いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

地頭を鍛えるという発想

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▪️スキルとは知識のことではない

 最近、疑問に思うことがある。勉強というと、こぞって知識を詰め込みたがる。だが、いくら知識があってもIQが低かったら使い物にならないんじゃないだろうか?また、多くの知識を持っていても、組み合わせる発想力がなければ、単に本棚が歩いているようなものだ。必要な時に必要な知識を判断するにも、記憶力とは別に判断力が必要だ。

 単に本を読んで暗記していくだけの勉強方法は苦行でしかない。個人的に暗記は苦手だ。なので、ぶちゃけ学校の成績は悪かった。しかし、今思えば逆にそれが良かったと思う。暗記が苦手だったので、知識を組み合わせることを覚えた。覚えたことに固執しなかったので、不要な情報をさっさと忘れることもできた。

 一般的には知識が多い人が頭がいいと思われる。知識があれば、思考力や判断力、発想力がセットでついてくると思われがちだ。だが現実は、それぞれの能力は全く別物だ。しかも、別個に鍛え方が違う。

■どんな能力も脳みその性能に依存する

 更に突っ込むと、判断力にしても発想力にしても、脳みその性能に依存する。乱暴な言い方をするなら、頭が悪けりゃ何やってもうまくいかないということだ。更に言うなら、性能の低い脳みそに過剰に情報を詰め込むと、簡単にオーバーヒートする。やっても無駄になるということだ。

 しかし逆に考えると、脳みそを鍛えればいろいろな可能性が開花するとも言える。脳みその基本性能が違えば、同じソフトを入れても大きな差が出る。結果を得たければ、脳みそを単純に鍛えるという選択肢もありじゃないだろうか。

 あと、これはよく誤解されていることだが、知識はただのデータだ。パソコンで言えばExcelやWordのファイルみたいなものだ。いくら詰め込もうと、頭の回転が速くなることはない。むしろ、データが整理できていないと回転の効率が悪くなる。不安に任せて知識を詰め込むと、むしろ頭は悪くなる。

■脳みその鍛え方

 脳みその性能といっても難しく考えることはない。筋肉鍛えるのと同じだ。記憶を繰り返せば記憶力がつく。集中を繰り返せば集中力がつく。基本的に訓練で鍛えることができる。ただし、こういう考え方をする人はあまりメジャーではないと思う。

 鍛え方の基本は同じ事を反復することだ。知識を求める人は、ひたすらバリエーションを求める。その真逆のアプローチだ。あとは、毎日やり続けることだろう。筋肉を鍛えるのと同じだが、一気に詰め込むということがなかなかできない。

 反復練習というのは基本的につまらない。やっていても新たな刺激というのがなかなか得られない。しかし、スポーツにしても基礎練習をしないで実戦ばかりやっていても、なかなか上達しない。同じことがIT技術の学習にも言える気がする。

■筋肉でも鍛え方の奥は深い

 筋肉を鍛えるにも、持続力を鍛えるか、瞬発力をきたえるか、目的によって、鍛える筋肉の箇所、方法が変わってくる。同じように、脳みそを鍛えるにしても、集中力を鍛えるか、計算力を鍛えるかで方法が変わってくる。

 アスリートの筋肉の鍛え方は非常に科学的だ。対するエンジニアの学習方法は非常に原始的だと思う。本を読めば賢くなる、勉強会で議論をすれば賢くなる。そういう単純なものでもないと思う。

 そもそも、自分の脳みそがどのように働いているのか考えたことがあるだろうか。自分がどのくらいの情報量を処理できるか把握できているだろうか。単に向上心だけでは空回りしてしまう。自分の能力を的確に把握してこそ、次のステップが見えてくる。

 脳みその性能を単純に鍛えるという発想はかなり重要だと考えている。新人を教育するにしても、とれる手段の幅が格段に広がる。成長が芳しくない場合でも、伸び代を見出せる。IT業界の抱える教育力の不足に対して、有効なアプローチになるのではないだろうか。

Comment(15)

コメント

ハリコフ

知識であれば、中学卒業レベルで十分。時間を掛けて知識と経験を上乗せすれば戦力になると思いますが、それって上乗せできる土台、つまり「知能」があることが前提ですよね。

Anubisさんの考え方には、基本的には同感ですが、脳みそを鍛えるというのは、知能を鍛えるという事でしょうか?

