしたわけですから。

 先日の記事を書いた後、イチローが発した言葉の数々をインターネットで調べました。彼の考えから学べることがあるのではないか、と思ったので。その中で、特に興味深かった言葉があったので、今回はそれを紹介させていただきます。

 「最初は真似みたいなところから始まりますよね。いろんな人のフォームを真似たりして。何となく今の自分がいるという感じはありますよね」

 あの天才イチローでも、人のマネをしていたのか、と思いました。自分の中で「天才」というイメージが強かったので、天から貰った才能で最初から何でもできた、というようなイメージがありました。しかし、そんなイチローも、かつては諸先輩方の技術を真似て、学んでいったようです。

 ただ、よく考えてみれば当然のことなのかもしれません。いくら才能を持っているとはいえ、ヒットを打つための基礎がなければ、才能が光らないですから。どうしたら1本でも多くのヒットが打てるか、それを先輩方を真似ることで基礎を築いたのだと思います。

■マネするだけではダメ

 ただし、イチローはこのような言葉も言っています。

 「練習で100%自分を作らないと、打席に立つことは出来ません。自分の形を見付けておかないと、どん底まで突き落とされます」

 人のマネをするだけでは、そこに「自分らしさ」というものはないわけで。「自分らしさ」を持つことが自信に繋がっていくので、マネばかりだと、いざというときに不安で潰されてしまう。

 基礎を築けたところで、練習や実践で自分なりに試行錯誤を繰り返して自分らしいバッティング技術を磨いていって、今のイチローがあるのでしょうね。

■最初のうちは真似をして学ぶ。ただし、自分らしさはまた後で

 新人さんをはじめ、今までしたことのない領域に足を踏み入れる場合、まずは尊敬する方や目標とする方のマネをして学んでいけばいいのだと思います。

 ただし、自分らしさを追求しようとするのは、もっとずっと後で良いかと思います。最初はとにかく学ぶ。がむしゃらに。がむしゃらに働けと言わなくても、はじめての領域であれば学ぶことは多いはずなので、必然的にがむしゃらに働くことになると思います。目の前のことを楽しく、がむしゃらに学ぶ。

 ところで、自分の経験からすると、キャリアについて考え方を見直す時期というのは、急にやってきます。「これくらいの時期に考え直そう」というプランを立てていたわけではなく、突然に。

 いわゆる「10年は泥のように働け」という話がありますが、自分もまだキャリアは10年未満なので、今ここで「10年~」といえる身分ではありません。しかし、最初のうちは将来のことだったり、「幸せなキャリア」について深くは考えず、キャリアのことよりも目先の仕事のことを考えるようにし、その仕事から色々と学んでいく。そして、10年後か、もっと早い時期かは分かりませんが、キャリアについて考えたい時期がきたときに、今まで自分が学んできたことの振り返りと、今後のキャリアについて考えれば良いのではないでしょうか。

☆★☆

 最後の方、マネをするという話から逸れてしまいましたが、まとめると、

  • 最初のうちは目標とする人のマネをして学ぶ
  • 基礎が身についた上で、自分なりに試行錯誤して、「自分らしく」スキルを磨く
  • ただ、最初から自分らしさは深く考えず、まずは楽しくがむしゃらに学ぶことの方が大事

ということです。

Comment(2)

コメント

第3バイオリン

あずKさん

天才と呼ばれる人も最初は先人の模倣から始まるのですね。クラシック音楽もそうです。
ベートーベンの初期の作品を聴くと、ところどころにハイドンやモーツァルトの影響が感じられます。
それが交響曲第5番(運命と呼ばれているあれですね)あたりから「うわっ、ベートーベンだよ」とわかるようになってきます。

スポーツや音楽に限らず、模倣から始めてオリジナリティを出せるかどうかが生き残るためのカギなんですね、きっと。

>自分の経験からすると、キャリアについて考え方を見直す時期というのは、急にやってきます。

私もその通りでした。
初めのうちは先輩方に「3年後、5年後のことも考えろよ」と言われても右から左に受け流し、そのうち何か見えてくるだろうという程度に考えてきました。
しかし社会人3年目の終わりくらいになっても何も見えず、このままではいかん!と嫌でも気がついてしまいました。
気がついたからといってすぐに何か見えるわけでもなく、そこから苦難の道が始まるわけですが(この話はまた別のところで)
今はテストエンジニアとして目標を持つこともできて、信じた道を歩いているところです。
でも2~3年後には再度キャリアを見直す時期がやってきそうな予感がします。

あずK

第3バイオリンさん>
こんにちは。コメントありがとうございます。

ベートーベンもそうだったんですね。驚きました。
「天才」というと、感覚的というか、
努力という言葉からかけ離れているイメージがありました。
でも、実際はどの世界の「天才」も、先人に倣うことからはじめて、
自分なりの表現方法(アイデンティティ)を身につけた、と。
努力しなくても出来るのが「天才」ではなくて、
努力はしてる、ただ、普通の人が努力しても到達できないところに到達できる人が
「天才」なのかもしれませんね。

> しかし社会人3年目の終わりくらいになっても何も見えず、このままではいかん!と

自分も似たような感じです。
入社当初は開発者としてのキャリアを進もうと思っていたのが、
2年目の終わりからシステム運用がメインで、何でも屋のような仕事になり、
それ以降、キャリアパスが見えなくなったといいますか・・・。
でも、「スローキャリア」という言葉を知ってからは、長期的な目標より
今までやってきたこと(培ったスキル)に価値を見出すようになりました。
今、信じている道を歩み、キャリアを見直したくなったときに見直す、
それでいいのではないかと思っています。

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