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エンジニアもユーザーもシステムに敬意を持って!

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 くるくるっ すとーん!

 球がアリ地獄のような すり鉢状の穴に落ちていった。残念! ピンボールみたいに球を打ち出し、すり鉢を利用して方向を変えてゴールに入れるゲーム。でもこれって、何のモデルだろう?

 娘たちと行ったはまぎんこども宇宙科学館でのこと。

■はまぎんこども宇宙科学館

 はまぎんこども宇宙科学館は横浜市の洋光台にある。その名のとおり、宇宙に関する技術を子供向けに説明した展示がたくさんある。5階建てでプラネタリウムもあり、市内の小学校が授業として見学に来ることも多い。充実した内容の割には入館料は安い。私も時々、子供たちを連れていく。

■スイングバイ航法のモデル

 5階の宇宙船長室という展示室に、円形のゲームがあった。ピンボールのように球を打ち出すところが3カ所にあり、奥にゴールがある。途中にはアリ地獄のようなすり鉢状の穴が、いくつも空いている。球を打ち出して、すり鉢の端を利用してうまくコースを曲げてゴールに入れるというものだ。多くの子供たちが挑戦していた。でもこれって、何のモデルだろう?

 ゲームの横に説明があった。これは、ロケットの「スイングバイ航法」のモデルだった。アリ地獄は、火星や水星などの衛星とその重力圏を示す。地球を発射したロケットは、火星とかの衛星に近づいて、その重力をうまく利用して方向を変えたり加速したりする。コースを正確に計算しないとアリ地獄に落ちる、つまり衛星に引き寄せられて墜落してしまう。これがスイングバイ航法だそうだ。なるほど。よくできた面白いモデルだ。

■エンジニア側の心得

 スイングバイ航法の説明はちゃんと書かれていた。このモデルを作ったエンジニアは、これでスイングバイ航法を理解させられる、と思っていることだろう。しかし、ほとんどの子供はその説明を読んでいない。伝わると思ったことが伝わっていない。コミュニケーションギャップだ。

 子供は球の軌道しか見ていない。ならばそこにロケットの絵や火星の重力圏の線とか、スイングバイ航法の文字を入れておけば、「ロケットってこうやって進むのか……」となんとなく理解できるかもしれない。

 エンジニアは、ユーザーに意図が伝わるようにものを作る必要があると思う。

■ユーザー側の心得

 スイングバイ航法の説明は、きちんと書かれていた。これに限らず他の展示でも他の科学館でも、有意義なモデルがたくさん用意されている。なのにその意味を理解しないのはもったいない。子供には難しいかもしれないが、親が積極的に理解して解説するべきだと思う。特にユーザーもエンジニアならね。

 ユーザーは作り手の意図を積極的に理解することによって、面白味にも気付くし、有意義に利用できる。

■エンジニアもユーザーもお互いに敬意を払おう

 エンジニアとユーザーがお互いにこのような気持ちを持つようになれば、世の中の科学館は将来の科学者育成のためにもっと役立つものになるだろう。

 同じことが、システム開発でもいえるのではないだろうか。エンジニアは、ユーザーに意図が伝わりやすいようなシステムを作る。ユーザーは、エンジニアの意図を考えて使う。お互いにそう考えていれば、システムを最も有効に利用できるだろう。

 先日のonoTさんのコラム「敬意が足りないと面白味のないモノしか作れない」では、エンジニアも敬意を忘れちゃダメだ と述べられていた。それに加えてさらに、ユーザーも敬意を持って利用すべきなのではないだろうか。「お金を払っている客なんだから敬意なんて持てるかっ!」と思うかもしれない。でも敬意を持ってシステムを使った方が、結局はシステムの能力を引き出せて自分も得することになる。これが理想的なWin-Winの関係だろう。

 というようにコラムのネタを考えていたら、科学館に連れて来ていた娘たちがどこかに行ってしまった。「ここで待ってろ」と言ったのに。父親にまったく敬意を持ってないんだから。もー!(+_+)

 abekkanでした。

はまぎんこども宇宙科学館についてもう少し知りたい人はこちら。

 横浜こども科学館

 はまぎんこども宇宙科学館での工作イベント

Comment(5)

コメント

Jitta

> 父親にまったく敬意を持ってないんだから。もー!(+_+)
おそらく、娘さん達も、思っているのではないでしょうか。
「「待ってろ」なんて命令しないでよ。子どもにも敬意を払ってよね、もー!(`ヘ´) 」

うちの子が3歳だったか5歳だったか。
科学館に連れて行くと、音叉が2つ置いてありました。
片方を鳴らすと、もう一方も鳴る。最初に鳴らした方を止めても、もう一方は鳴ったまま。
何度も鳴らしている息子に「どう言うことかわかる?」と尋ねると...
「えとな、ゆうちゃんがわーんて泣いたら、なおちゃんがびっくりして泣くねん。
ゆうちゃんが泣きやんでも、なおちゃんは泣いたまんまやねん。
そしたらゆうちゃんもかなしくなって、また泣きだすねん。」

きっと子ども達は、大人が思っている以上に理解していますよ。

ああ、「十で神童 十五で天才 二十歳過ぎればただの人」と言われますが、
数年後にもう一度同じところで同じ質問をしたら、
「さぁ?なんやろな?」
(-_-;;;ヤッパリワカッテナイカモ

abekkan

>Jittaさん

コメントありがとうございます。
なるほど。子供は意外と理解してるのかもしれませんね。ただそれをうまく説明できないだけなのかも。
子供にも敬意を払ってよ、には一本取られた感じですね。(^_^;)

Jitta

> 子供にも敬意を払ってよ、には一本取られた感じですね。(^_^;)
 10歳過ぎたあたりから、主張してきますよ(-_-;

>Jittaさん
ありがとうございます。
うちにも、15歳と11歳と9歳と6歳がいますが、主張してくるときはうるさいですが、私があしらって敬意をはらっていないのかな、という気もします。
子供っていろいろたいへんですね(+_+)

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