全ては聞かずに聞き流せ
色々なことをやっていると、時として意見をいただくこともあります。それはプラスな話題であったり、マイナスな指摘であったりするのですが、ここ最近はどちらかといわなくても批判となるものが多いように見受けられます。
元々気質的なものもあるのか、日本人はマイナスを突き付ける性格な人が多いです。それは純粋に悪いと思えるところを相手に伝え、改善してもらおうと思っているからかも知れませんが、言われる側にとってこれは非常にきついものです。どのような人でも似たようなものでしょうが、批判されることは非常にダメージを喰らってしまいます。
そしてもう一つの特徴は、まっとうな批判ではなく言いがかりに近いものが非常に多くなっていることです。これは SNS が浸透して一般化したことも関連しているのですが、なぜそのような考えになるのかわからない批判を一方的に押し付けてくる人というのが、この世の中には一定数以上存在しているのが見えてきました。この人たちは、実際がどうであれ自分たちが正しい、という根拠のない自信をもとに徹底的に相手を責め立てます。科学的にとか、事実として、とかそういった論理的なものは一切気にせずにいられるので、言われる側としては対話することすらできません。
仕事の場においても同様で、単に批判だけする人が同じように表立って見えてきたように思えます。対応案も何もなく、ただただこれはダメだあれはダメだと悪いところだけを伝えてくる人にあたってしまうと、ものすごく体力を持っていかれてしまいます。時間ばかりが過ぎ、通り過ぎた後には何も残らないなんていうのもよくあります。
さらに悪いことに、仕事如何に関わらず、言われた側としては言われたことに何かしらの対応を行おうとします。それがただの言いがかりであっても、丁寧に対応しようと考えてしまい、どんどんと過ごしにくい世の中を作り上げていっているのです。
批判だけを行っている言い分には、本来対応する必要はありません。聞き流してしまっても、何ら問題はないのです。それは対案がない以上は、相手の言うことは意見として扱えません。言われたことに対応して何もできなくしてしまうだけで、なんら建設的にはならないのです。一度聞いてしまうと、別の人が俺も俺もといって同じように文句だけを伝えてきます。こうなるともう立ち直ることすらできません。
そうならないためにも、相手が対案を持っているかいないかで、聞き流すか検討するかを使い分けなくてはなりません。それほどに対案のあるなしというのは、重要だと思います。多くの場合、批判してくる人は感情的で短絡的です。自分が気に食わないから、といった感情だけで文句を言ってくる人もいます。そのような人の言葉に対して、いわれたことを受け入れる必要は全くないのです。
例えば、これはダメだといわれた場合にではどうすればよいかと対案を求めたとして、それに対して何も考えが提示されないのであれば、それはただの感想です。感想でしかないので、聞き流してしまうことに問題はありません。そこは自分で考えろ、とうまく言われることもあるでしょうが、これも言ってしまえばただの感想であり、なんら意見としての体をなしていません。そのようなものは聞くだけ無駄です。
その代わり、相手が何かしらの対案を持って批判を伝えてきたのならば、それはしっかりと検討する必要はあります。対案があるということは、相手も真剣に考えてきてくれていることの証です。このような姿勢には、正面からこちらも答えてあげるのが礼儀といえるようなものです。
会議の場などでも同様で、相手に意見を言うときは何かしらの対案を必ずセットで伝えたいものです。個人的にはダメ出しばかりしてくるのであれば、たとえそれが上司であったとしても聞く価値はないと考えています。自分が話す側として、相手から聞き流されないよう注意したいものですし、すべての話を聞く必要はない、というのも忘れないようにすることで、建設的に物事を進めていくことができるのではないでしょうか。
コメント
コバヤシ
すごくわかるなあーと思ってしまい、思わず書き込みます。すみません。
>実際がどうであれ自分たちが正しい、という根拠のない自信をもとに・・
こういう人たまにいますね。社会人になりたての頃はそういう方の言動にいちいちビクビクメソメソしながら働いたものです。
今はだいぶ図太くなり「はいはい」と聞き流せるようになってきましたが、時には上手に聞き流すことも必要ですね。
山無駄
若い人には、話は2割聴いて8割聞き流せばよい、といっております。
特にクレームなど、全て聴いてしまうと身が持たないので、聞き流してしまっても良いのですが、
相手が何かを言う時には、何らかの理由があるわけで、その中には大切なことが含まれている事
もあります。だから一旦聴く。その中から大切なことはないかと探す。そして、捨てる。
この目安が2割くらいかな、と。