入社面接　他人事なら気楽に楽しめるかも

ワークスタイル

» 2012/09/04

　おっ、カモが来た(^^♪

　喫茶店で本を読んでいた私の隣のテーブルに、2人の男が座った。1人は、白いシャツで頭はポニーテール。スリムな体で、カマキリのようだ。もう1人は、グレーのシャツでまじめそうな20代前半の若者。きまじめ君って感じだ。

　どうやら、この2人は入社の面接をここでやるようだ。カモと言ったのは、絶好のコラムのネタになるってこと。決して2人に害を及ぼすものではない。(^_^;)

　では、本を読むふりをして、少し聞き耳を立ててみましょうか……。

■研修費用は返してね

 まずは会社の説明。勤務地は、そこかあそこ。そして、入社するとまず研修でどこかに行くらしい。その費用がうん10万円もかかる。費用は会社が出すが、もし2年以内に辞めるようなら、その費用を返さなくてはいけないらしい。しっかりしてるなぁ。それだけすぐ辞めてしまう人が多かったということか。私も、職場でいろいろ教えていた後輩がすぐに辞めてしまい、教えた労力を返せと言いたくなったことがある。「すぐ辞めるなら研修費を返せシステム」はもっともな仕組みだ。

■怒涛の質問攻撃

　続いてカマキリは、きまじめ君にいろいろ聞き始めた。酒、タバコは？ 家族は？ 将来やりたいことはあるか？ そのために努力していることはあるか？ きまじめ君は口下手というわけではないが、ありきたりの回答しかできない。

　そして怒涛の質問攻撃。

• 任されている仕事が納期に間に合いそうになかったらどうする？
• 休日に客から連絡があって呼び出されたら？
• 給料と時間とどっちが重要？
• アイデアや提案していく気持ちはあるか？
• ExcelやWordやインターネットはどれくらい使える？

　どうする？ きまじめ君！

■自分をアピールしないと

　きまじめ君は、「はい」とか、「まあ、人並みにはできます」とか、パッとしない返事。次々に質問されるのでちょっと押されている。

　だめだよ、これじゃ。

　仕事に対する持論とまではいかなくても、こういうことに気をつけてますといった姿勢を見せないと。そして、得意なものを持っていればいいんだけどね。私が転職活動をしたときは、会社ごとに何をアピールするかを決めて、話を得意分野の方に持っていくように心がけた。

　転職するときに限らず、自分の仕事に対する持論と目標を持っておかないと、レベルアップしていくことはできない。いつでも転職面接を受けても困らないくらいに、仕事に対する考えをまとめておきたい。

　きまじめ君も、事前に自分のやりたいことをはっきりさせて、アピールすべき点を整理しておくべきだったね。5分間キャリア・コンサルティングでも読んでおけばよかったのに！

■相手の意識を探る質問を

　カマキリの方も、質問がうまくないなぁと感じた。

　休日に客に呼び出されたら？ とか聞かれたら、「すぐ行きます！」と答えるしかないだろうに。仕事に対する姿勢が知りたいのならもっといい聞き方あるはずだ。手元でマニュアルを見ながら、質問してたようにも思えた。ドキュメントを見るんじゃなくて、相手の様子を見て、質問しないと。そのドキュメント、今でないとダメですか？

　第三者として入社面接を観察してみると、なかなか面白い。両者の言うことを冷静に分析できた。しょせん、他人ごとだから気楽だしね。人のふり見て自分も気を付けたいな、と思った。また、逆の立場でいうと、喫茶店なんかで重要な話をするときは、誰が聞いてるか分からないから気を付けた方がいいだろう。

　壁に耳あり少女のメアリー　ってか。

　abekkanでした。

　関連ブログ：就職面接を他人ごとで見物するのは楽しいな