いろいろな仕事を渡り歩き、今はインフラ系エンジニアをやっている。いろんな業種からの視点も交えてコラムを綴らせていただきます。

計画立てずに仕事するとどうなるか

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▪︎無茶苦茶な業務に学ぶ

 IT系の業務に限らず、仕事をする時には必ず計画を立てる。ただ、計画に抜けがある事は多くても、計画を立てずに仕事をする機会は少ないと思う。いろいろな現場で仕事をしていても、全く計画を立てずに仕事をする現場は稀だ。

 そういう現場で働くと、なぜ計画を立てて仕事をする必要があるのかよく分かる。仕事をする時は、当たり前のように「計画を立てろ」とは言われるが、その理由を明確に説明できるだろうか。全く計画を立てずに仕事をする現場で働くと、計画を立てる理由がよく理解できる。

▪︎計画を抜かすロジック

 仕事をする時に計画を立てるのは常識だ。ただ、なぜそれを抜かすか。計画を抜かす人には特徴がある。

  • 作業が早い
  • 変な信頼がある
  • 仕事のスピードにこだわる

能力の劣る人が計画を抜かすと思われるが、意外とそうではない。そもそも、能力が劣る人は計画を立てるような立場にいない。能力よりロジックの問題で計画を抜かす。

 まず、計画を立てるには必ず時間がかかる。計画を立てるプロセスを抜かしたり簡略化(手抜き)すれば、必ず最初の一歩はリードできる。この一点が非常にインパクトが強い。この一点だけをアピールして、評価を勝ち取ることもできる。

 みんなも評価するし、実際に早い。これだけ条件が揃うと勢いが出る。慎重に行動している人を説き伏せることができるようになる。なので、一見無茶苦茶な理論でも通るようになってしまう。

▪︎実際にどうなったか

 全く計画なしで業務を進めた結果、最初の6割は凄まじく早かった。地道に計画を考えていた自分が惨めになるくらいに早かった。私も考えるのを止めて、任せきりにしてついて行こうかと考えるくらいにだった。

 だが、6割超えたころからダブりの作業が急に増えだした。チェックが重複してしまったり、作業をやり直したり、仕事のスピード感が急に無くなった。出戻りや重複作業が増えたおかげで、現状が掴みにくくなったのもこの頃からだ。

 また、計画を立てていないので作業は個人プレーが中心になっていた。それぞれが自分の考えを主張するので、作業に一貫性が無くなった。やっている時点では気付けなかったが、やったことを時系列で書き出すと、明らかにおかしい行動が多かった。

 悲惨なのが終盤だった。設定内容の一覧が作れなくなった。運用が始まっているので、後から設定内容を拾ったりチェックするのが非常に困難になった。手元にある情報の精度も低く、調査の難易度は跳ね上がった。スピード感が落ちるは、作業の精度も落ちるは、マネージャがキレまくって現場の空気は最悪になった。

▪︎なぜ計画が必要か

 計画と聞くと、誰もが作業に対する期限を思い浮かべると思う。だがそれは違うと思う。何日までに何をするというのは、ただの目標だ。期限を決めるだけで計画と言うには足りない要素が多い。

 計画と言うには、期限の他にも、チェック項目や実現するための手段、このくらいは考えておく必要がある。計画を立てるというのは、あまりに常識的に語られているのでなかなか深く考える機会が少ない。実際、散々な目にあって初めて「計画とは何なのか」について考えるようになった。

 計画はなぜ必要なのか。この答えについては、それぞれの経験により色々な答えがあると思う。成功体験も非常に役に立つと思うが、散々な目にあった事例から学ぶことも多い。大事なのは、成功しても失敗しても、後で分析することだと思う。

 そもそも、計画を立てるにも材料が必要だ。計画を立てない人と話していると、計画を立てるための材料、情報が決定的に欠けていた。そんなことで、記録を残すこと、残した記録を読み返すこと、人と情報を共有することの重要性を痛感した。

Comment(1)

コメント

やまぐち

すばらしい
これを文章で表現できる人間を待っていた

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