P2M - PMBOKより無名だけど、個性的なPM標準
以前のコラム「AED48 AED普及を阻む4つの壁をエイット超えた話」でPMAJ(日本プロジェクトマネジメント協会)主催のセミナーの話を書いたが、今回はこのPMAJとそこで作られたP2Mについて書いてみたい。
■P2Mってなあに?
P2Mというのはプロジェクトマネジメントの知識体系。PMの知識体系と言えば、まずPMBOKが有名だ。プロジェクトマネージャを目指す人なら誰でも知っているし本屋に行けばPMBOKの本を何冊も見られる。
P2Mはそれほど知名度はないのだが、次のようなちょっと変わった特徴がある。
(1)気持ちの持ち方も書いてある
まず、「使命達成型職業人を目指せ」といっている。責任感と実践力と倫理観を持て、と。使命達成型職業人ってなんかかっこいいネーミングだ。特命係長みたい(^_^.)。
また、こういう性格の人はプロジェクトマネージャーに向かないよ、というのも載っている。少し精神論になってしまうが、気持ちの持ち方も書かれているのが特徴だ。
(2)プログラムも管理対象
ここでいうプログラムはJAVAやC++のプログラムではなく、事業戦略プログラムのこと。プロジェクトだけではなく、複数のプロジェクトを含んだ事業戦略プログラムのマネジメントもP2Mの範疇(はんちゅう)になっている。
私は会社の重役ではないので事業戦略を立てることはない。でも、目標の決め方とか成功のシナリオの考え方とかは、普段の生活や子供の教育にも使えそうだ。また、「AED48 AED普及を阻む4つの壁をエイット超えた話」でも紹介したが、PMAJのセミナーや定例会では顧客をまるめこんだ方法など、面白い戦略が聴けたりする。「IT技術を日常生活に活かそう」のネタにできそうな話もあるし。
(3)具体策が書かれている
日本人を相手にするときは暗黙知で言わなくても分かってくれることがあるが、外国人を相手にするときは文書化しなくてはいけない。ただ暗黙知と文書化のどちらがいいというわけではない。日本人のいい面を生かしていくべきだ、とガイドブックには書かれている。
スケジュールが遅れたらこうやって挽回する。クラッシングやファーストトラッキングの具体的な方法も載っている。
P2Mってこんな感じだ。PMBOKとはちょっと違う。他にも、資格取得と維持のコストがPMBOKより安いという特徴もある。実は私は最初はここに目をつけたのだが。(^_^;
■PMAJとは
このP2Mの体系と資格を取り仕切っているのが、PMAJ(日本プロジェクトマネジメント協会)。これはPMBOK及びPMP資格を取り仕切るPMI日本支部とは別の団体だ。プロジェクトマネジメントの普及を図り、日本の産業の国際競争力の強化などのために作られた日本独自の協会である。
来たる9月6~7日に、PMAJの年間の最大のイベントであるPMシンポジウムが開催される。多少費用はかかるが、講演や懇親会などで知識や人脈を増やすいい機会にはなるので、興味がある人は行ってみるといいだろう。
少し前の話になるが、私がP2Mの資格の試験を受けたときは、試験中に飲み物を飲んでもいいと言われた。こんなことを言われた試験は初めてだった。そうと知っていれば、一番搾りを持ってくればもっと調子が出たのに!(笑)
P2M試験の体験記はこちら→「OH!マチガエテ~ラ」
abekkanでした。
コメント
こんにちはー。
昔PMPを取った時に、勢いでP2Mも取ろうと思ったことがありました。
当時はまだPMSしかなかったのですが、確かテキストが1冊しか出てなくて、情報が少なく取得を諦めたのを思い出しました。。。
今じゃPMRまで試験が行われてたんですね(汗)
PMBOKは外国で作られたBOK(知識体系)のせいか、そのままだと実際のプロジェクト管理では使いづらかったので、自分なりに読み解いて使っていました。
もしPMSを取っていたら、そんなことにはならなかったかもしれませんね。。。
>キャリアコンサルタント高橋さん
コメントありがとうございます。
P2Mも取ろうと思っていたのですね。(^^)
P2MもPMBOKもいいところも使いにくいところもあるでしょうが、身に着けたことを自分なりに応用していくことがやはり大切なんでしょうね。