思考方法などのテクニックを教えることは出来ると思いますが、既に20才を過ぎた人間の知能を鍛えられるとは思えないのですが・・・

はぎわら

目的と手段の考え方と似ていると感じました。
手段を鍛えるために切磋琢磨したとしても、同じ目的を容易に
果たせるのであれば、より手短な手段の方が良いですし、時に
よってはいつもの手段は使えなかったりもしますし。

Anubis

>ハリコフ さん
>脳みそを鍛えるというのは、知能を鍛えるという事でしょうか?
このコラムでは触れていないが、IQとEQを鍛えることだと思います。

>既に20才を過ぎた人間の知能を鍛えられるとは思えないのですが・・・
今の時代、普通に生きてるとどんどん頭が悪くなる。
努力して劣化が止められる程度に考えて丁度いいと思う。

> はぎわら さん
知識自体、何かと結びつかないと全く役に立たない。
私の感覚からすると、手段にもなり得ないと思っている。

ここはそれぞれ考え方の違うところかもしれないですね。

あんく

スポーツ科学に止まらず、科学的な方法論はすべからく「こうすればこうなる」という事の検証を理論的、実践的に積み重ねたものが土台にあります。
地頭を鍛える、という事が客観的に観察しうるのであれば、科学的な方法論で地頭を鍛える事が出来るかもしれませんが、地頭のよさ、という事を数値的に捉えられないと、科学的な方法論は成り立たないでしょうね。
ところで、地頭のよさがIQとEQで捉えられる、という事には疑問です。IQと学力偏差値の相関が、学校の評価などに用いられますが、IQは生得的なポテンシャル指標として捉えられる事が多く、頭の良さを示す指標ではありません。

Anubis

>あんく さん
「時頭の良さがIQとEQで捉えられる、ということに疑問」と書いているが、
IQについてしか言及していない。考察するべき要素が抜けているので、
科学的に考えるなら間違った結論しかでないかと。

ついでに言うなら、「数値化できないから論証できない。」これは科学ではない。論証できないものを何らかの方法で数値化して、論証できるようにしていくのが科学だ。

未知に対するアプローチができないのであれば、ただの屁理屈に過ぎない。

あんく

地頭を鍛えよう、という発想自体に何の反論もありませんが、スポーツ科学を引き合いに出して科学的な方法論を模索しよう、と言うなら最初に検討すべきことは地頭の良さの客観的な指標はあるのか、ということです。それがない限り、エセ科学でしかありません。
コメント欄に単純にIQ, EQの指標が出てきたので、IQについて少し知識が足りないのではないでしょうか、というニュアンスを込めてコメントしました。EQについては私はコメントできませんでしたが。
ま、反論があればコラムを書け、と言うご意見の持ち主であるようなので、一先ずはここまでで。

明智

はじめまして。
部下に苦悩してて、すごくよくわかります。
フォローに回ったり質問を受ける際、情報を引き出して答えを導き出すのですが、
結局は部下自身、解答に至る情報量を持っているのに整理が出来ていない。
こういうのってどうやったらよくなるのか・・・

研修やら分析やら1年以上試行錯誤してますが
結局本人が思考してくれないとなんともならないですかね・・・

Anubis

> あんく さん

> IQについて少し知識が足りないのではないでしょうか、というニュアンスを込めてコメントしました。

そんなあなたは科学に対してのセンスが足りない。
ニュアンスではなく、はっきり指摘させて頂く。
知識に沿ってしか考えられないのは科学じゃない。そこを勘違いしている。

> ...エセ科学でしかありません。
地動説もかつてはエセ科学だった。新たな事実が発見されたり、条件が変わることで科学は科学で覆る。

> EQについては私はコメントできませんでしたが。
その、コメントできないところに私の言いたいことがあった。
結果的にあんくさんは、一部を見て全体を判断して押し通そうとしています。
そこに科学的センスの乏しさを感じます。

>一先ずはここまでで。
・・・とはさせないためにキッチリ言っておく。あなたは二度、論破されている。

反論は歓迎だ。
しかし、キッチリ返答しないと考えずに反論する人がたくさん来る。
結果、低レベルの反論でコメント欄が溢れかえることになる。

そういう意図で〆させて頂いた。

あんく

コメントするに値しなかったようですね。以降差し控えます。ご迷惑おかけしました。

Anubis

>明智 さん
コメントありがとうございます。

>結局本人が思考してくれないとなんともならないですかね・・・

これは私にとってもテーマです。
コラム書くにしても、結局、誰かの関心をひけるかどうかです。
何か通じるものを感じます。

> あんく さん
フォローしておきますが、
本当に取るに足りない反論なら返答せずに消しています。

返答を付けるにしても、コメントを何度も読み返しています。
反論された以上、手抜きせずに対応する。それが誠意だと考えているからです。

論破するのはボクシングの試合みたいなものです。
挑まれた。そして突くべき隙があったから突いた。それ以上それ以下は無い。
そこに迷惑とか不愉快さはありません。

論破したいのであればコメントではなく、時間をかけてコラムの
本文を読んでください。流し読み程度で論破できる道理はありません。

コメントは拒みません。いつでもお待ちしております。

ゆずる

人間は自尊心=プライドの塊だから、自分が客観的にどういう位置にいるのかがよくわからない。

その葛藤がゆえ、自分なりの価値観を構築していく。それは良いこととされるが、自分はそうは思わない。

筆者は学校の勉強を暗記だと言ってるが、それは暗記のレベルで躓いただけであり、その先には論理的思考力、分析力、発見、仮説検証といったフェーズに移行していく。

自分より知識がある人はスキルが高い可能性が高いにも関わらず、そういうのを素直に認めないのがこのコラムの特徴だと思う。

偏差値が高いからといって頭が良いとは限らない
知識が多いからと言って頭が良いとは限らない
知識が多いからと言ってスキルがあるわけではない

こういうのは、「人間は皆、自分は他人より劣っていない」「自分が一番優れている」とか「成績・偏差値・点数・年収・他人からの良い評価はうけていないが、自分がこんなもんではない」という思春期から人間がかかえる自己評価と世間の評価の乖離から生じる葛藤ですよ。

