犯人はヤス
▪️レトロゲームの有名なネタバレ
まだファミリーコンピュータが全盛期だったころ、ポートピア連続殺人事件というゲームがあった。アドベンチャーゲームの駆け出しの作品で、主人公は刑事。ヤスという相棒と共に事件を解決していくというゲームだ。
このレトロゲームだが、ゲームの名前より最後の結末「犯人はヤス」というネタバレの方が有名になっている。だが、このゲームにはもう一つ隠された・・・いや、勝手に私が思っている謎がある。
ポートピアってどこだよ。
もし事件の犠牲者を一人で食い止めることができたら、「ポートビア単発殺人事件」になったのだろうか。また、殺人を食い止めたなら、「ポートピア殺人未遂事件」になったのだろうか。リバイバルで誰か作ってはくれないだろうか。
▪️IT業界で有名なネタバレ
あと、IT業界にも有名なネタバレがある。
犯人はボス
配属されたプロジェクトに三日間関わると、そこはかとなく予感がする。一週間関わると予感が確信に変わる。プロジェクトの終盤には諦めに収束する。
大きいプロジェクトでも、いや、大きいプロジェクトほどトップのしわ寄せが下にそのまま流れてきやすい。よく、プロジェクトの上層部から、「なんで進捗が遅れているだ?きちんと原因を究明しろ!」という話を聞くが、究明をする間でもなく、言ってる本人が犯人だったりする。
ツイッターでなんとなく「犯人はヤス」というキーワードを聞いて、ハッと頭に浮かんだのが「犯人はボス」というキーワードだ。分かりきった結末、自分の近くで絶対に白のような顔をしていて、実は黒幕。そういう共通性を強く感じた。
▪️ネタバレからの出発
最初から結末がわかっているゲームはつまらないと思われがちだが、結末が分かっていてもプロセスを楽しむことはできる。だが、仕事はそうはいかない。目の前に明らかに原因が見えているのに対処できなければ、早々に詰む。
ゲーム関連では開始早々難易度が高すぎて詰むゲームを「無理ゲー」などと呼ぶ。こういう無理ゲーに似たプロジェクトはIT業界でよく見かける。明らかに失敗すると察しのついたプロジェクトほどモチベーションの下がるものはない。
だからといって、プロジェクトが佳境に差し掛かった時に「犯人はボス」が判明しても、それはそれで悲惨だ。むしろ始めから分かっていた方が対策が立てやすい。そう考えると、「犯人はボス」がネタバレした方がむしろ好都合かもしれない。
◾︎現実というクソゲーを楽しむ方法
最初から失敗の原因がわかっているプロジェクトが多いとお嘆きの方は多いかもしれない。だが、嘆く前に視点を変えよう。現実が条件の整った精巧なシステムだと思うからしんどくなるのだ。始めからクソゲーだと認識した上で対処方法を考えよう。
ゲームというのは、いろいろとアイテムを得たり、先へ進むことが楽しいと思われる。だが、クソゲーを楽しめる人は、ゲーム中に起きる理不尽を逆に楽しむ。そこにあるのは観点の違いだ。これは現実でも有効な手段だと思う。
指示すればいう通りにやってくれるもの、マネージャならプロジェクトの状況を的確に把握しておくべき、対価は適切に払われるべきだ・・・と、私たちは現実に正当性を求め過ぎているのかもしれない。ただ、その正当性も結局は自分の観点が基準だ。ここはよく見過ごされる。
犯人はヤス。これが分かった時点で、ポートピア連続殺人事件がクソゲーになるか、それでも楽しいかはプレイヤー次第だ。同じように現実でも、犯人はボス。これが分かった上で何がやれるかはその人次第だ。犯人が分かった時点で終わりではない。そこからが始まりだ。絶望するか、立ち向かうか、行動によってエンディングが変わるのはゲームに似ているかもしれない。
コメント
仲澤@失業者
ポートピア81のことだと、かってに思ってました。
正しくは「神戸ポートアイランド博覧会」のことですね。
最寄りの駅だと市民広場駅。
つまりN135.21256,E34.6648のあたり
・・・違うんだろうか(謎)。
EXCELER
ポートピア言うたらそら神戸のことでんがなまんがな。新開地も出てきまっせ。