いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

君の考える戦略は役に立たん。

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▪️戦略を立てる前に

 まず、戦略とは何か。いろいろ調べてみたが、意外と曖昧な言葉だ。Wikipediaによれば、strategyの和訳で「特定の目的に対する枠組みや方向性」を指すらしいが、時代背景や状況によって使われ方が違うようだ。ぶっちゃけ、何をもって戦略かというのを追求すると泥沼にはまりそうだ。

 言葉の定義でごちゃごちゃいうのもバカらしいので、ルルーシュ・ランペルージさんの言葉「戦略が戦術に負けることはない」から、戦略=計画 、戦術=技能 くらいの感覚で話を進めていこうと思う。

▪️戦略の前に戦術だろ

 一般的な人のITスキルを見てみると、Excelを中途半端に触れるくらいのレベルで止まっている。状況に合わせてソフトを使い分けるという概念も無い。ソフトウェアに文句を言うばかりで思考の柔軟性に欠ける。

 組織のトップになるほど「ITは難しい」とIT技術を疎む。関心すら無いので、IT技術を高めることで、何ができるようになるか想像できない。そんなことなので、ITの技能が高い人に対して正当に評価すらできない。これでは全体の技能レベルが落ちて当然だ。

 根本的な技能がなければ、高度な計画を立てても支えきれない。日本の ITにはそこが抜けている。戦略以前に戦術が総崩れだ。ITを使いこなしてると言っても、Excelで綺麗な表が作れる程度の認識だ。業務にどうITをどう活かすかイメージできない。これでまともな戦略とやらが立てられる訳がない。

▪️そもそもお前ら何と戦ってるんだ

 戦略にしても戦術にしても、「戦」という字が入っている。本来であれば、計画とか技能と言えば通じる。わざわざ「戦」という字が入っている言葉を選ぶということは、きっとそういう心境だからだろう。

 ビジネスマンには厨二病のヤツが多いんじゃないいか?大人の事情にコーティングされているのでそれっぽくは見えるが、非現実的だったり、発想が子供っぽいものもよく見かける。漫画や映画で見る戦いのイメージを引きずりまくってる。

 戦場気分なので、過剰な無理をしたり、簡単に何かを犠牲にできるのだろう。そんなことで、ビジネスで戦略を語る人に対する思いは複雑だ。定められた目標に対して、正体も分からないものと戦っているように見える。

▪️戦略至上主義を捨てよう

 まず、自分が考えている戦略が本当に戦略なのか確認しよう。とりあえず、戦略が無いよりあった方がキチンとやってるように見える。キチンとやってることをアピールするために戦略を立ててはいないだろうか。これは戦略ではない。アピールが通った時点で目的は達成されるので、実行に移した時点で炎上する。

 戦略は万能ではない。現代のビジネスマンは戦略に固執しすぎる。特に IT業界は酷い。戦略は無茶を実現するための錬金術ではない。個々の技能の低さを補うにも限界がある。戦略も大事だが、頼り過ぎると柔軟性を無くす。全ての物事が人間の考えた筋道通りに進むほど現実は甘くはない。

 そもそも、戦略とか戦術と言ってる時点で争うこと前提だ。資本主義、市場原理に毒され過ぎている。争うことを前提に物事がうまく進むとは思えない。そんなに戦いたいなら人と争うのではなく、自分自身の弱さと戦って頂きたい。

 争うことを前提に考えていると、協調、撤退、譲渡などの手札が選べなくなる。その分、多くの手段をリストアップすることができなくなる。なので、戦略とボヤいている以上、その人は戦略を立てるのに必要なネタが不足してしまう。だから役に立つ戦略を立てることができないのだ。

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