このコラムのシリーズも昔から一環してこれがテーマ。

本当に俺はこんなもんじゃない

評価が低いのは評価基準が悪いからという主張がこの筆者の一貫した主張

そして、そういう悩みは誰でも抱えている。

Anubis

> ゆずる さん

まず、ゆずるさん、決めつけが多いです。
> 筆者は学校の勉強を暗記だと言ってるが、それは暗記のレベルで躓いただけであり、

勝手に人を躓かせて終わらすなよww

確かに、どっかのコラムで躓いたとは書いた。
だが、おかげでいろいろな気づきがあって能力が開花したと続けたはずだ。
ちなみに現在、いろいろ勉強し直して、知識において困ることは無いのだが。

この時点で、頂いたコメントは想像に基づく独白に過ぎない。
しかも、かなり失礼じゃねーっすか?

一応突っ込んでおくと、

> このコラムのシリーズも昔から一環してこれがテーマ。
毎回テーマがブレてたら逆にどうなん?

>筆者は学校の勉強を暗記だと言ってるが、
一般論です。

>人間は自尊心=プライドの塊だから、自分が客観的にどういう位置にいるのかがよくわからない。
>
>その葛藤がゆえ、自分なりの価値観を構築していく。それは良いこととされるが、自分はそうは思わない。

プライドとか自尊心という要素は 私にもありますが、
ゆずるさん にもあるのではないでしょうか?

コメントで自分の意見の優位性を必死に説いているのも、
私の立場から見ればプライドが背景のように見えます。

私から見ると、ゆずるさんが一生懸命、
自分の抱えているコンプレックスを独白しているようにしか
見えません。

言い回しでカッコつけ過ぎて、何が言いたいかよく分かりません。
人を見下す前にまともな日本語を使ってください。
ご希望なら添削いたしますが、どうなさいますか?

http://el.jibun.atmarkit.co.jp/101sini/2015/10/post-1698.html
ここで、クソコメがギャグに見えると言った理由がお分かりかと思います。

たれごりら

コラムの内容には概ね賛成です。
知識を持っていても使い方を知らなければ、意味がない。

ただ、個人的な経験ですが、
知識不足を補おうと大量のインプットを行って、
結果、情報を整理する力というのはつきました。
なので、詰め込むというのも脳を鍛える方法のひとつかと。

ゆずる

知識が多い人のことをスキルが高いとは限らないとか、知識が多いが思考力が伴うとは限らないなどとDISし続けるこのコラムは割と他者に対して失礼な記事が多いと思いますよ。

当然、反発もあるから荒れて炎上するわけで・・

Anubisさん、一度価値観をリセットして、「上位のものはすばらしい」「偏差値が高いと賢い」「高所得者は努力している」などの割とありがちなイメージを受容してみてはいかがでしょうか。

じゃないとずっとこれから先も「俺のほうがすごいはずだ」とか「あいつに負けているのは認められない」といった煩悩に苦しめられるはず・・

Anubis

>たれごりら さん
>なので、詰め込むというのも脳を鍛える方法のひとつかと。
ここについてはおっしゃる通りだと思います。

ただ、大量の情報をインプットするだけでなく、情報の整理も行ってますよね。
なので、記憶力と情報を整理する力と二つを鍛えていることになります。

単に記憶力だけ鍛えている人より一つ多くの要素を鍛えていると私は見ます。

> ゆずる さん
> 知識が多い人のことをスキルが高いとは限らないとか、知識が多いが思考力が伴うとは限らないなどとDISし続ける

これのどこがDISってますか?「とは限らない」なので、
知識も多くスキルが高い人も知識も多く思考力も伴っている人もいる前提です。
言ってる意味が通じません。

ゆずるさんのコメントを読んでいると、
「暗記 → 論理的思考力 → 分析力 → 発見 → 仮説検証」
というプロセス以外を認めないような内容に受け取れます。
そこ、どうなんですかねぇ?

もう一度言いますが、ゆずるさん、決めつけが多いです。
否定する根拠があなたの思い込みなので失礼だと言っている。
二度同じことを言われているのだ。そろそろ反省すべきでは?

あなたの価値観と違う価値観で話をしてるだけです。
反発も歓迎です。価値観が違えば、当然そういうのも起きますから。

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