いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

インフラエンジニアとプログラマ、どっちが頭いい?

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■ナンセンス承知で踏み込んでみる

 そもそも、やってることが違うので並行に並べて比べることがナンセンスという話だ。しかし、インフラエンジニアにしても、プログラマにしても、横に並んで隣を見れば気になることではある。

 もちろん、インフラエンジニアならインフラエンジニアの方が頭が良いと言い張りたいだろう。プログラマならプログラマの方が頭が良いと言い張りたいだろう。どっちもそう言い張っていれば良い。そういう自信というのはモチベーションの元にもなるので大事だと思う。

 こういう話題を取り上げると、ナンセンスなコメントが期待できる。実際に優劣はある。だが、条件次第でそんなものはいくらでも変わる。ここら辺をこねくり回して、自分の優位性を必死に立証しようとする。まぁ、そういう様が微笑ましくもあるのだが。

 ただし、ごちゃごちゃになった条件を整理すると、思うより筋の通る答は出る。今回のコラムのテーマは、比べにくいものを比べるにはどうすればいいかがテーマだ。インフラエンジニアとプログラマを並べて優劣で云々言うのが目的ではない。

■結論としてはインフラエンジニアの方が頭が良い

 この手のコラムを他の人が書くと、両者引き立てて結論をあやふやにして「どっちも良いね」みたいに無難に済ませることだろう。なので、あえて結論を出させてもらう。インフラエンジニアの方が頭が良い。

 インフラエンジニアの方が現場に近い。視野に入れる範囲もソフトだけでなく、ハードウェアの構成や使用する人の状況と幅が広い。広い範囲で物事を捉える力が要求されるので、その分、頭の良さが問われる。

 プログラマであれば、対象となるのは自分のコードだ。視野に入れる範囲で言えば、ソフトの仕組みに集約される。純粋に動きだけを追うので、視野に入れる範囲はインフラエンジニアより狭い。仕事の基本はコピペで対応できる。

 もちろん、自分の業務がこなせていることが前提になる。インフラエンジニアでも、業務がこなせていない人が能力が高いことはない。一線で通用するインフラエンジニアであれば、プログラマより頭が良い。

■優劣を決める思考のトリック

 多分、この比較の仕方を読んだプログラマの方は心穏やかではないと思う。内容を読めば分かるが、比較しているのが一線で通用するインフラエンジニアとコピペ仕事をしているプログラマだからだ。意図的にプログラマが「劣る」みたいに書かれているからだ。

 比較対象は一線で通用するインフラエンジニアとコピペ仕事をしているプログラマだ。その差は言う間でもなく歴然だ。結果から意図、基準と逆をたどって話を組み立てている。こうすれば、自分の意図するように理論を立てることができてしまう。

 エンジニアなんて千差万別だ。闇雲に比べたところで結論は出ない。だが、対象と条件を決めれば、人を納得させられる答を出すのは意外と容易い。結論を出すには、条件を絞ればいい。それだけだ。

 だが、理論を立てるのがヘタクソな人ほど、条件や対象を無意味に広げて、世界の真理を言い当てようとする。条件や対象が多岐に渡れば、それだけ考慮すべき要素は増える。そりゃ結論なんて出ない。コラムに付くクソコメントはだいたいこんなもんだ。

■優劣を決める意味

 プログラマはソフトウェアを作るプロで、インフラエンジニアはソフトウェアを使うプロだ。私はそう考えている。基準はそれぞれが持てばいいと思う。こういう基準がないと、無意味にフルスタックエンジニアを目指して、身の丈に合わない目標ばかり追い求めるようになる。

 自分の決めた条件で自分の優位を立証できれば十分だ。自分の成長に合わせて、条件を追加していけばいい。そうすれば、成長に対して根拠が得られる。モチベーションも高く保てる。いちいち人の決めた条件で優劣を競っても、あまり利益は無い。

 人と比べて優位という方が確かにカッコイイ。世の中の大半の人がそれを目指す。だが、自分の力量に合わない努力をしたり、努力の方向を見失い易い。そして何より、やってて疲れる。短距離走のような瞬発的な成長は望めるが、継続的な成長はしんどいだろう。

 あなたがプログラマなら、プログラマの方が頭が良いと思っていれば良い。インフラエンジニアなら、インフラエンジニアの方が頭が良いと思っていれば良い。お互いが顔を合わせたら、相手を見て頭が良いなと讃え合えば十分だ。

 根本的な話だが、もし、インフラエンジニアとプログラマの優劣をはっきり決めて、何ができるだろうか。給料や立場をくっきり分けて、自分だけ得でもしたいのだろうか?優劣を決めるより、何で優劣を決めようとしているか。そこに思索の余地はあるのではないだろうか。

Comment(3)

コメント

仲澤@失業者

条件や対象を無意味に広げてみたところ、
最も優れているのはネコであるという結論に達しました。
最近のAIにならって思考過程は省略しますが
これはゆるぎないものとの感触を得ています。
さらに驚いたことに彼らはそれにはまったく関心がなさそうな様子なのです。

ksiroi

まぁ、バスの運転手とタクシーの運転手を比較するのに等しいからねぇ
不毛な議論よのう。ハゲじゃないよ

最初インフラエンジニアで、その後プログラマに転向したんだけど、プログラマになった時に驚いたのは、プログラマはLinuxやライブラリのバグを見つけて、それらを修正して使ってるのを見たとき。

インフラエンジニアやってたときは他人の書いたパッチあてるくらいはやってたけど、自分でバグを見つけて修正するってのをまじかで見ると、プログラマーすげーって思った。

同時に、どうしようもないスパゲッティコードを書く人が多くて驚いた。

二極化してるのかな?

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