いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

否定的なことしか言わない人への対応方法

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否定してかかる人を知ろう

 プロジェクトを進めるにしても、いや、晩ご飯のおかずを決めるにしても、否定したり迷ってばかりいると何も進まない。考えて選択することに価値をおく人もいるが、バカの思考に価値は無い。あり得ない選択肢を探して延々と考え続けるからだ。いや、実際は考えているというより、考えがループして収拾が付かなくなってるだけだ。

 以前に誰かがコラムに書いていたが、ドキュメントを書いても書いても、あらばかり探してOKを出さない人がいると。もう、嫌になっちゃうとのことだった。自分の意見や成果物に対してNoしか返答が返ってこなければ、誰でもやる気をなくすというものだ。私でもそうだ。

 否定的な人と仕事をすると、仕事は進まないしモチベーションもそがれる。楽しくない上に実害も出る。否定的な人とは言うが、実は誰にでも否定的な訳でもない。否定的な人に限って、自分より立場が上の人に対してはYesマンだ。上の立場の人に対して無理をした分、下の人にしわ寄せをぶん投げている。

 正しく言うなら、否定的な人というより人によって態度を変える人なのかもしれない。ただ、こういう人は理屈ではなく、誰が言ったかでしか判断しない。何を言おうと人で判断するので、正しいか間違えているかは検討されない。否定ばかりしているからといって、ネガティブな訳ではない。思考が止まっている人なのだ。

否定してかかる人の対処方法

 もし、上司やプロジェクトマネージャが否定しかしてこない人だったらどうしようか。答えは簡単だ。諦めろ。「いや、それをどうにかするのが仕事だから」という理由で頑張りたくなるのは分かるが、それは止めよう。徒労に終わる。相手は「上の人に従うのだから」という理由で仕事をしている。立場が上な人が必ず勝つのが組織と言うものだ。そしてあなたは負ける。

 諦めろと言っても全てを諦めるというわけではない。成功は諦めよう。善戦を目指せば十分だ。業務を遂行する能力の無い人が業務をすれば、上手くいかないのが必然だ。しかも、その人が組織から認められているのであれば、失敗は組織として必然だ。仕事をできない人を成功させても、味をしめて無茶をふられるだけで何も利益は無い。仕事できない人の無能を助長するだけだ。

 否定しかしない人の元で頑張っても意味が無い。正論をぶつけても改善は望めない。とりあえず、言われたことを最低限のペースでやっておけば十分だ。否定しかしない人にYesと言わせる努力をしている暇があったら、目の前の問題を解決できる技術を勉強しておこう。何が正しくて何が間違っているか。自分の中ではっきりさせて、根拠を持って説明できるようにしておこう。そうすれば、同じ場面に直面しても、適切に問題解決ができる。

 世の中には評価されても価値の無い人はいる。万人に評価される必要はない。どうせ評価されるなら、へつらうしか能の無い人より、分別のつくエンジニアに評価された方が成長できる。どういう人に評価されたいかは、それぞれが決めればいい。ただ、どういう人に評価されたいかで、自分の進む道は決定される。単に「会社のみんながそうだから」ではなく、もっと慎重に考えてはいかがだろう。

無茶に付き合うよりスキルアップして手段を得よう

 物事をやる上で、何ができるかできないかは適切に認識しておこう。どんなにやりたいと思うことでも、できないことはできない。それが仕事だろうと、できないことはできない。そういう事実は認識しておこう。そうしないと、無理を正当化して自分が疲弊していく。ただ、何ができるかという模索をしないと、選べる選択肢はどんどん減っていく。

 否定しかしない人に対して迅速な対応をしても、空回りする速度が上がるだけだ。解決策を提示しても、あらばかり探して勝手に迷い続ける。相談したとしても、自分の思いをぶちまけるだけで何の解決策にもならない。結局のところ、自分が何をしても同じ結果にしかならない。こういう人と仕事をするとなれば、ある程度の失敗を想定の上で、被害が最小限で済むように動こう。それで十分だ。

 仕事として考えるなら、私の考え方はアウトだろう。しかし、否定しかできない人を重要ポストにおいて仕事が行き詰まっているのは会社の責任だ。ここら辺で、どうすれば正しいかという議論はいくらでも広げることができるが、追求しても意味がない。こういう議論に終始してるヒマがあったら、専門書の一冊でも読んでおこう。手段を持たない人が議論をしても、得られるものは何も無い。

 良いか悪いかを考えるには必ず情報が必要になる。これを抜かすと判断ができないので否定しかできなくなる。情報を判断するにもスキルが必要になる。スキルが無いと判断ができないので、否定するしかなくなる。簡単にまとめると、能力が低いとどうしても否定的になってしまう。そうならないためには、自分の能力を伸ばすしかない。

否定的な人を覆そうとしても労力の無駄

 今回のコラムのテーマは否定しかしない人の対応方法だが、突き詰めると、自分が変わるか、人を変えるかというテーマにも通じる。一般的な考え方からいけば、相手が否定的なことしか言わないなら、その人を変えるか、自分が変わるかという二択になると思う。私が提示する方法は、言われた無茶を実現するより、できる範囲でスキルアップして自分を変えようというアプローチだ。

 普通であれば、可能な限り無茶を実現して成果を出すというのが正解だろう。成果を出すことで発言力を強めて、相手に変わってもらうというのが、花丸がもらえる回答だろう。組織に忠実な人は、愚直にそれをやろうとする。だが、元々振られているのが無茶なので実現できない。最後に振り返ると、目的も実現できないし、スキルアップもできていない。ただ疲れただけという結果しか残っていない。私は、それが真の失敗だと思う。

