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安全確保とプライバシーの侵害は紙一重?!

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内部犯行を予防するには

 先日、「退職、決意した瞬間になぜバレた? 監視される社員の異常行動」という記事を見つけました。

 これによると、社内の機密情報が外部に漏れたという事件の原因として、会社を辞めて転職しいく社員が次の会社への手土産に機密情報を持って行くというケースがあるようです。

 そしてそんな内部犯行を防ぐために、パソコンやサーバのログを活用して内部による情報漏えいの予兆を検知することができるそうです。

①これまでアクセスしたことがない社内イントラのフォルダにアクセスをする
②取引先実績がない企業にメールをする
③通信量が急増する

 などという怪しい行動を検知するのです。それをAIで分析して不正行為を予知できるのです。そういった技術を使って情報漏えいという犯罪を防げるのはいいことだと思います。

街の犯罪も予防できそうだけど

 街にある防犯カメラに映ったデータは、犯罪発生後には捜査に利用されることがあります。もしこれを犯罪が発生する前から利用してAIで分析したら、怪しい動きをしている人を見つけて犯罪を未然に防ぐこともできそうです。

 けれども犯罪を起こしていない善良な市民の動きまで監視して分析までしてしまうとプライバシーの侵害だとして問題になることでしょう。「あなたはあの店でエッチな本を買おうか買うまいかずいぶん迷っていましたね」なんてことが分析されてバレてしまうのですから。

就職内定辞退率のデータ流出

 以前にリクナビが就活生の内定辞退率のデータを企業に出していたことが問題となりました。個人情報の不正利用です。

 でも企業の採用担当にとっては内定辞退率はぜひ欲しい有益な情報です。もしかしたら、「内定は断るべきではない」ということが社会常識になっている国があるかもしれません。そんな国では内定辞退率のデータを企業が入手するのも悪いことではないと思われることでしょう。

安全か?、プライバシーか?

 防犯のための監視とプライバシーの侵害はトレードオフです。より安全にしようとして監視を増やせば、個人のプライバシーの侵害は多くなります。

 多くの人は、「防犯のため、安全な暮らしのためなら、ある程度監視されてもしかたがない」と思うのではないでしょうか。けれどもその「ある程度」のレベルは人によって全然違うことでしょう。

 防犯のための技術が発達してくると、その次はどこまで許すか?が論点となってきます。そして誰もが納得できる答は永遠に見つからないことでしょう。技術があっても社会でうまく使いこなせない、というのは少し残念だなあと私は思っています。

 あべっかんでした。

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