いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

暗い現場を明るくする方法

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◾︎無茶苦茶暗い現場

 「仕事をするなら楽しくしよう!」という触れ込みはよく聞く。だが、実際は暗い現場は多い。とにかく重苦しいのだ。なるほど、こんなところで働いてたら病むなと確信が深まる。

 現場の雰囲気というのは大事だ。ピンチに追い込まれた時、希望が持てるか、絶望感が漂っているかで全然結果が違ってくる。暗くてどんよりしている現場で希望は持ちにくい。否定的だからだ。逆に、明るい現場だとなんとなく頑張れそうな気持ちになれる。

 誰だって現場が暗いより明るい方がいい。実際に、明るい現場の方が生産性は高いし、快適に働ける。良いスパイラルが生まれやすい。誰もがそれを知っていつつも実現できない現場は多い。

◾︎雰囲気を変えるにはまず言葉

 暗い現場には共通した特徴がある。言葉が否定的だ。例えば、頼んだ仕事の途中経過を確認したら50%の進捗だった。こういう場面でどいういう言葉が出るだろうか。

 まず最悪なのが、「まだ半分?全然できてないじゃないか!」という反応だ。できている50%も否定するので、体感できる進捗は0%になる。仕事を頼まれた人も憤るし、仕事を頼んだ人も進捗0%と認識して切羽詰まる。双方、害しか及ぼさない一言だ。

 普通に「50%進んだか。頑張ったな。その調子で頼む!」でいいんじゃないだろうか。50%進んだのは事実だ。その部分の頑張りを認めて、引き続き頑張ってもらえばいいのだ。仕事を頼まれた人も正確に進捗を認識できるし、頼んだ人も正しく進捗を把握できるので、プロジェクトを進めやすくなる。双方が落ち着いて仕事ができるようになる。

 現象が同じでも、言葉一つで全然受け取り方が違ってくる。言葉を変えるだけなので一見簡単だが、コレができない理由がある。

◾︎相手を認めたら終わる人

 人を認めることには非常に勇気が要る。相手が優れていれば、自分の実力不足が露呈するからだ。自分に自信のない人は他人を褒めない。叱ることで相対的に自分の立場を上げようとする。

 誰でもいいから、否定的な人を想像してみて欲しい。もし、この人が肯定的になったとしたら、当然、自分との距離が縮まると思う。距離が縮まると相手がよく見えるようになる。よく見えるようになって実力不足を悟られたら、非常に危機感を感じることだろう。だから相手との距離を縮めないのだ。

 本来であれば、実力不足に気付けば頑張ってキャッチアップすればいい。誰かが何かを達成したら一緒に喜べばいい。それができない人が、相手を一生懸命否定するのだと思う。

◾︎一つの気付きが現場を変える

 言葉を選べるようになるためには、言葉を選べる余裕が必要だ。いつも怒ってと衝動に負けて暴言を吐いてしまう。達成できる可能性を見出せなければ自然と消極的な言葉しか出なくなる。

 一生懸命頑張ってるのに空気は重くなり現場が殺伐とするのでは、あまりに報われない。ただ、普段使っている言葉を見直すだけでも、劇的に仕事が楽しくなる可能性はある。ここは気付くか気付かないかの世界だ。

 もちろん、自分に与えられた仕事をこなす力量があることが前提だ。でなければ余裕が持てない。力量が無いなら補おう。やり方を間違えているなら改めよう。無理だと思うならその立場から退こう。言葉一つの気付きで現場は変わる。だが、実力不足を多くの言葉で誤魔化しているうちは気付けないだろう。

 自分に正直になろう。まずはそこからだ。

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