 否定しかしない人というのは、否定することで成果が出せると思い込んでいる。そういう人を肯定的にするには、手痛い失敗を経験して、自分のアプローチが間違えていることに気付いてもらうしかない。失敗するべき人を無理に成功させても利益は無い。失敗してもそこから学ぶことが大事だ。そういう考え方から、失敗が確定している状況なら、失敗した後に多くのフィードバックを得て成長に繋げられるアプローチも有りではないだろうか。

 このコラムを読んでいて、「否定的なのは成功に必要な要素だ」という人がいるかもしれない。それに関しては私は否定しない。だが、否定する際に十分なデータと根拠はあるだろうか?肯定か否定かより、まともな根拠の元で判断しているかの方が重要だ。否定しかしない人は、情報の確認が甘いので、手元の情報が曖昧になって情報不足に陥り易い。多くの情報を元に判断できるようになるために、フィードバックは必須だ。

 否定的な人は失敗する要素が多い。コイツらを覆すのに必要なのは努力とか工夫じゃない。しかるべく失敗させて、きちんと学んでもらうことだ。そのために、フィードバックを得ることに重点をおいて行動してはいかがだろうか。

Comment(7)

コメント

仲澤@失業者

本論とはあまり関係ないのですが、読んでいて思い出した事があります。
昔、なぜか発言の冒頭に「違う、・・」を言ってしまう人がいました。
しかも、続く発言内容が直前の内容と矛盾しないどころかほぼ一致している場合すらありました。
こういった人にははっきりと「全然違ってね~じゃん」と優しく諭してあげた方が良いかもしれません。
ひょっとすると本論の否定的な人にも「否定スレッドにリソース食われすぎてメインがもっさりしてまっせ」と言ってあげたら良いかもしれません。

最後に、大昔「全然違ってね~じゃん」と自分に言ってくれた人、ありがとう。
感謝してます(合掌)。

匿名

否定的な人は失敗する要素が多いが、それでもなぜ出世する人がいるのか。
経験上責任転嫁能力に長けている場合が多い。

失敗させることを織り込む場合にエンジニアがすべきは技術力ではなく政治力や処世術を身に付けることではないか。

天狗の高下駄

否定しかしない(ように見える)人が、相手によって態度を変えてるってのはまさにその通り
ですね。好き嫌いと言うか妬み嫉み僻みと言うか。

そんな人ってなにかで失敗した場合も自分の責任を回避するために、他人(チームなり部下
なり)を否定して周りに自分の正当性をアピールするんで手が焼けます。

そんな人間が社会人経験のほとんどの場面で存在していた私は気が付くと、何か(提案、構築
etc)を行う前に複数人(上司や関連部署のメンバー)で打ち合わせをして、一通り正論を吐き出
すようになってました。

これやっとくと、(ぶっちゃけかなり後ろ向きですが)何かのトラブルが起きてもとりあえず
「事前に問題提起していたよね」というアリバイが作れるので、否定好きな人の巻き添えを
喰らう可能性をそれなりに低減できます。

副作用としては友人から「おまえって正論で人を追い詰めるよな」って真顔で言われるよう
になります。

おじざる

どこにもいます。
「100のできない理由を考え、口だけは達者なコメンテーター」
「理想論を語り、一歩も動かないコメンテーター」


ある防災の専門家がいいました
「備蓄や災害準備はやっているはやるし、やらない人は何年たってもやらない」
そういう遺伝子だから、説得しても、教育しても無駄です。


否定することが我が役目と思っていて、それが自己保身なので、その人は別の遺伝子の動物と思って、無視しましょう。自然に淘汰されます。
できる限り、そんな「ネガティブな人は無視しましょう」

ゼロ

ネガティブをクレームと捉えるか、改善のヒントと捉えるかはエンジニア次第。


僕はクレーム言ってくれるクライアントが本当のお客さんだと思います。


クレームが起こるのは、往々にして良い事しか言わない大げさな表現から顧客の妄想を呼び、その妄想と現実が大きく乖離して起こります。全部が全部聞く必要はありませんが、クレームから得られる情報は有り難いです。気付けないバグを指摘してくれた人を無視するのはいかがなものかと思います。

Anubis

> ゼロ さん
コメントありがとうございます。


> ネガティブをクレームと捉えるか、改善のヒントと捉えるかはエンジニア次第。


この手の考え方については「クレーム」か「改善のヒント」かの二択に分けることはできる。ゼロさんの指摘は正しいと思います。ただし、教科書とおりだという印象です。実行に移すには、想像するより高度な精神のコントロールが必要になります。


これを実践していて体調を崩した知り合いがいたので、こういうコラムを書いてみた。改善も大事だが、自分自身も大事にして欲しい。

雑用係

うちの部長のことを言っているのかと思ってしまいました。事務職と言う名の雑用係をやっています。最近はイライラしなくなる方法とか、馬鹿と付き合う方法とかの自己啓発本を読む機会が増えました。イライラするのはたった一人の上司のせいです。ある意味一人の上司を除いて関係が良好というのは恵まれていると思っています。そのたった一人の上司が、まさに今回のテーマ通りの人間です。このコラムを読んで明日も頑張って会社に行こうという気になりました。ありがとうございます。投稿された日から日は経っておりますが、どうしても感謝を伝えたくてコメントさせていただきました。ありがとうございました。

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